201-参-行政監視委員会-001号 2020年02月17日

○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。
今日はお忙しい中、また遠方から、お三方の参考人の皆様、大変にありがとうございます。
まず、私の方からも礒崎参考人にお聞きをしたいと思います。
問題意識はまさに共有してございまして、昨年、この本委員会におきましても、私も、この行政計画のインフレーションというか、もう非常に増えているということについて、どうこれを整理していく必要があるのかという質問もさせていただきました。
その際、ここにもありますように、閣法のみならず議員立法が半分ぐらい実はあるわけでして、そこにおいて、理念法が多いというせいもあるのかもしれませんが、非常に計画が多いという指摘もさせていただきました。
そこで、まずお聞きをしたいわけですが、特にこの行政計画の整理というときのその整理する判断基準、先ほど閣法の法令についてお話がございました。
私は、例えば地方に計画作成を求める場合に、その計画がなければいけないのかというその必要性、あるいはその作った数多くの計画の内容が整合的なのかという整合性、さらには現場でこれを展開できるのかという実現可能性、そして事務負担の問題、こうしたことを物差しにして整理をしていくべきではないかというふうに思うわけでありますけれども、特に行政計画をここで廃止、統合、簡素化が必要というふうに書いていただいていますけれども、その際の判断基準というものがあればお聞きしたいということとともに、今日お示しいただきました十六ページには、その際、参議院でもいいというふうに書かれていますけれども、地方関係立法審査会というような組織のことにも触れられていました。まさに、こういう地方の負担を減らして住民サービスを上げていくためにもそうしたことが必要だと思いますけれども、当行政監視委員会、参議院の行政監視委員会に対する期待ということも、二つお聞きしたいと思います。

○参考人(礒崎初仁君) ありがとうございます。
西田委員御指摘のような実現可能性とか負担の問題とか、このような基準、なるほどなと思って拝聴をいたしました。
私自身は、確たる答えではございませんが、私のスライドの十ページ目にございますが、国の法令がどういう根拠に基づいて自治体に介入する、関与するのかということを五つの項目にまとめております。私の持論ですと、こうしたものの中から行政計画をやっぱりちゃんと作ってもらう必要があるのだという国全体での要請があれば、それはやむを得ないというふうに思います。それが一つ基準として考えられると思いますが。
もう一つは、実は自治体は計画たくさん持っております。ほとんどの自治体が、委員の皆さん御承知のとおり、総合計画というのを作っておりますし、今般は地方版総合戦略といったものを設けております。都市計画、地域福祉計画、介護保険計画、計画たくさん実はございますので、それらに新しいものを加えるのではなくて統合してはどうかというふうに思います。
自治体の判断で、今までの総合計画の中に同様の内容を書いていたら、それを今回の法律で定めている何とか計画に兼ねていいのだという、計画を束ねるということをお認めいただけると大分楽になるのではないかというふうに思います。
その方が住民にとっても、この問題はこの計画がある、この問題についてはこの計画があるというふうに縦割りで作るよりも、総合計画に基本的なことは書いてありますと、こんなふうにしていただければいいので、総合計画などの規定でその計画を作ったというふうに考えていただけると、みなしていただけるならば、大分負担は小さくなるのではないかというふうに思います。
それから、二点目の当行政監視委員会に対する期待ですけれども、大変大きな期待を持って、今日、参上いたしました。
やはり立法に関わる事柄でございます。それから、各省庁はそれぞれの仕事、やっぱり真面目に考えれば考えるほど法令は増えていくと思うんですね。これを地方でやってもらおうと思うとこういう規定も必要、こういう基準も必要じゃないかと、こんなふうに各省庁の主導だとどんどん増えてくるということが、過剰過密になるということがございますので、ここはやはり国会で特に具体的な法令に関する議論が必要でございますので、当委員会などにおける議論は非常に重要ではないかというふうに思います。
当委員会で自治体の意見、地方の現実の情報を収集されて、法令の改正に努めていただけると大変いいのではないかということでございます。
以上でございます。

○西田実仁君 ありがとうございます。
この政策効率を考えた行政手法を定める立法技術ということについて、今言われたようなことを基に様々学ばなければならないのではないかというふうに私も思っております。
次に、木村参考人にお聞きしたいと思います。
木村参考人からは、一律の融合型という発想から脱却する必要があると、特に新規立法を制定するときにそうすべきだという御意見が陳述されたというふうに思います。
しかし、テーマにはもちろんよるんでしょうけれども、やはり現場に近い自治体に担っていただかなきゃならないことというのはたくさんあるわけでして、本当にそんな分離してできるのかという非常に率直な疑問がありまして、その際に、先ほどもちょっと触れられたわけですが、国の出先の役割ということをどう考えるかというふうに思うんですけれども、そこはいかがでしょうか。

○参考人(木村俊介君) 御指摘のとおり、ここは大変難しい問題でありまして、私自身、やはり市町村は総合行政と言われるように住民行政を担っていますので、非常に多くの情報がまず手に入るわけです。特に、住民の転入から始まって、福祉、教育、そういった各般の情報が市町村の中に集約をされるので、そういう意味で、一番やはり情報を持っているのが市町村であるということは、これは間違いないところだと思います。
その一方で、ただ、そのことに基づいて今後も一貫して融合型の立法が積み重ねられると、そこがやはりやや、今でもややオーバーフローぎみになってきているという印象があるので、そういう意味で、私も、最適の、これは国の支分部局でやった方がぴったりするというのが見出せればいいのですが、まだ私自身もそれについての最適の国が担うべき事務というのは必ずしも見付け出せていないところではあります。
ただ、その一方で、例えば負担軽減という意味で、例えば市町村と支分部局との間で今よりも更に密に連携を取って、少し仕事として支分部局の方に受け持ってもらえるような形で仕事をシフトしていくとか、そういったような余地がないものだろうか、そういうことを感じている次第です。

○西田実仁君 もう一つ先生にお聞きしたいんですけれども、参考八では、遠隔型連携の例というお話をいただきました。私もこれは大変に今後重要になってくると。
ここには分野で触れられていませんが、例えば、森林環境譲与税が既に執行されている中で、山のある市と、それから山のない都会、都市と、これがこの森林環境譲与税を活用して、いわゆる、具体的には、私、地元、埼玉ですが、秩父と東京の豊島区が連携をして、豊島区で上がってくる森林環境譲与税を使って秩父にとしまの森という森をつくって、環境教育とともに、豊島区内の発生するCO2を少しでも削減しようと、こういう試みを都道府県をまたいで実践をしている例があります。
こういうこと、この先生が挙げていただいたこともそうなんですが、これをやりたいという都市、市町村というのは結構あるんですけれども、しかし、そのマッチングは結構難しいです。たまたまいろんな元々協定が結ばれていてみたいな例では秩父と豊島でやっていますけれども、その出会いの場というか、町同士の、市町村同士の出会いの場をどうつくっていくのかということは大変重要だと思っておりまして、それは県とかあるいは国の役割というのが大きいのではないかと思いますけれども、先生はどうお考えになりますでしょうか。

○参考人(木村俊介君) ありがとうございます。
今、具体の例で挙げていただいた豊島区と秩父は、上流、下流との関係、それだけではなくて、今、社会福祉施設についても住所地の特例というのを使って豊島区の方が秩父の社会福祉施設に入るという構想を相談して進めているというふうに、そのことも伺っております。そういう意味で、一つの取組がまたその複数の分野でどんどん広がっていく、そういうことが大いに見込まれるんではないかというふうに思います。
そしてまた、一方で、各自治体の人たちは、やはり今先生御指摘のとおり、どういうところと自分たちがマッチングできるんだろうかということの情報を非常に欲しがっておられるということは事実としてあろうかと思います。私自身もそういう相談を受けたりすることもあります。
そういう意味で、そのマッチングについて、やはり県と県との関係でお互いに情報交換をして、市町村にそれをつないでいくということが一番現実には考えられるんではないかと思います。そういう意味で、非常に自治体が情報を欲していると、今度、それを供給する仕組みをより充実させていく必要があるんであろうということを私自身も強く感じております。

○西田実仁君 伊集院村長さん、大変に今日はありがとうございます。
私の方からは、特に町村に対する調査・照会業務が非常に多い、これを是非見直してほしいという御指摘がございました。もし具体的に、年間このぐらいあるとか、町村会で何かおまとめになったり、あるいは御自身の村でですね、そういった実例をちょっと分かりやすく御説明いただければというふうに思います。

○参考人(伊集院幼君) ちょっと具体的な数字は出せませんけれども、これは各省庁の中でいろんな調査物が来まして、同じことを、言ってみると、窓口は我々も主管課、総務課、企画課とか、いろいろ窓口の中で受け入れる中で、もう同じような調査が国や県から来るということが今多々ございまして、同じ回答をするのに書類を作らなければならないという事務作業があると。そういうところを何とかうまくできないかというのが、今それぞれの町村の抱えている課題があるようでございまして、もう我々の村の中でも、あるのに、言われたとおりまた出さなければならないということは、もう当たり前のように私たちは作業をせねばいかぬのよということを今やっているんですよね。
しかしながら、全国の中で、蓋を開けてみましたら、こんなのやるのはおかしいだろうということで、それをどうにかしてどこかに、自治体の基本的な情報提供は、言ってみると市町村のホームページを見たらある程度の情報は分かるわけですよね。そういうところも何かうまく使いながら調査などもしていただければ有り難いのかなということで、こういう形で意見を述べさせていただいたところでもございます。
以上でございます。

○西田実仁君 終わります。