196-参-内閣委員会-017号 2018年06月07日


2018年6月7日

○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。今日は七十分もお時間をいただきまして、本当にありがとうございます。
 PFI事業、まず全般についてお聞きをしたいというふうに思います。
 このPFI法は平成十一年に制定をされまして、今日まで数度の改正が行われております。平成十三年、十七年には行政財産の貸付けの自由度の向上、平成二十三年には利用料金の徴収を行う公共施設等についてコンセッション方式を導入をすると、また平成二十五年には株式会社民間資金等活用事業推進機構を設立し、公共施設等運営事業等に対する金融支援の実施、そして平成二十七年にはコンセッション事業者への公務員の退職派遣制度などの創設などを決めてございます。
 まず、梶山大臣にお聞きしたいと思います。
 平成十一年にPFI法が制定されて以来、今回も含めてこれまでに数次にわたる改正が施されております。それはなぜなのかということ。それから、財政の健全化と公共投資の両立ということを図る政策ツールはほかにもある、大臣もこれまでPFIはその選択肢の一つというふうにも、先ほども質疑でも答弁なさっておられましたけれども、にもかかわらず、このPFI法をこれだけ改正をして、相当力を入れているというふうに思うわけでありますけれども、その理由も併せてお聞きしたいと思います。

○国務大臣(梶山弘志君) 国、地方共に財政状況が大変厳しい中で、公的負担の抑制を図るとともに、持続可能かつ良好な公共サービスを実現するためには、将来の財政リスクも見通した上で、様々な分野で民間の資金や創意工夫を活用することが重要であると考えております。そのための手法は様々でありますが、民間の資金、経営能力及び技術的能力を活用して民間の経営原理を導入するPFI事業は、課題解決の有力な選択肢の一つであると考えておりまして、多様な事業分野、多様な事業主体における幅広い取組を推進することが必要であると考えております。
 先ほど西田委員から御指摘ありましたが、平成二十三年、平成二十五年、平成二十七年と必要な改正を行ってきているところでありますが、それぞれの時点の必要性に応じてPFI推進のための環境整備を柔軟に行ってきたところであります。
 今回の改正法案においては、事業主体の裾野を拡大する観点から、ワンストップ窓口の創設を含めた地方公共団体への国の支援強化や上下水道分野へのコンセッション導入を促進するための措置の創設を規定をしているところであります。
 今般の法改正も踏まえて、引き続き、国、地方が一体となってPFIの推進を図ってまいりたいと思っておりますし、これらの手法を通じて将来の財政リスク、そういったものを少しでもなくしていく、そして、その分しっかりと地方創生に資するような取組もしていくということが肝要なことだと思っております。

○西田実仁君 これちょっと通告していないんですけれども、このPFI法の附則の第二条には、少なくとも三年ごとに、この法律に基づく特定事業の実施状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるというふうになってございます。したがって、三年、少なくとも三年以内に、いろんな今回の法改正も含めて実施状況を見ながら、そのときに必要であれば、もちろん法改正も必要かもしれないし、法改正だけではなくて様々な措置を、必要な措置をとると、そういう附則だろうと思うんですね。
 したがって、今後もそういう状況に応じては法改正も含めて何らかの措置がとられることもあり得ると、そういう附則になっているという理解でよろしいんでしょうか。

○政府参考人(石崎和志君) 御指摘のとおりでございます。
 我々も、今PFI推進委員会というのがございまして、毎年その段階でのPFIの状況のフォローアップをいただきまして、必要な対策を近年ではアクションプランという形で毎年実は改定を行ってございます。実質的に言えば、実は三年というよりも毎年いろいろな検討をして、そういう必要なものについてはこの法改正等につなげていると、そういう形になってございます。

○西田実仁君 法改正、毎年のようにというか、二年ごととかにやるんではなく、もうまとめて必要なものはぽんとやってという方が何か効率的なような感じもするんですけれども、まあ状況はいろいろ変わってきますから、やっぱりそれに応じてこういう数度にわたる改正になっているんだろうということを理解いたしました。
 ところで、目を海外に転じますと、イギリスでこのPFIというものはそもそも一九九二年に導入をされているわけでございます。やはり同様の目的で、公共投資と財政の健全化の両立を図ると、そういう公共調達の新しい一手法として導入されたというふうに理解しております。
 しかし、この九二年から二十五年、六年たっているわけですけど、途中、ちょうどリーマン・ショック、また世界の金融危機というのがありましたときに、民間の資金調達コストが非常に上がっていく、そういう背景の下でPFIの採用がイギリスにおいては減少しまして、議会もこのPFIに批判的になったということを理由として、このPFI改革ということに着手をされているというように聞いておりまして、二〇一二年にはPF2というのでしょうか、も導入をしています。
 この二〇一二年のイギリスのPFI改革の主な内容につきまして、内閣府にお聞きしたいと思います。

○政府参考人(石崎和志君) イギリスにおきましては、一九九〇年代からPFI方式を中心に民間活用を実施し、現在でも多くの事業がPFIとして運営されてございます。
 一方で、今御指摘いただきましたように、リーマン・ショック後の世界金融危機におきまして資金調達コストが、急激に難しくなった、そういう状況を受けまして、新規の案件数が非常に減少しました。このため、イギリスの財務省、二〇一二年に新しい形のPFIとしてPFI2というのを提案してございます。このPFI2では、バリュー・フォー・マネー、より民間がやる場合に効率的な形の運営ができるように、例えば、これまで全て民間側において負担されていたようなリスクを官民間で分担して民間の側のリスクを下げることによってより参入しやすくするというふうな工夫ですとか、それ以外にも、契約変更の柔軟化、入札期間の短縮化、事業の透明性向上、そういうような様々な工夫を行ったというふうに聞いてございます。

○西田実仁君 今御説明いただきましたこのイギリスによるPFI改革、PFI2について、日本のPFIの今後にどのような示唆を与えているのかをお聞きしたいと思います。とりわけ、今後、日本においても金利の上昇局面ということが、今、経済政策を進めている中で、いわゆる良い金利上昇というのを目指している、デフレからの完全脱却と言っているわけでありますので、そうした金利の上昇局面に転じた場合にこのPFI事業のありようというものがどのようになっていくと考えられるのか、お聞きしたいと思います。

○政府参考人(石崎和志君) このPFIのやり方自体は、元々やはりそれぞれの国の状況を踏まえた形でPFIも設計されていますので、必ずしも元の状況がイギリスと日本と同じような状況ではございません。
 イギリスにおいては、先ほど申しましたこのPF2の導入によりまして、例えばリスクを官民で分担する手法の導入を図られたとなってございますが、我が国におきましては、PFI事業、従来より事業の特性に応じて適切なリスク分担の設定が元々可能というところがございます。これは、ある意味では英国におけるこのPF2に近い考え方が元々使われていたというものでございます。
 ただ、いずれにしても、このPFI2、まあPFIの言ってみれば先進国におきまして様々な経験を踏まえて改良がされたというものだと思ってございます。契約方法の柔軟化等もかなり行われているというふうに聞いてございますので、我々としましても、引き続き、その効果を研究しまして、必要なものについては我が国で普及を図ってまいりたいというふうに考えてございます。
 また、英国のPF2導入、リーマン・ショックによる資金調達コストの上昇を背景に実施されたというふうに伺ってございます。このために、今後、我が国において、例えば金利が上昇した場合のPFI事業にある対応手法についても、その状況に応じたリスク分担の設定など、円滑な事業の実施に資する示唆があるものと考えてございます。引き続き、効果等につきまして我々としても研究してまいりたいと思ってございます。

○西田実仁君 平成二十七年十二月十八日の閣議決定、民間資金等の活用による公共施設等整備に関する事業の実施に関する基本方針というこの基本方針には、PFI事業の更なる実施に期待される成果として三つ示されております。その第一は、国民に対して低廉かつ良質な公共サービスが提供されること、第二に、公共サービスの提供における行政の関わり方が改革されること、そして第三には、民間の事業機会を創出することを通じて経済の活性化に資することと、この三つが示されているわけであります。
 これまで、日本におけるこのPFI事業、先ほど来から御答弁あるように、累計六百九件、同契約金額でいえば五兆四千七百八十六億円という中にありまして、今私が申し上げましたこの閣議決定された基本方針に示されております三つの期待の成果について、それぞれ具体的な事例を是非示していただきたいというふうに思います。
 また、今回のPFI法の改正は、今申し上げた期待される成果をより一層上げていくということが目的だと当然思いますけれども、いかほどの貢献がこの三つの期待される成果になされると考えているのか、これを是非分かりやすく御説明いただきたいと思います。

○政府参考人(石崎和志君) 今御指摘いただきました民間資金等の活用による公共施設等の整備に関する事業の実施に関する基本方針におきまして、PFI事業の着実な実施により成果をもたらすものと期待されることとして、一つ目が、国民に対して低廉かつ良質な公共サービスが提供されること、二つ目といたしまして、公共サービスの提供における行政の関わり方が改革されること、三つ目といたしまして、民間の事業機会を創設することを通じて経済の活性化に資すること、この三つを考えてございます。
 まず、一つ目の低廉かつ良質な公共サービスの提供につきましては、今、今までの実績の六百九件ございますが、これにつきまして、PFI法施行から二十七年度まで、少し前まででございますが、二十七年度までに実施方針を公表した五百二十七事業を対象に、平成二十八年に内閣府が調査を実施してございます。これによりますと、事業者決定時のバリュー・フォー・マネーが把握できた三百六十四事業におきましては、人口二十万人以上の公共団体では平均一九・四%、人口二十万人未満の公共団体では平均一六・二%となっておりまして、行政が自ら事業を実施する場合と比較して、全体で計一八・五%の財政支出削減効果。そういう意味では、低廉な公共サービスの提供というものが見込まれていると、こういう成果が出ているものと考えてございます。
 二つ目の、サービス提供における行政の関わり方が改革という部分につきましては、平成十一年のPFI法制定以降、幅広い分野においてPFI事業の導入がなされてございます。例えば、空港分野のコンセッションについても既に五件の事業が開始されておりまして、安全の確保については公共が担い、空港サービスの充実については民間が担うといった新たな官民の役割分担が形成されつつあるものと考えてございます。
 また、三つ目の事業機会を創設することを通じて経済の活性化というものにつきましては、これもよく例で我々も挙げさせていただいているものでございますが、岩手県の紫波町におきまして、庁舎のPFI事業のみならず、図書館、保育所のほか、サッカー場、分譲住宅地などを一体として整備されまして、まさしくPFIから完全民間のものまでいろんなものを一体的に整備する、その肝のところにこの官民連携というものがあったというふうに考えてございます。このような民間の事業機会を創設するというものが図られてございます。
 今回の法改正、事業主体の裾野を拡大するといった観点から、ワンストップ窓口の創設を含めた公共団体への支援機能の強化、また、新たな分野である上下水道事業のコンセッションに先駆的に取り組む公共団体を後押しするために補償金の免除といった措置を盛り込んでございます。
 今回の措置でちょっといかほどかという数字まで我々としてはさすがに持ち合わせてございませんが、このような今申し上げました様々な成果を更に裾野を拡大していくこと、また先駆的な取組を広げていくこと、これによりまして基本方針に掲げた期待される成果の拡大を図ってまいりたいというふうに考えてございます。

○西田実仁君 大分イメージがつかめてまいりました。
 この三つのうち特に経済の活性化というところでは、やはり私は地元企業の参入によるPFI推進、PFI事業の推進ということがとりわけ重要ではないかと考えております。しかし、地元企業のPFIへの参入は必ずしも活発とは言えません。
 今日、資料で付けましたものもかなり古い数字で、これしかちょっと見当たらなくて恐縮なんですけれども、最近の傾向は分かりませんが、少なくとも二〇一一年までの数字、これはシンクタンクがお調べになったものですけれども、地元企業における落札件数というのは非常に低い水準であります。直近がどうなっているのかはまた後ほどお聞きしますけれども、そんな状況もグラフにあります。
 また、実際に地元で私もいろんな中堅・中小企業の方からお話をお聞きしますけれども、ある中堅企業、特に給食を提供している中堅企業の代表の方からお聞きしました。例えば、PFI事業にこういう地元の中小・中堅企業が代表企業として参入するということはなかなか難しいと。そのPFI事業の構成員として、代表企業ではなくて構成員として参入するといっても、代表企業は大体大手企業ですからもうけが少なくて、昔は結構、始まった頃は一生懸命PFI事業に構成員としてでも参入しようと思って勉強したけど、正直その関心はもうかなり薄らいでいるという話も、率直な声も聞いております。
 このPFI事業が、そういう意味で地元の中堅・中小企業にとって正直余り関心が伸びていかないというのは、従来方式の公共事業、例えば公共施設の整備、運営、設計、施工、維持管理等の業務ごとに分離発注する方式に比べますとPFI事業は地元企業の受注機会を失わせるんではないかと、こういう根強い不信感があるからではないかというふうにも推定されます。
 そこで、まず、この地元企業、地元企業とは何かという定義ですけれども、PFI事業対象地と同一道府県に本社を置く企業が応募グループの代表企業となって落札した件数及び地元企業が構成員としてPFI事業に参入しているケースの動向についてどのような認識をお持ちなのか、お聞きしたいと思います。

○政府参考人(石崎和志君) 我々の方で、平成二十八年度に契約を締結したPFI事業のうち、内閣府で現段階で落札したグループの構成員を把握している事業、三十七事業、現在ございます。これについて見ますと、事業を実施する場所と同一の都道府県内に本社を置く企業が代表企業として落札した事業は十四件ございまして、三十七件のうち十四件、約四割を占めているというふうに認識してございます。また、このほかに、地元企業が落札グループの代表企業ではないものの、その構成員として参加している事業、こういう事業者の中に入っているものが同様の十四件となってございまして、かなり、比較的、八割ぐらいのもので何らかの形で地元企業が参加していると、そういうような形に最近なってきているのではないかというふうに考えてございます。
 このように、一定程度地元企業の参画は今進みつつあると、そういうふうに我々は考えてございますが、いずれにしましても、地元企業がPFI事業に参画して地域の町づくりを担うことは重要でございます。また、今議員御指摘のように、いろいろな事業の切り口によって、実はそうじゃないよみたいなこともあるかもしれません。
 我々といたしましても、更にこの状況に関しては分析して、いずれにしましても、地元企業がこういう形のものに参入していくということはPFIがきちんと地元に広がっていくということに大事なことだと我々も思ってございますので、このような事例の収集、また研究も含めてやってまいりたいというふうに考えてございます。

○西田実仁君 是非、そういう地元企業の参入によってPFI事業というものがもっと理解されて進むことを、また分析もお願いしたいと思います。
 一般的には、PFI事業に応募するためには、この従来方式の調達にも導入されている設計や施工に関する提案はもちろん必要なんですけれども、加えて、事業収支計画やリスク分担、あるいは附帯的事業等の提案を行う必要があるわけですけれども、これらを地元企業が主体的に全ての提案を取りまとめていくには時間的にも金銭的にも負担が大変に大きいと。
 PFI事業への地元企業の参入を促すためには、求められる取組として、例えば地元企業にPFI事業に参入する動機付けを行う、あるいは地元企業に企画提案やSPCの管理に関する能力を習得させる、あるいは地元企業向けの事業を発注すること等が挙げられるんではないかというふうに思われます。
 そこでお聞きしたいと思いますけれども、特に二番目に私が指摘しました地元企業に企画提案やSPCの管理に関する能力を習得していただくために、内閣府では既に、行政や金融機関あるいは企業等の関係者が集い、ノウハウの習得や情報の交換等を容易にする、地域プラットフォームというふうに聞いておりますけれども、この形成支援を行っておられます。この地域プラットフォームの現状と今後の課題についてお聞きしたいと思います。

○政府参考人(石崎和志君) この地域プラットフォーム、地域の企業、金融機関、地方公共団体等が集まりまして、PPP、PFI事業のノウハウの取得、官民対話を含めた情報交換を行い、PPP、PFI案件形成能力の向上を図りまして具体の案件に、形成につなげていく場というふうに考えてございます。
 内閣府におきましては、平成二十七年度から昨年度まで三年間で計十六地域のプラットフォームを支援を行ってきました。このPPP、PFIの普及拡大に向けましては、地元企業の一層の参入が課題と我々も認識してございます。平成三十年度の地域プラットフォームの形成支援につきましては、地域の金融機関等の協力により、地元企業の参加拡大や具体の案件形成への地元企業の参入が期待できるような計五地域のプラットフォームを新たに支援するということにしてございます。
 今後とも、こういう地域プラットフォームの活性化を通じまして、地元企業が参入した、地域に根付いたPPP、PFIの拡大を支援してまいりたいというふうに考えてございます。

○西田実仁君 今御指摘いただきました地域金融機関の関わりということをお聞きしたいと思います。
 行政と民間が協力して公共サービスを提供する官民連携を広めるためには、地元の金融機関ですね、地域金融機関が後押しをして自治体と企業の橋渡しをするような事例も出てきております。信用金庫の中には、地元の中小企業を活用したPFI事業の促進のために内閣府が派遣するコンサルを使って自治体のPFIを促進をしているケースもあります。
 そこで、今日は金融庁にもお越しいただいておりますのでお聞きしたいと思いますが、地元の金融機関がビジネスマッチングの一環として取引先の地元企業を大手企業に紹介し、PFI事業に参入したような事例もあると聞いております。地元企業にとってPFI事業への参入障壁となっている課題を把握し、その克服のために地域金融機関も大いに支援すべきと考えますけれども、現在どのような支援が行われていると承知されておられますか。また、この度の法改正が成立した場合に、金融庁として地域の金融機関に対してどのような助言等を行うおつもりでしょうか。地元企業のPFIへの参入及びそれを促す地域の金融機関の役割についてお聞きしたいと思います。

○政府参考人(伊野彰洋君) お答えいたします。
 地域金融機関は、地元企業の経営課題を把握し、それを解決するために必要なアドバイスやファイナンス等の支援を組織的、継続的に実践することで地域経済の活性化に貢献していくことが求められております。
 こうした観点から、地元企業のPFIへの参画に関しまして地域金融機関が行っている支援の取組事例を御紹介させていただきますと、例えば三重県の百五銀行では、県の職員公舎を建て替えるPFI事業に関しまして、当行の顧客である地元企業に対しまして広く情報提供を行い、参加を促した結果、建設業者や設計事務所等の地元企業が代表会社及び業務委託先として当該PFI事業に参加することとなったほか、約二億円のプロジェクトファイナンスを実施した事例。また、埼玉県の武蔵野銀行では、春日部市とPFIに関する勉強会を継続的に実施し、PFI導入に係るメリット、デメリットについて協議し、その結果、同市は初めてPFI案件として公立学校の教室エアコン整備事業を実施しております。当該PFI案件につきましては、武蔵野銀行がPFIの代表企業となった地元建設会社に対しましてプロジェクトマネジメントのノウハウ提供を行い、参加企業の募集支援も行ったと聞いております。そういった事例があると承知しております。
 金融庁としましては、地域金融機関が顧客である地元企業に対しまして、PFIへの参画に関する支援を含め、的確なアドバイスやファイナンスを実践していくよう引き続き促してまいりたいと考えております。

○西田実仁君 図らずも地元の紹介していただきまして、ありがとうございます。
 日本のPFIでは、施工してから行政からお金が払われるまで事業者が立て替えなければならない、そういうことがあった場合は、それをコーポレートファイナンスで借りるとなると、やはりその与信が取れる大手しか受けられない、SPCの代表企業になりにくいと、こういう事情があるとも聞いております。
 その解決のためには、いわゆるノンリコースで融資する地域の金融機関がもっと増えていく必要があると思いますけれども、この点、金融庁、いかがでしょうか。

○政府参考人(伊野彰洋君) 中小企業がSPCの代表企業になりにくい事情といいますのは、議員御指摘の資金調達の問題も含め、様々な要因があると考えられます。
 その中で、資金調達やファイナンスの手法に関して申し上げますと、地域金融機関におきましては、担保、保証に依存することなく、企業やプロジェクトの事業内容や成長可能性といったことを適切に評価して企業支援や融資を実施することが重要だと考えております。
 PFIにおきましては、事業主体としてSPCが組成され、そうしたSPCに対しては通常ノンリコースローンによる融資のケースが多いと承知しておりますが、地域金融機関としましては、SPCが実施する事業の内容、収益性、リスク等をしっかりと評価し、そうした融資に取り組んでいただくことが重要だと考えております。

○西田実仁君 このSPCは、しかし、最初からSPCを組成するのではなくて、それよりももっと手続が簡単で地元企業が自主的に取り組みやすいLLP、有限責任事業組合、これを使ってですね、つくって、官民連携という点で公共事業等に参画するやり方もあるのではないかと思います。
 そこで、経済産業省にお聞きしたいと思います。
 このPFI、SPCの組成というのがなかなか地元の中小企業にとってハードルが高いというそういう背景がある中、有限責任事業組合であるLLPを活用して地元企業と行政が連携した先行事例にはどのようなものがあるのか、お聞きしたいと思います。

○政府参考人(木村聡君) お答え申し上げます。
 LLP、有限責任事業組合でございますが、この組合は、参加する組合員がその個性や能力を発揮しながら共同事業を行うための組織形態でございます。組合員は債権者に対して出資額以上の責任を負わない有限責任であること、LLP自体には法人格がなくて組合員課税となること、そして全ての組合員が業務執行の義務を負うことなどの特徴を有しておるところでございます。
 この制度は、二〇〇五年の創設以降継続的に活用されておりまして、二〇一七年の十二月時点で累計七千六百八件の設立があったところでございます。
 御指摘ございましたLLPを活用した官民連携の事例といたしましては、例えば、二〇一三年に広島県、中国電力及び地元のエネルギーサービス企業が設立したひろしま再生可能エネルギー有限責任事業組合の取組が挙げられます。このLLPは、自治体の未利用地を活用したメガソーラー発電に取り組みまして、県の調整の下、事業者が設備設置やメンテナンスなどを担う形で売電を通じた再生可能エネルギーの普及を行っていると、このように承知してございます。
 また、岩手県の一戸町でございますが、こちらでは、二〇〇八年に町と地域のタクシー事業者三社とバス事業者一社が有限責任事業組合一戸町デマンド交通を設立してございます。このLLPは、住民の予約に対応し、乗り合いバスを運行する事業を行ってございまして、その利便性の高さから多くの住民の方がサービス登録をされているものと伺っているところでございます。
 これらいずれの事例におきましても、LLP制度を活用いたしましたのは、官民がそれぞれ一定の役割を担いながら地域が一体となって事業運営を行えることに着目したことによるものであると、このように承知しているところでございます。
 以上でございます。

○西田実仁君 御丁寧にありがとうございました。
 大臣にお聞きしたいと思いますけれども、参画する地元企業の責任は出資した分というふうに有限として、残りのリスクを行政が取るというこのリスク分担ですね、官民の。こうしたスキームはSPCもありますけれども、それほどハードルが高くない例えば今のLLPとか、あるいは合同会社、LLCとか、こういうことを活用してもっと地元の中小企業が官民連携に参画できるようにしていく、そういうことは必要じゃないかと私は考えますけれども、大臣の御所見をお聞きしたいと思います。

○国務大臣(梶山弘志君) 先ほど来申し上げておりますが、大変厳しい財政状況の中で持続可能かつ良好な公共サービスを実現するためには、それぞれの事業の特性や参加する事業者の実情を踏まえた様々なPPP、PFIの検討が行われることが望ましいと思っております。御指摘いただいた事例も、事業の特性に応じ、行政と民間事業者が連携をして一定の役割を果たして事業を実施しているものと考えております。
 このため、官民連携手法の一つとして、地元企業が参画するに当たり、LLP、LLCを活用すること等の取組については、今答弁のありました経産省とも連携をしながら、地域プラットフォーム等の場を生かし情報提供に努めてまいりたいと思っておりますし、この事業に関しましては、やはり今地域の災害時の在り方、どういう業者選定がいいのかという点では災害時の在り方もやっぱり考慮に入れる必要がありますし、また、金融の面でも、地方の事業者を知っている地元の金融を入れていくということは非常に重要な視点であると考えております。

○西田実仁君 次に、この法改正にあるワンストップ窓口についてお聞きしたいと思います。
 先ほどもう既に和田先生からもお話がございましたので重複はなるべく避けたいと思いますが、今回この法改正の中には、公共施設等の管理者、民間事業者に対する国の支援機能の強化としてワンストップサービス、ワンストップ窓口の制度創設がございます。
 しかし、先ほども話がありましたように、このワンストップ窓口自体は平成二十四年度から既に設置をされて、ホームページ上でワンストップ窓口(通年募集)という名称でもう既に運用されております。その説明でも、既に今あるものですけど、地方公共団体、民間事業者からのPPP、PFIに関する質問について、関係省庁や専門家の意見を聞き、内閣府で一元的に回答する体制であると、こういうふうな宣伝だったというふうに思いまして、既にあるわけですよね。
 その相談件数が、じゃ、どうなのかというと、結構使われていますよね、これ見ると。平成二十六年度二百五十件、二十七年度四百七十四件、二十八年度八百八十一件と、倍々で利用されているという、非常にうまく頑張っていらっしゃるというにもかかわらず、なぜ今回また制度として法律上位置付けなければならないのかという質問については、まあ先ほど御答弁もちょっといただきましたけれども、改めてお聞きしたいと思います。

○政府参考人(石崎和志君) 御指摘いただきましたとおり、我々内閣府のホームページにワンストップ窓口という名称で連絡先を掲示してございます。
 件数に関しましても、確かに平成二十九年度六百六十件という、件数だけ見ると実は立派なんですが、私も報告、こういうものがありましたというまとまったのを毎月報告を受けて見ていますが、非常に単純な問合せのものが実はかなりを占めてございまして、本当に要するに各省庁に問い合わせて一緒に回答しなきゃならない、本当に事業形成に結び付くものというのは、なくはないですけれども、必ずしも多くないという現状でございます。
 やはり本当に案件形成につなげていくためには、こういう形のものを我々としてはきちんとした法律に位置付けた形で周知して、また各省ともきちんとした連携体制を更に組んでいくことでより実のあるものになるのではないかということで、今回この提案をさせていただいているものでございます。

○西田実仁君 そういう問合せにきちんと省庁と連携してやっていただくのは大事なことなんですけれども、法的な裏付けが今回できることイコールこの周知徹底がされるということでは必ずしもありませんよね。ですから、まず確実に、問合せしたら確実に回答できるねという体制をきちんと取っていただくということが大事だし、あそこに問い合わせればいろんな確認事項も一遍にまさにワンストップでいろんな情報提供されると、解決できるというふうなことが分かれば、口コミでいろいろと広まっていったりすることもあると思います。
 いずれにしても、これまでとは次元の異なるような対応というんですか、そのための人員配置とか、わざわざ法律改正してワンストップサービス、今あるのにもかかわらず法的裏付けをつくるわけですから、これまでとはかなり違う体制で拡充をしていくんだというような、そういうことをちょっとお聞きしたいと思いますけれども。

○政府参考人(石崎和志君) 我々としましても、実はこの体制拡充のために人員要求をさせていただきましたが、なかなかこの厳しい中でございましたので、係長一人やっと増員をさせていただいたというのが現状でございます。
 ただ、今回、この法案の中におきまして、法案の十五条の二に、先ほどありましたが、PFI推進委員会に報告をさせていただくとか、PFI推進委員会に意見を求めることができるという規定を置かせていただいてございます。
 これは、我々としましては、PFI推進委員会、かなり実は専門委員という形で専門家の方が参加いただいてございます。こういう委員の方に、ある意味では非常に難しいような案件について協力していただくことによって、より実のある回答をさせていただく、この体制を、このPFI推進委員会に報告し、また助言をいただくことで築くことができるのではないかというふうに考えてございます。
 また、これまでも公共団体への高度専門家派遣の実施ですとか内閣府の担当者の訪問も実施しているところでございますが、これらの支援とこの助言、勧告制度、これをきちんと総合的にやることによりまして、実のあるものにしていきたいというふうに考えてございます。

○西田実仁君 その後の質問あったんですけど、和田先生と重なっていましたので、そこは省いて次に行きたいと思います。
 水道事業の今後について今日はお聞きしたいと思っています。
 まず、私は地元は埼玉ですけれども、その埼玉のある県民の方からお手紙をいただきまして、それをかいつまんで御紹介したいと思います。この方は、七十五歳男性の埼玉県民の方の手紙でありました。
 そこには、今日是非お願いしたいことは上下水道代のことでありますと、こう始められておりました。この方が、七十五歳の男性が隣の市に聞いたら、隣の市の御友人も御当人も、生活保護の受給者ではないんですけれども、収入が大変少ない方なんですね。その隣の友人に聞いたら、収入が少ない人は、生活保護じゃなくても収入が少ない人は、一定の手続を取ると上下水道代が二か月で四百円になったという、そういう話を聞いたというんですよ。その友人から、あなたも自分の住んでいる市に聞いてみたらどうだと勧められたので、早速自分が住まう市に話しましたら、ここにはそうした減免措置はありませんと、こういう返事だったと。隣の市では二か月で四百円、暮らし向きもほぼ同様なのに、自分が住まう市では二か月でこの方は九千円近く払っているというんですよ。年間に直すと二千四百円と五万四千円という非常に、すぐ隣に住んでいて暮らし向きもほぼ同じな人がこんなにも違うものかと。まあ水をいっぱい使ったのかもしれませんけれども、そこは分かりませんが、そんなこともないと思うんですよ。
 同じ県民なのに余りに差が大きいんじゃないかと。生活保護受給者には、この住んでいる、お手紙を下さった方も減免はしているそうでありますけれども、この方が言うには、私どものように、中途半端とこの方は使っていらっしゃるんですけど、中途半端な経済、暮らし向きのところは損な世帯ですと、何とか良い方向にならないんでしょうかと、こういうふうにつづられていました。
 早速、そこで、私も不勉強だったものですから、地元の埼玉県にお願いをいたしまして、上下水道の減免措置について調べてもらった一覧を今日は資料として付けさせていただきました。
 二枚目のところには水道料金、いろいろと物議を醸すので特定の市町村名は入れておりませんけれども、水道事業者一から五十六まで、一番下まで見ていただくと、水道料金の減免措置がどういう項目がなされているのかという一覧。その次、またその次は、今度は下水道ですね、下水道料金においての減免措置がどうなっているのか。これも具体的な市町村名は省いておりまして、記号化しておりますけれども、これを、五月二十四日付けのものです。労を取っていただいた埼玉県、また関係市町村の皆様には深く感謝を申し上げたいと思います。
 これを見ますと一目瞭然であります。市町村によって上下水道料金の減免措置についてはかなりばらつきがあるんですね。水道事業においては、この減免措置のあるなしだけでいいますと、全ての市町村であります。一番左側に水道事業者一から五十六までナンバーが振ってありますが、そのすぐ右隣、減免措置の有無は全部マルが付いています。何らかの減免措置はあるということなんですよ。しかし、水道料金を見ていただくと、減免措置の有無というところにマル、バツとありまして、バツというところが実は県内でも十ございます。全くないと。そういうばらつき度であります。
 そして、水道料金における減免措置の中身も市町村によってかなり異なっていることが見て取れます。例えば、生活保護受給者には水道料金の減免措置を設けている市町村が九割、児童扶養手当受給者に減免措置を設けている市町村が二、そして、市町村民税等が非課税となる者に対して減免措置を設けている自治体は一つあるんですね。要は、多分ここの、唯一ある、住民税非課税世帯を減免しているところがこのお手紙をくれた方の御友人が住んでいるところだと思うんですよ。すぐ隣の方の方にはないわけですね、県内で一つしか、埼玉県の場合、住民税非課税世帯への減免措置はありませんので。それによってあれだけの料金の違いがあるということではないかと思います。
 ほかにも、右の方、ちょっとちっちゃな文字で本当に恐縮なんですけれども、見ていただくと、災害や被災者を減免措置の対象にしている市町村もあれば、消火活動等の使用者、あるいは水道メーターの異常、ユニークなものには貯水槽の清掃等を実施した者に対して水道料金の減免措置を設けている自治体もあって、いろいろな工夫をしていることが分かります。
 下水道についても同様でありまして、生活保護受給者や天災などの被災者、公益上その他特別の事情があるときに減免措置の対象とする規定が置かれている自治体が多いことが分かります。
 いずれにいたしましても、上下水道料金の減免措置の対象者は市町村によって相当の違いがあり、同じ県内でも住むところによって上下水道料金の負担はかなり異なるということが分かります。
 以上は減免措置についてでありますが、そもそも埼玉県内だけで見ても、末端上水道事業の料金状況を調べてみますと、一か月二十立米、口径十三ミリでは、最も高い市町の水道料金は三千四百二円、最も安いそれは一千七百十七円と二倍の開きがあります。また、下水道事業の料金も、二十立米当たり一般家庭用料金で比べますと、最も高い市が四千百円と、最も安い市ではゼロ円というところもありました。そういう違いが大きくあります。
 全国規模で見てもその格差は更に大きくなりまして、全国で最も安い水道料金、八百五十三円というところがあれば、最も高いところは六千八百四十一円。下水道料金も、同じような対象で比べますと、三千二十六円という最も高いところがあるかと思えば七百七十七円というところもあって、四倍の開きがあると。
 こういうことを見て、まず大臣に率直に、一政治家というか、地元を抱えていらっしゃいますのでお聞きしますけれども、多分大臣の御地元でも、この上下水道料金の減免措置というのは市町村ごとに相当ばらつきがあるんではないかというふうに思いますけれども、住むところによってその上下水道料金の余りの違いがあることについて、率直にどう感じておられますでしょうか。
 また、これは大臣としてお聞きしますが、今回法改正に含まれているPFI事業あるいはコンセッション事業の推進によって、こうした格差というものの是正を図ることに何らかの効果というものがあり得るのかどうか、ここをお聞きしたいと思います。

○国務大臣(梶山弘志君) 生活する上で欠くべからざるものだという思いで、できれば安い方がいいという率直な思いを持っておりますけれども、上下水道の料金については、各自治体が浄水の方法や配管の状況など、水道事業の原価等、それぞれの事情に応じて主体的に決めているものでありまして、現状一定の幅があることはやむを得ない面もあると考えております。
 しかしながら、料金の高い自治体においては、今委員御指摘ありましたように、PFIやコンセッション事業の推進が一層図られることにより料金の格差を少なくすることに寄与することができれば望ましいと考えております。これから人口が減っていく、そしてその中で管の更新需要が増えていく、そういった中で、ありとあらゆる手を考えながら、その選択肢の一つがPFIでもあろうかと思っております。
 我が国の厳しい財政状況や人口減少社会の中で、今後、今申しましたように更新需要が発生が予想される上下水道施設の維持更新を着実に行って、ネットワークを維持していくため、また安定供給を維持していくためには、多様な選択肢の一つとしてPFIやコンセッション事業の推進を図ってまいりたいと考えております。

○西田実仁君 今大臣からも御指摘いただきましたように、水道事業の課題というのはもう明確なわけですね。普及率はもう九八%に達して、ほぼ整備は完了しておりますけれども、料金収入が人口減少などから本当減っていく、一方で施設の更新時期が到来して更新投資というものが求められていると。より今後は一層求められていくことになると思います。
 そういう意味では、大変経営環境は厳しいと、そして更新投資の実施も求められていると。そうすると、中長期見通したときに、幾ら経営努力をしても持続的な経営が困難になる団体が出てくる可能性が高いと、これが大きな課題です。
 そこで、水道事業を広域化するということによって、水源の相互融通による有効活用をすることや、施設の重複投資の排除をする及び合理的な配置をする、管理面の充実によるサービス水準の向上等をもたらして、その効果をもたらしていくと。
 水道事業の広域化を行うために、取水や導水、浄水等の施設の建設改良事業に対して、厚労省では、生活基盤施設耐震化等交付金という交付金、広域化事業に対する交付金、これを用意しております。広域化をしなければ、将来、中長期的に料金はこういうふうに上がらざるを得ないというものを広域化することによって抑えていく。
 先ほどの減免措置についても、ばらつきのあるものをある程度抑えていくためには、平準化していくためには、その費用を、広域化することによって将来費用負担が減る、コストが合理化できるという部分で吸収して平準化を目指していくというような、そういうようなことが広域化ということには効果として認められるということから交付金が設けられているものと思います。
 この広域化事業のための交付金、その対象となる要件は何か、これまでに採択された実績は何件か、厚労省にお聞きしたいと思います。

○政府参考人(宇都宮啓君) お答えいたします。
 生活基盤施設耐震化等交付金におけます広域化事業の対象事業となる要件といたしましては、まず、市町村域を越えて三水道事業者以上で行う事業統合又は経営の一体化を行うこと、それから、資本単価が一立米当たり九十円以上である水道事業者を含めることなどが定められているところでございます。
 また、各水道事業者等に配分する都道府県が策定した配分計画によりますと、新たな制度を設けました平成二十七年度から三十年度までの間に六件の広域化事業に対して財政支援を実施しているところでございます。

○西田実仁君 今六件とおっしゃったんですけれども、この水道事業の広域化という必要性というものが理解されていながら、かくもその採択件数が少ない、それはなぜでしょうか。

○政府参考人(宇都宮啓君) お答えいたします。
 主に市町村ごとに経営されてございます水道事業を広域化して、施設や経営の効率化、基盤強化を図る広域化の必要性は理解されることが多いということでございます。しかしながら、それぞれの水道事業につきましては、安価に利用できる水源の有無や地理的条件などによって水道料金を始めとします事業基盤に格差がございますことから、住民や議会の理解を得ることを含めまして、その調整は非常に難しいものであると考えてございます。
 このため、水道事業者等の間の調整を行います広域連携の推進役が必要でございまして、今国会に提出させていただいております水道法改正法案におきましては、都道府県に対しまして、広域的な水道事業等の連携等を進める責務に加えて、協議会の設置や基本方針に基づく水道基盤強化計画の作成を法的に位置付けることとしているところでございます。この水道法改正法案によりまして、水道事業の広域化を加速してまいりたいというふうに考えているところでございます。

○西田実仁君 県の広域化における役割ということ、それを水道法を改正してという話なんですが、水道法は今国会にもかかっておりますけれども、厚生労働委員会は大変に課題も多く、なかなかそこまで行き着かないということが続いているんですね。何とかしなきゃならないというふうには思います。
 その上で、水道広域化施設整備事業はこの交付金によって国庫補助の対象となっているんですが、あわせて、この国庫補助事業に伴う地方負担については地方財政措置が講じられております。同事業の三分の一は国庫支出金、今の交付金ですね、残りの三分の一は一般会計出資債でありまして、その元利償還金の半分は普通交付税措置されております。残り三分の一は水道事業債、すなわち料金から回収されるスキーム。
 総務省では、既に水道財政のあり方に関する研究会を開催をして、水道事業の持続的な経営を確保していくための対応策について有識者からいろいろ検討を進めていると聞いております。
 そこで、総務省にお聞きしたいと思いますが、総務省では、この有識者研究会において、人口規模に応じた収支を計算し、何もしないで放っておくとこれだけ料金上がるけれども、こういうことをすればこうなりますよという、言わばシミュレーションというんでしょうか、見通しというんでしょうか、そういうことも知らしめていくことも検討されていると聞いております。
 今後、この生活基盤施設耐震化交付金、広域化事業の対象とならないところですね、今、先ほど要件言っていただきました対象とならないところも含めて財政措置をどうしていくのかという在り方を是非その研究会でも検討していただきたいと思います。
 その中において、近隣市町村、先ほど手紙のことを紹介しましたけれども、近隣市町村における水道料金の格差があることが広域化の妨げになっていると、そういうことを言っているとずうっとできないわけですから、そういうことの平準化や減免措置の対象範囲のなるべく格差を減らしていくというような是正を図る余地もそうしたことを通じて出てくるんではないかと期待しているわけでありまして、総務省にお聞きしたいと思います。

○政府参考人(大西淳也君) 水道財政のあり方に関する研究会は、水道事業の経営環境が厳しさを増す中、中長期を見通したときに、経営努力を行っても持続的な経営が困難な団体が出てくることが懸念されることから、その対応策について検討するために設置したものであります。
 水道事業の持続的な経営のためには、まずは各団体において広域化を始めとする様々な経営努力を行っていただくことが必要と考えております。もっとも、先生御指摘のとおり、広域化を進めるに当たっての課題には、団体ごとの料金等の格差など様々な問題がございます。したがいまして、こうした点も含めた上で、この研究会における有識者の御意見も伺いながら、水道事業の持続的な経営を確保していくための対応策等について検討してまいりたいと考えております。

○西田実仁君 是非、この交付金の対象者だけではなくて、そこから外れるところも含めてそうしたことを考えていかないと多分この問題は解決できないと思いますので、御検討をお願いしたいと思います。
 大臣にお聞きしたいと思いますが、私は、この地方創生ということに関して、それぞれの市町村やもちろん都道府県の創意工夫が大事なことはもう言うまでもないわけでありますけれども、しかし、そうした市町村の連携ということがとりわけ大事ではないかというふうに思っております。
 かつて予算委員会でも取り上げたことがありますが、連携が連携を呼ぶ、連携の嵐を起こしていくことこそが地方創生の要ではないかという問題意識を私自身持っております。町づくりに関しましては、もちろん市町村における創意工夫は肝腎でありますが、何でもかんでも市町村単位というふうになると、計画策定が大変に困難を極めている実態がございます。連携と広域化ということがこれからの人口減少時代には欠かせないんではないかというふうに問題意識を持っております。
 そこで、大臣には、人口減少のこの時代には、市町村の創意工夫にて行うべきことと広域的に行うべきことを分けて考えていく、そして、広域化と連携による地方創生ということがもっと進めていかなければならないんではないかと思いますけれども、御感想をお聞きしたいと思います。

○国務大臣(梶山弘志君) 委員おっしゃるとおりだと思っております。経済圏とか文化圏というのがあって、市町村の枠を超えてつながりがある近隣の市町村というものもあります。また、県境を越えて昔から行き来のある市町村というのもあります。そういったものを生かしながら、観光やそして仕事づくり、また移住対策、こういったものは連携をしていかなくちゃならない課題であると強く感じているところであります。そして、高い効果も多分期待できるのではないかなと思っております。
 地方創生推進交付金の運用においても地域間連携の要素を採択の判断基準の一つとしておりまして、群馬県内の四自治体、富岡市、伊勢崎市、藤岡市、下仁田町と、埼玉県内の三市、熊谷、本庄、深谷が連携をして、上武絹の道をテーマにDMOを、観光地をつくろうということで設立をして、インバウンド誘致や都市部との交流を図る取組や、石川県、富山県、福井県が連携して高機能新素材分野やライフサイエンス分野の成長産業の強化を図る取組も出てきているところであります。
 引き続き、こうした先進的な広域連携の取組を更に推進するためにも、国としても情報面、人材面、財政面でしっかりと応援をしてまいりたいと思いますし、連携事業においても、水道事業もその一つであろうかと思いますけれども、水道事業に関しては、規模であるとか、人口であるとか、面積というものの認識も必要であると思っております。
 先ほど、豊田委員から、私の住んでいる常陸太田市の水道料高いぞと、自分の八千代市よりも高いぞと言われたんですが、常陸太田市、茨城県内で一番面積の広い地域でありまして、四市町村が合併したその後の調整というものもあるのかなということを今感じていたところでありますが、様々な適正の条件があると思いますので、そういうものを見ながらしっかりと応援をしてまいりたいと思っております。

○西田実仁君 ありがとうございます。
 今日は高木厚労副大臣にもお越しをいただいておりまして、御質問したいと思います。特に老朽した水道施設に対する財政支援についてお聞きしたいと思います。
 水道施設の老朽化が進む中、その更新に必要な費用が増える一方で水道事業の給水収益が減少していると、これは先ほど指摘しました。財源の確保がままならないままでは、事故や故障が発生する危険は高まります。そのため、計画的な施設の更新や耐震化を可能とする財政支援制度が不可欠であります。
 現行制度では、生活基盤施設耐震化等交付金により耐震化を目的とした水道施設の更新に充てられていますが、今、現行では老朽設備の更新は対象外になっていると。また、平成二十八年度から水道管路緊急改善事業が創設されましたけれども、私の地元からは、採択基準が厳しくてなかなかその基準を満たす事業というのは少ないという声も聞こえてきています。
 そこで、まず厚労副大臣にお聞きしたいのは、この生活基盤耐震化等交付金、水道施設等耐震化事業の交付対象についてであります。
 耐震化を目的とした水道施設の更新とされておりますが、老朽設備の更新は対象外と今申し上げました。そもそも独立採算の原則ということでいわゆる更新投資が支援対象から外れているんだろうというふうには承知しますけれども、しかし、地域によっては、地形や水源からの距離の自然条件が厳しくて施設整備費がそもそも割高となっている団体もあります。
 こういうところについては、特に経営条件が厳しい水道事業者でありますので、施設整備事業に対しても、老朽設備の更新も支援の対象とするという考え方ができないものか。もちろんお金の問題ですので、はい、できますとはなかなか言えないのもよく分かった上で、しかし、せっかくお越しいただいておりますので、副大臣にお聞きしたいと思います。

○副大臣(高木美智代君) お答えいたします。
 西田委員には、日頃から水道行政に御指導、お力添えを賜っておりまして、感謝いたしております。
 委員御指摘のとおり、水道施設整備につきましては水道料金による整備が原則でございますが、地形や水源からの距離などの条件によりまして施設整備費が割高となるなど、経営条件が厳しい水道事業者が行う施設整備事業を対象に、その整備に要する費用の一部を財政支援をしております。
 また、財政支援の対象となる施設整備は、単に老朽化した施設を更新するための費用を対象とすることはやはり難しい状況でございますが、水道施設の耐震化や広域化など、政策的に推進すべき課題に対応するためのものであれば対象となり得るところでございます。
 御要望につきましては私どもも承知をしているところですが、厳しい財政状況の下、水道施設整備費予算につきましては、政策上の優先順位を踏まえまして、限られた財源を最大限有効に活用しながら、必要額を確保したものとなるよう取り組んでまいりたいと思っておりますので、引き続きお力添えのほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。

○西田実仁君 しっかりと我々も応援できるように頑張りたいと思います。
 もう一つの、平成二十八年度から実施されております水道管路緊急改善事業であります。これについては、今現状どのぐらい採択されているのか、その採択基準がやっぱりなかなか、もちろん厳しいところを優先してやるというのはよく分かるわけですけれども、地域によってはその基準を満たす事業体が少ないという声も聞こえてきているものですから、これについてどうお考えになるのか、お聞きしたいと思います。

○副大臣(高木美智代君) 今、数のお問合せがございました。例えば、埼玉県の場合、五十六のうち七か八という今状況でございまして、少ないという御指摘、当たるかもしれません。やはり埼玉の場合、地域によって差はありますけれど、押しなべて全国平均から見ますと水道料金が安いという、こういう状況もあると承知をいたしております。
 今お話ありました、平成二十八年度に創設しました水道管路緊急改善事業では、政策的な観点から真に財政支援を必要とする水道事業者を対象にしまして重点的な支援を実施するため、採択基準につきましては、水道料金を適切に設定しているにもかかわらず、過去の起債の償還や地理的条件により経営状況が厳しい水道事業者に財政支援を実施しているところでございます。
 全国的に見ますと、おおむね半分程度の水道事業者が対象となるよう基準が設定されておりまして、厳しいものとは考えてはおりませんが、引き続き、水道事業者等の御要望も伺いながら、真に必要な財政支援となるよう取り組んでまいる所存でございます。

○西田実仁君 副大臣、ありがとうございました。
 副大臣への御質問はここまでですので、もし委員長のお許しがありましたら、どうぞ御退席ください。

○委員長(柘植芳文君) 高木厚生労働副大臣は御退席いただいて結構でございます。

○西田実仁君 これまでのPFI法改正では、海外での水道事業の再公営化を踏まえて、地方公共団体が水道事業者等としての位置付けを維持しつつ、水道施設の運営権を民間事業者に設定できる仕組みの導入を盛り込んでおられます。
 まずお聞きしたいのは、フランスのパリでは、一九八四年に水道事業の運営権を民間に委ねましたが、二〇一〇年に委託期間の終了に合わせて再公営化されております。衆議院でも随分これが取り上げられておりました。その原因は何か、また、上下水道事業にコンセッション方式を導入しようとしている日本にとっての教訓は何かをお聞きしたいと思います。

○政府参考人(石崎和志君) 今御指摘いただきましたように、パリ市の水道におきましては、十八世紀末に民営事業者としてまず創業した後、民営と公営が行ったり来たりを繰り返している、そういうような歴史をしてございます。直近では、二〇〇一年の市長交代を受けまして、水道料金の値上がりと委託契約の不透明性を理由に、二〇一〇年より公的主体による運営に転換してございます。
 水道料金の値上がりにつきましては、必ずしもこの民営部分が原因じゃないのではないのかとか、いろいろな議論があるというふうに聞いてございますが、いずれにいたしましても、これらの経緯、我が国におきまして円滑なコンセッション事業の実施のためには、契約によるリスク分担、要求水準の明確化ですとか、適時適切なモニタリングの実施が必要だという教訓が得られるものだというふうに考えてございます。
 内閣府といたしましては、このようなものに関しまして、ガイドライン等を通じて地方公共団体に周知徹底を図っている、そういう状況になってございます。

○西田実仁君 今御指摘がありました、海外でコンセッション事業で問題となった例えば管理運営水準の低下でありますとか、設備投資の不履行といったサービス水準の低下については、今適切にとお話しだったと思いますが、コンセッション事業者の業務経理の状況を適時適切にモニタリングすることで早期に問題を指摘し、改善することができると、そのガイドラインを作るというお話だったと思います。
 しかし、日本の地方公共団体がコンセッション事業者の業務経理の状況を適時適切にモニタリングするというのは、言うのは簡単なんですけれども、これ、なかなかそう簡単にそんなことができるんだろうかという率直な疑問がすぐ浮かぶわけですね。そういう意味では、海外のこの失敗した先行事例に学んで、どう適時適切にモニタリングすることができるようにするのかという工夫が施されるのか、そこをお聞きしたいと思います。

○政府参考人(石崎和志君) 具体的には、我々モニタリングのガイドラインにおきまして、要するにどういう場面でモニタリングをすることが適切なのかですとか、そういう技術的な部分に関しましてそのガイドラインにお示しをしてございます。そのガイドラインを踏まえて、また、恐らく事業者によっては、例えば外部の第三者の手を借りるとか、そういう場面が必要なこともあるかもしれません。そういうような体制整備を含めて、このモニタリングの体制という、維持することは大切だというふうに考えてございます。

○西田実仁君 繰上償還の補償金免除についてお聞きしようと思いましたが、もうさっき和田先生がお聞きになりましたので、これで終わりたいと思います。
 以上です。

TOP