187-参-財政金融委員会-007号 2014年11月18日

○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。
この問題につきましては、昨年の与党の税制大綱の中にも検討課題として入っておりまして、先ほど来から話がございますように、政府税調でも、また与党税調においても議論をされております。私も税調のメンバーの一人でございまして、今様々御質問、またやり取りもございました。若干それをお聞きしたいと思っております。
冒頭、まずお三方、参考人の皆様には、大変お忙しい中、こうして来ていただきまして、また貴重な御意見もいただきました。誠にありがとうございます。
まず、高井参考人にお聞きしたいと思いますが、先ほどの御説明の中で、特に実効性を担保するための課題をきちんとクリアしてもらいたいという趣旨のお話があったかと思います。先ほどの中でも若干触れられておりますけれども、改めて、特にこういう課題について一番実務上、法律改正はもちろんですが、その後の運用も含めて課題として認識されていることをもう少し突っ込んでお話しいただければと思います。

○参考人(高井昌史君) 先ほど述べましたけれども、更に詳しく言いますと、電子書籍の税の不公平の問題は言いましたけれども、これ紙の本でも海外からやはり輸入する場合の輸徴法という法律がありまして、学術書について輸入するとき関税が不課税、関税が掛からないものについては消費税が不課税ということで、海外から学術書を輸入するとき、海外業者が直接売るときには、消費税、これは掛かっていないんですよね、輸徴法で。これはもう二十年も前から、消費税が付いたときからもう三%のハンディキャップを背負ってやっているんですよ。で、五%と。これ、もう海外事業者とのハンディキャップの差をずっと続けておるんです。
それで、電子書籍というのがここ三、四年出てきました。これについて相当インターネット上での、書籍だけだと本当に売上げが少ないから余りこういう機会で取り上げられていなかったかもしれない。しかし、私はずっと言い続けた。やっと、ヤフーさんその他、広告その他いろいろな味方がインターネットに出てきてこういう問題になっています。
ですから、ずっと、本屋で利益を出すのは、最終利益一%出るか出ないかの話をやっているんですよ。それで、このようにハンディキャップを背負ってずっとやり続けていたということについては深く訴えたいということですから、私は早く、一日も早く変えてほしいと。
その他のBツーB、BツーC、これについては、やはり財務省その他、政治家の皆さん勉強なさって、一番いい方法を早く、しかしこれ、脱法行為、脱税行為は必ず起きるかもしれません。しかし、それには厳しく対処する法律を作って対応していただきたいということでございます。

○西田実仁君 ありがとうございます。
古閑参考人にも同様に、この実効性を担保する上での、先ほど御説明をかなり詳しくいただきましたけれども、更にもし付け加えることがあればお願いしたいと思います。

○参考人(古閑由佳君) この格差がなくならない限り、先ほどの八ページの資料でも御説明しましたとおり、日本の企業が海外に拠点を置くということも考えられると思います。それは別に公正なことですので。そういうことが起こりますと、やはり空洞化につながると。実際に私どもも海外に拠点はつくりまして、何かのときに準備は始めたいということは思っている状況にございます。
したがって、それが公正な状態だということで継続することがいいのかどうかという問題だと考えております。

○西田実仁君 最後に、渡辺参考人にお聞きしたいと思います。
一つは、先ほど御指摘された国内外の事業者の区別による仕入れ税額控除のそごの問題を解決するために、例えば課税事業者番号等を付した登録制のいわゆるインボイス的なものを発行することによってそれが防げるとお考えになっているのかどうかということが一つと、もう一つは、施行に関しまして十分な期間が必要という御指摘もございましたが、これは私自身は消費税の引上げの有無ということとは関係なく不公平の是正をいち早くすべきだというふうには思っておるんですけれども、十分な期間が必要だという御指摘もありましたので、どのぐらい必要なのかというようなことを、もし御意見があればお聞きしたいと思います。

○参考人(渡辺弘美君) 一点目でございますけれども、私は、現状、我が国では課税事業者番号はございませんので、課税事業者番号を付したようなインボイスの発行というのは難しいというふうに考えておりますので、代わりに、いわゆる消費者向け取引を受けた事業者の方が仕入れ税額控除を受けるためには、通常の領収書にその消費税の課税の分がきちっと書いてあるものを保管していればそれで仕入れ税額控除ができると。発行者の名前が残りますので、発行者が実際に国外の事業者で納税管理人を指定しているかどうかは追跡すれば分かるかと思いますので、通常の領収書の保管において仕入れ税額控除の適用をできるのではないのかなというふうに考えております。
二点目の十分な期間でございますけれども、仮にその役務の性質や取引条件等によって番号がない中でどうしても対応せざるを得ないということであれば、先ほど申し上げましたように、事業者の中には、現状その提供しているサービスを明らかに事業者向けであるものとそうでないものとに区別するような対応が必要になってまいります。これは、通常の税率が上がるということだけではなくて、そのサービスの内容自体を変えていく可能性もございます。そういった事業者のことを考えれば、当然にそれに要するシステム開発に関する改修の期間等が必要になりますので、そういう具体的に消費者向け、事業者向けのルールがはっきりした上で相当程度の期間を確保していただければというふうに考えております。

○西田実仁君 終わります。