決算委員会・第6号 2006-04-10

【質疑事項】
1.独立行政法人青少年施設3法人統合について
2.年金積立管理運用独立行政法人の株主優待の管理について

○西田まこと君 公明党の西田実仁でございます。
今日は、大臣、よろしくお願い申し上げます。
今日は、まず、参議院のこの決算委員会が会計検査院に昨年要請をいたしまして報告をいただきました独立行政法人の業務運営等の状況に関する報告書というものが昨年10月に出来してきたわけでございます。そして、この各独立行政法人、様々ございますが、私が本日取り上げさせていただきたいのが青少年教育法人3法人、今、今度機構として新しい法人になりまして出発をしました。この会計検査院による報告というのはもちろん旧独法時代の3法人についてでございます。
この決算委員会が要請して出てきた会計検査院の報告書に対しまして各省庁から措置状況というのが出されておりまして、それも文科省の分をいただきました。率直に申し上げまして、この検査院の報告というのは、私たち決算委員会から要請して調べてもらったわけでございますが、その結果についてどういう措置を取っているのかという報告を見たときに、その報告書を見て、ああ、なるほどそういうことなのかというふうにすぐに納得のできるものでは正直言ってなかったということでございまして、あえて今日は質問させていただくということでございます。
この検査院によります独法3法人、オリンピックセンター、また青年の家、そして少年自然の家、この青少年教育3法人につきまして主に3つの指摘がなされていたと承知しております。1つは、宿泊の稼働率が低いんではないかという点。2つ目には、いわゆる主催事業と称しますけれども、個別法等によって定められたこの設立目的、これを積極的に推し進めるための言わば政策的な大変重要な事業であるところの主催事業、この主催事業への参加者が低いんではないかと。つまり、本来の積極的に進めるべき目的ではないものの方の参加者の方が多くて、そこで何とか参加者は多くなっているけれども、よくよく見てみると、本来の目的のところに参加している人は少ないんじゃないかと、こういう指摘が2つ目にございました。そして3つ目には、利用者の属性ということで、本来青少年教育ということが目的にもかかわらず、そうではないその他の企業とかが非常に多いんではないかと、こういう御指摘もございました。
以上3つの点につきまして、一つ一つまず御質問させていただきたいと思います。
これは、文科省さんの措置状況等を見ますと、まず一番目の宿泊稼働率につきましては、これはそもそもベッド単位で見ることが間違いなんだという、こういう反論を試みられております。つまり、元々青少年教育というのは団体訓練施設であると。団体訓練で団体宿泊訓練なんだと、こういう定義付けがなされていますので、団体で宿泊する、そして訓練をすると、こういう目的からすると、ベッド数、個室はそんなに多くならないんだと。自然、4人から16人ぐらいという、非常に幅がすごく大きいんですけれども、そういう部屋が増えていくので、ベッド数はどうしても空いてしまう、部屋単位で見てほしいというような、そういうニュアンスさえ聞こえてきたわけであります。
まず、この一番目の宿泊稼働率につきましてお聞きしたいと思います。
確かに、このベッド数、ベッド単位で見るという判断基準というものがそぐわないという言い分も分からないわけではありませんが、稼働率といった場合には、しかしやはりそのベッド単位での稼働率を上げていくためにもっと工夫するということが必要ではないかという、まあ素朴に思うわけでありまして、まずその点につきましてお聞きしたいと思います。

○政府参考人(素川富司君) お答え申し上げます。
昨年の会計検査院の報告書を読みますと、今先生お話しのような御指摘をいただいたところでございまして、私ども、その青少年3法人のいわゆる稼働率、必ずしも高い水準となっていないということについては、これをよりより、もっと引き上げなければいけないと思っております。
ただ、過去五年間の、独法になってから少しずついわゆる稼働率というものについては上昇してきているということも御報告の中にはあるわけでございますけれども、我々もっと頑張らなければいけないと思っています。
ただ、その中で、やや青少年団体宿泊の特色といたしまして、相部屋といいますか大勢で泊まる施設というものがあるというような状況を説明の中で少ししているわけでございますけれども、基本的にこの稼働率引き上げていかなきゃいけないということについては、御指摘のとおり私ども努力しなければいけないと思っておるところでございます。

○西田まこと君 このベッド単位の稼働率は、低いのはもちろんですが、部屋単位でじゃ見てみても結局6割を切っているところが結構多いという現実があるわけでありまして、政策目的は、青少年のために資する施設というものは大きな目的としてはもうますます重要になってきているということは、これはもう、これまでも重要でありましたし、またこれからはもっと重要になると、ニーズは間違いなく増えているということは私もそのとおりだと思います。
しかし、その実際のニーズが増えているということと、それにちゃんとそぐうような仕組みなり施設なり整えているのかということはまた別の問題でありまして、そこがうまく一致していかないと、これはやはり独立行政法人を見ていく場合に何となく瑣末なことだけにとらわれてしまうということになってしまうんじゃないか。政策目的というものを本当に達成する機能になっているのかどうか、あるいはそういう施設になっているのかどうか、このことをしっかり見ていく必要があると私は思っております。
2番目の主催事業の参加者の割合というのは正にそういうことであります。
これも先ほど申し上げましたが、例えばオリンピックセンターでは0.7とか、女性会館では5.9とか、青年の家では10%、少年自然の家は六%と、こういう検査院の方は報告をしておりまして、いわゆる主催事業というものに対する参加者の割合が非常に低い。これはどう反論しているかというと、まず数字で見ちゃいけないというふうに言っています、文科省さんはですね。これ質で見るんだと、一言で言えばそういうことだと思うんですね。利用者数で比較することがおかしいと、こういう反論をされております。
なるほど、いろいろと理屈があるもんだというふうに私も思いましたし、思わず納得してしまうように見たわけですが、確かにそういう面もあると思います。あると思いますが、しかし、そうはいっても、やはり政策目的に沿った施設ということになりますと、そこにどれだけ多くの人が参画してくれるのかということは大変重要な指標であり、それを比較評価することが困難であるということの一言で片付けてはならないんではないかと。
ここはちょっと政策目的にかかわることでございますので、お忙しい中お時間割いていただきました大臣にお答えいただければと思います。

○国務大臣(小坂憲次君) 西田委員から御指摘をいただきました今回の検査院の報告でございますが、私の基本的な姿勢は、これらの御指摘にありましたような3独立行政法人が、設立に当たってそれぞれの目的そして目標を掲げてスタートをしたわけでございますが、それが今回全般的なレビューを行われて、その中で御指摘を受けたという意味で、真摯にこの指摘の内容を受け止めにゃいかぬと思っておるわけです。
それぞれにその稼働率あるいはその主催事業の参加者等の割合等、これはやはり一つの指標でございますし、それに対してそれぞれの理由というものはそれなりにありますけれども、しかし、私も客観的に見て会計検査院が指摘したと同じような疑問を当然持つわけでございます。
そういった観点で、今回は、取りあえず今までのことに対してそれなりの言い訳は聞いたので、いったんの猶予を与えると。しかし、今後ともそれが十分に改善されないならもっと大きななたを振るわざるを得ないということだと思っておりまして、つきましては、まずこれらの中でどういうことをできるかということで、まずはその独立行政法人国立オリンピック記念青少年総合センター、また同国立青年の家、同国立少年自然の家につきまして相互に連携をさせ、そして青少年にとって重要な体験活動の機会の提供や教育的研修支援を行うということが、これまでも行ってきたと認識はいたしておるわけでございますが、これからそれをより効率的にやるにはどうやったらいいかという観点で平成18年4月1日にこれらの3法人を統合いたしまして、新たに独立行政法人国立青少年教育振興機構という形に統合をさせていただきまして、この統合の効果を最大限に発揮するようなことをまずやらせていただくということで、まずもって第1に、法人本部というものをつくりまして、そこで集中的、統一的に企画立案事業を実施をさせていただくということ、2点目に、全施設において青年、少年という区別なく青少年を受け入れて、宿泊を伴った体験活動に対して支援を行っていくということ、また、事業の連携による効果的な青少年教育を実施するということで、より効果的に青少年教育を振興するという本来の目的を十分に実を上げられるように期待をしていきたいと、こういうことでございます。さらに、私としてもこの経過をしっかり見守っていきたいと、こう思っております。
そういった意味で、今後これが実際にちゃんと、今回こういう形でやらせていただく実績が出るかどうか、これが文科省に問われていると。私はそういう認識で今回の統合を見守って、皆さんに御説明をし、その御説明したことがちゃんと守られるように見守ってまいりたいと、このように考えております。

○西田まこと君 大変厳しく大臣が受け止めていらっしゃるということがよく認識させていただきました。
今大臣の御答弁の中でもありましたとおり、今のこの主催事業、受入れ事業という分類を、今度この中期目標の中では名前が変わっているんですね。というか、何かわざと変えているんじゃないかと私は思っております、まあ勘ぐりかもしれませんが。どう変わっているかと、今大臣おっしゃいましたとおり、企画と研修というふうに変えておられます。非常に何か前向きな分類の仕方を変えておりますが、中身は、でも多分この主催事業と受入れ事業の言い換えをしているんじゃないかと。私が間違っていたら御指摘いただければ結構ですが。
そういう区分の分け方をして、かえって政策目標との連動というものが見えにくくなってしまうんじゃないかということをちょっと懸念をしておりますが、これ、政府参考人の方、いかがでございましょうか。

○政府参考人(素川富司君) 主催事業、受入れ研修事業といいますか、それにつきまして、その法人全体としてのやっぱり企画立案ということが重要であるということで、企画事業というふうに名称を改め、また研修受入れ事業につきましても、この研修のサポートというものが、やはり専門職員を中心とする専門的な立場からの研修を効果的にするための支援が重要であるということで、研修支援というようなことを中心に頑張っていきたいということで、私どもの事業の大きな2つの柱を整理させていただいたところでございます。

○西田まこと君 是非この独立行政法人、今度機構になって、その政策目標とのかかわりというものをしっかりして、必要なものはきちっとやっていくということが大事なわけでありますので、そこを変にごまかすようなことがないようにお願いしたいと思います。
その上で、先ほど来から私が申し上げているとおり、この青少年の育成とかあるいは教育というようなこと、あるいはかかわりということについてニーズは増える一方であるということはもう事実であると私は思っております。しかし、そういうニーズがどんどん増えていくという現実が一方にありながら、もう一方で、一番そのニーズに近い、国よりも市町村あるいは都道府県、こういったところで今何が進行しているかというと、例えば県の青年の家と称するものは、どんどんこの青年の家というものが、青年という言葉をまず外すと掛かっていると。例えば、いろんな各地で名称があると思いますが、青年という冠を外して元気な何とかとか、そういう非常に一般的な名称になっている。
つまり、これは何を意味しているかというと、都道府県のそうした青少年教育施設と称するもの、これが青少年教育よりももうちょっと幅の広い生涯学習機能として衣替えしつつあると。なおかつ、生涯学習機能として衣替えしつつあるそうした旧青年の家、県立の青年の家はかなりこの指定管理者制度の適用を受けようとしていると。今既に、私がお聞きしたところでは、導入済み、この指定管理者制度を導入しているのは全国264あるこうした教育施設のうち15、導入予定があるのが114、予定なしが135というのが直近の数字というふうに聞いておりますので、もう半分近くは指定管理者制度、これを適用を受けようとしている。
簡単に言えば、国の方はこの三法人が一体となりまして、かなりその施設としても充実したというか、以前と同じような形で残っているわけでありますが、ニーズは増えていることは間違いない。そのニーズに一番近いところで起きていることは、1つは指定管理者制度にという形での公設民営化が進んでいる。そして、もう一方では、青年の家という、青年という、まあ今どき青年の家に行こうっていう、余りなかなか少ないのかもしれませんが、その青年の家の名前を変えてもっと広く生涯学習機能に変わろうとしている、こういう現実ですね。
一方で、確かに青少年教育のそういういろんな自然との触れ合いとか大事なこと一杯やっていること、私も存じ上げております。環境プログラムも一生懸命やっていらっしゃるとかそういうことも存じ上げておりますが、そういうニーズが一方でありながら、でも一番そのニーズに近いところでは、国はちょっと遠いかもしれませんが、一番ニーズに近いところではそういう形の変化が起きてきている、こういう現実についてはどのように文科省はとらえておられるんでしょうか。

○政府参考人(素川富司君) お答え申し上げます。
公立の青少年教育施設の指定管理者制度導入状況、今先生のお話しになったとおり、大体半分ぐらいがそういう方向で、半分ぐらいは導入予定がないというのが大ざっぱなとらえ方でよろしいかと存じておりますが、基本的に指定管理者制度の導入につきましては、地方公共団体におきまして住民サービスの向上を図る観点からその導入の適否を判断されるということでございますけれども、私どもといたしましては、やはり青少年教育施設でございますので、指定管理者制度が導入された場合においても、やはりその指導者といいますか専門職員、そういった人材といいますか、そういう形の配置というものが今後とも重要であるのかなというふうには考えておりますが、基本的には各自治体において御判断いただくべき性格のものであるとは存じております。

○西田まこと君 この3法人、新しくなったところの重要な機能の1つは、そうした地方公共団体の青少年教育施設に対しまして様々なモデル事業なりを、プログラムを普及していくというお立場になっていく。今までもそうでしたけれども、いわゆるナショナルセンターになっていくと、こういうことですね。
その普及すべき相手がこうした形の指定管理者制度を受けて公設民営化されていくと。公設民営化ですから、もちろん協定書を結んだりしてそのときに担保できるかもしれませんが、法的にはどうなんでしょうか。この3法人がこういうことを是非ともやってほしいといったときに、一方で公設民営化されたところが、いやいやそんなことよりもニーズはこっちにあるんだという、もう当然話合いはあるでしょうけれども、拒否するとか、そんなことはニーズがないとか、そんなプログラムは駄目なんだとか、こういうような、せっかく普及するというナショナルセンターの機能をより充実、今回したわけですが、普及させるべき相手のところがどんどん公設民営化されていって、一体として本当に機能するんでしょうか。ちょっと素朴な疑問ですが、お答えいただきたいと思います。

○政府参考人(素川富司君) 私どもといたしましては、先ほど申し上げましたように、やはり重要な青少年教育施設でございますので、その設置形態、指定管理者制度の導入のいかんにかかわらず、やはり青少年教育施設としてその研修支援を行います専門職員の配置などを中核といたしますそういった機能というものが十分担保されているということが必要ではないかと考えておりますが、そういうことを前提にして、やはり先生が今お話しになりました、国立で開発しました青少年の現代の課題にかかわるモデルプログラムというものを一緒に普及していく仲間として公立の青少年教育施設を考えたいと思っているところでございます。

○西田まこと君 地方自治法の第245条のこのいわゆる関与ですね、国のそうした様々な関与が助言とかあるいは勧告という形でこうしたところにも利いてくると考えていいんでしょうか。

○政府参考人(素川富司君) お答え申し上げます。
基本的には、新しい自治法の仕組みの中での国と地方の関与の枠内でのことになると思いますけれども、やはりこれは独立行政法人でございますので、直接国立の施設では、国そのものではございませんけれども、やはり広い意味での国と地方という関係で申し上げれば、やはりいいプログラムを開発し、それに対して情報提供等々の手段、それから研修についてこの公立の青少年教育施設の方も参加していただく等々の連携を図りまして、その普及に努めてまいるというのが基本的姿勢であると思います。

○西田まこと君 これは大臣にお聞きしたいと思いますが、こういった県立の青少年施設から青年という言葉が消えて、むしろ生涯学習機能という形で、ある意味ではニーズに応じて変化してきていると、こういう現実がありますね。
そうしますと、じゃ市町村にある公民館と都道府県のそうした生涯学習機能の充実していった元青年の家みたいなところが何が違うのかというと、宿泊ができるという、多分それだけの形上の違いになってくる。
そういう意味で、今、どんどんどんどんニーズに応じて、住民のニーズに応じていろいろと、住民に近いところであればあるほど変化は様々な形で柔軟になって、また変わってきている。当然国としてこうすべきであるという大方針というのもあると思いますが、こうした住民ニーズに一番近いところでの今申し上げたような変化、そして旧青年の家が公民館化していくという、しつつあるという現実、こうした社会教育全般についてどのような、今後のビジョンなり考え方、もしお示しいただければお願い申し上げます。

○国務大臣(小坂憲次君) 委員の指摘された点は私なりにも理解できるところが多い、共鳴するところも多いんでございます。
公立の青少年教育施設というものの中でも、機能がそういった形で公民館的なものと何が違うかといえば、確かに宿泊のあるなしが違うわけでございます。ただ、逆に言えば、その公民館と青少年教育施設の相互の連携というものもあるわけでございまして、やはり公民館活動の中で、やはり宿泊体験をする中で青少年教育をやりたいというようなプログラムを公民館が考えた場合には、この青少年の宿泊施設のくっ付いた方を逆に活用するということにもなってくるんだと思います。
それからまた、先ほどもお話がございましたように、独法と公立の間の連携でございますけれども、独法の青少年の教育施設を通じて先進的ないろいろなプログラムを開発して、それを使っていいものを企画すれば、権限規定とかそういうものにかかわらず、いいものを企画すればやはり公共の青少年教育施設の方でも、指定管理者の枠の中であっても、やはりそれを使ってうちの方でもやってみようと、こういうことになりますし、また逆に、公立の施設、それぞれの単体はいろいろ考えるけれども、やはり考えるのに幅が出てこないということの悩みもあると思うので、そういう点は、俯瞰的に全国を見ているこの独法の施設の中で研修をすることによってより幅広い企画力が出てまいりますし、また、その実施した上での成果というもののサンプルも実例として見ることによって、それを導入しやすいという、自信を持ってそれをやってみようという気にもなるわけでございますので、そういった役割を国の独法の方の枠ではしっかりとやって企画を出していくと。で、中核的な拠点として先導的なプログラムを実施させていただきたい、こう思っておりますし、また、公立施設の職員の教育プログラム、企画や手法や調査研究成果等のそういった情報の提供をするとともに職員の研修、先ほど申し上げた職員の研修とともにそういった教育プログラムの企画や何かについての情報提供をするとか、国立施設への講師としての派遣ということも考えていけば、そういったことで影響力を行使して教育プログラムの普及を推進して公立施設との事業を円滑に進め、また相互に影響し合っていい影響を出していければいいんではないかと。
そのことが今回3法人を統合したことによるわけでございますし、また名称的に公立施設がそういった形で青年、少年というものを冠しないというのは1つの時代の流れでもあろうと思います。生涯教育の中で親子が一緒に泊まりたいというときに、やはり少年の家にお父さんが一緒に行くというのがいいのか悪いのかという気がするといけないので、家族でもいいですよ、ただ目的は一緒ですよねと、自然というものをお父さんも子供たちも一緒になって体験してもらいましょうと。そういう中から、教育的効果がより発揮しやすい体制にするには利用しやすい名前を冠した方がいいだろうということで、生涯教育と連携する中でそういうことができるということにもなる。
これは1つの、独法の方でも学んでいくべきことだと思いますし、そういったことを否定するものでもございません。独法の自由な企画力の中で、そういった公立施設との連携を深めるいろんな方法を模索しながら、これからの中期的な目標の中でしっかりと実績を出していきたい、このように考えるところでございます。

○西田まこと君 この青少年の育成、何度も申し上げたとおり、時代の変化とともにそのニーズというものはもうますます増えているわけでありますが、その増えているニーズにいかに対応していくのかということは、もう国という大変に大きな存在、組織というものはなかなかそう素早くぽんぽんぽんぽん変えられないというのもまあ理解できます。理解できますが、そうだからといってニーズからどんどん離れていくと、やはり検査院の指摘の、これがすべてだとは私も申しませんが、1つ数値として表れている結果のようになってしまう、簡単に言えば利用されなくなってしまうと、こういうことにもつながりかねないことでありますので、その現場、住民に一番近いニーズというものを常に吸い上げていく、こういう御努力を、今もなさっておられると思いますが、更に引き続きお願い申し上げたいと思います。
続きましては、厚生労働省さんの方にちょっとお聞きしたいことがございます。かなり瑣末なことと言われれば瑣末かもしれません。独立行政法人の年金積立管理運用独立行政法人ですね、この年金資金運用基金につきまして御質問をさせていただきたいと思います。
この四月から新たに、150兆円に上る国民の年金保険料、これを預かり運用する独立行政法人が誕生したわけであります。そういう意味で、独立行政法人、今までもそうでありましたけれども、更に国民の保険料を払っている方々からすれば、厳しい監視というものが目を向けられるんじゃないかというふうに思うんですね。
当然、運用については、私も平成16年の、これはまだもちろん独立行政法人の前のあれですけれども、拝見をさせていただきまして、ベンチマークも含めて様々きちっとした科学的な運用、非常に透明性の高い運用をされているというふうに私も思います。その大変重要な本体の部分はもうそのとおりだと思いますが、今日お聞きしたいことは物すごく手触りのあるというか、簡単に言えば株主優待物の資産管理についてであります。
当然、株式で運用しておりますので、年金の保険料が入ってきて、それを直接この独立行政法人がやるわけではございませんので、信託銀行なりに、信託会社に信託していくと、そしてそこで株式運用するわけです。そうすると、銘柄によっては当然株主優待物というのがありますね。私も前職で会社四季報を書いてましたので、会社四季報の巻末には常にこの株主優待というのが一杯、これは拡大したものですけれども、たくさんあります。その中にJRのいろんな無料券とかJAL、まあ飛行機、航空券とか、あるいはギフト券とか、もうたくさんあります、お米券とか、もう一杯あるわけで、どこでどの株主優待物が入っているのかどうかは分かりませんが。
今日は、この株主優待物の資産管理がどうなっているのかという、まあ150兆円というもう膨大なこの運用資産からすれば本当に小さな瑣末なことだというふうに事務方の方から質問する前に言われました。しかし、そうはいってもやはりこれは大事な国民の年金保険料のことでありますので、あえてお聞きしたいと私は思っております。
これはまず、平成16年度の数値でもちろん構いませんが、この株主優待物をどう処理して、どのぐらいの、換金をしていると思いますけれども、上るのか、お分かりであれば教えていただきたいと思います。

○政府参考人(渡邉芳樹君) この四月から、独立行政法人であります年金積立金管理運用独立行政法人がスタートいたしましたが、おっしゃるように140数兆円に上る年金資金運用の専門機関として私どもも大いにその専門性の発揮を期待しているところでございますが、今御指摘のありました株主優待物、まあよく言われる株主優待券などでございますが、一般に株式を長期間保有し続けてもらえる安定的な株主をつくることをねらいとして各企業さんが発行されるというように理解をしております。
私どもは、資産運用でございますので、株主優待物を目的として資産運用をするというものではございませんが、株式を保持する以上、こうした株主優待物というものも先生御指摘のとおり付いて回るわけでございます。これにつきましては、御指摘のとおり、この新しい独立行政法人が直接国内株式の管理を行っているわけではなく、すべて資産管理を行う信託銀行に信託して行うこととされております。したがって、株式の名義人は資産管理を行う信託銀行となりまして、株主優待物はすべて株式の名義人である信託銀行に送付され、管理が行われております。
新しい独立行政法人におきましても資産管理に関するガイドラインというものを定め、株主に提供される便益等について信託会社の方はどうあるべきかというガイドラインを定めておるわけでございます。具体的には、資産管理を行う信託銀行において、資産運用業界において既に定着した慣行と承知しておりますが、当該信託銀行において、株主優待物のうち現金化可能なものについては売却し、その際の売却収入については株式の配当金と同様信託財産における実現収益として取り扱うこととされております。
換金の可能なものとそうでないものというのは確かにあるわけでございますが、実際の実績ということでございますが、私どもの今回把握させていただいた金額でございますが、平成16年度における株式優待物の換金による収益額が約3億7千万円ほどというふうに承知をしております。

○西田まこと君 これ、最初私がこの質問をするときに言ったら、分かんないと言っていたんですよね、掌握してないと。そもそも今まで一度も照会したことないんじゃないですか。

○政府参考人(渡邉芳樹君) 今御質問のとおり、これは私ども、株主優待物として区分けして、前身であります年金運用基金、そして今の独立行政法人が区分けをして数値を把握するという業務の仕方にはなっておりません。現状でございます。信託収益ということで、配当金その他と一緒になってこれの経理がされておりますが、もとより、先ほど申しましたように、信託銀行としては資産管理の上で当然ここの部分について、株主優待物について、しっかりどのような処理をしているか把握していなければ全体としての数字をまとめることができません。
したがいまして、今般、御指摘も踏まえまして、御協力をいただいて、16年度分について信託収益の中の株主優待物換金分というものを報告を求めましたところ、それは業務上出ているということでございますので、把握をさしていただいてただいま御報告申し上げたところでございます。

○西田まこと君 これは、要するに今までやってなかったと。私、最初聞いたときには、信託収益か雑益かどちらかに入っているという非常にあいまいな答えだったわけですけれども、今回調べて分かったということであります。
しかし、更に問題なのは、ガイドラインを私も拝見しまして思いましたけれども、これ換金するわけですから、ありていに言えば入札をするんですよね。金券ショップとかに持っていって、どこが一番高いかということをやるということにガイドラインで決まっていますね。そうすると、大体何社ぐらい入札掛けているんですか。

○政府参考人(渡邉芳樹君) 今の点につきましては、独立行政法人から資産を運用管理委託を受けました信託銀行の内部における処理でございますが、もとより、ガイドラインに沿って、また投資信託協会の内部ルールに沿いまして、換金市場が存在するなど容易に換金できるもの、基準価格に影響する等受益者の利益のために必要と判断されるもの、これを受託者と協議の上換金して投資信託財産に繰り入れるというのがそもそもの信託の基本ルールでございますので、適切な売却、換金というものが行われていると承知しております。

○西田まこと君 それは形式では何というかそういう手順になっているということを言ったにすぎないわけであります。
実際に最大の努力がなされているかというのは、1つの例で結構ですので、何社ぐらいこの入札掛けているのか教えてください。

○政府参考人(渡邉芳樹君) 入札の手続を踏んでどうなっているかという点含めまして、改めて独立行政法人を通じ、委託先の信託関係者によく調べをさしていただきたいと思います。

○西田まこと君 ということは、じゃ、今までもうずうっと、こうしたまず額も掌握していない、そして入札されているか、されているだろうという、そういうプロセスは定めていますという、ちゃんとやっているだろうということで検証もしていない、あるいは点検もしていない、こういうふうに理解してよろしいんでしょうか。

○政府参考人(渡邉芳樹君) 実際に業務が処理されておるわけでございますので、独立行政法人として信託銀行と話し合っていただいて実情の把握に努めると、これは当然行うべきことと考えられますので努力さしていただきたいと思いますが、冒頭御指摘のとおり、全体の運用という観点と安定株主のための株主優待券というような優待物の問題と若干観点の違うところもあったかと思いますが、いずれにしても、詳しく調べをするといったときに、効率的にそれが行われるというような事務体制、あるいは委託手数料にどのように跳ねるのか跳ねないのかという効率性も含めて御相談をさしていただくよう指導したいと思っております。

○西田まこと君 これはやっぱりしっかり、3億7千万にもなるわけですし、これまでもちゃんと本当に入札されていたのかどうかよく分からないということもあります。もう150兆にも上る、確かに本体じゃないかもしれませんが、結局、保険料を払っている人はもうとらの子のお金を払っているわけでありまして、大変な生活をしながら払っている、それをどういうふうにして、付随的に発生するにしてもそこまできちっとやるということがやはりこれは私たちに課せられていることだというふうにも思いますので、しっかりとこれやってもらいたい。
最後、副大臣、いかがでしょうか。

○副大臣(赤松正雄君) 西田委員から極めて大事な御指摘をいただいたと思っております。
株主優待物の売却益は、今話の中に出てきましたように3億7千万というそういう額であって、非常に大事な運用の収益源ということでございますんで、きちっと取り扱っていかなくちゃいけないものだと、そういう認識をいたしております。
今局長からもありましたけれども、現在、信託銀行における株主優待物の取扱いにつきましては、信託銀行と管理運用法人がいわゆるヒアリングという方式を通じてルールどおり行われているかどうかを確認しているという形を取っておりますので、さらに、こういった形以外にどのような形できちっとした確認が可能なのかどうか、そういう点を含めまして、契約当事者であります管理運用法人と信託銀行の間でしっかりと検討していただくようにこちらとしても見ていきたいと、そんなふうに思っております。
以上です。

○西田まこと君 終わります。