経産・国交委員会連合審査会・第1号 2006-05-18

【質疑事項】
1.中心市街地の活性化法・都市計画法等の一部を改正する法律案について
2.政策目標の達成までの期間について
3.重点施策とする「意欲的な自治体」の具体的な内容について
4.今後のチャレンジショップ事業について
5.これまでの中心市街地活性化計画の扱いについて
6.三大都市圏の範囲について

○西田まこと君 公明党の西田実仁でございます。おはようございます。
今日は経済産業省、大臣を中心に御質問をさせていただきたいと思います。
今回の中活法の改正でございますけれども、郊外におきます大型店の立地を規制していくというそのこと自体が即中心市街地を活性化していくということには当然ならないわけでございます。郊外への拡大、拡散を規制して、そして中に持ってくるというその方向性は、今後の人口減少、また高齢社会、さらには環境や財政の問題、様々な政策目標からして、大変に、今もうなさねばならないと私も思っております。
しかし、経済産業省での小売店舗等に関する世論調査を見ても、やはり郊外に住んでいる人たちの快適さ、利便性を感じている郊外居住者というのはもちろん現状では非常に多い。そして、今後のまちづくりの在り方を問うたときには、まあはっきり言って、郊外でも中心市街地でもにぎわいのある場所、にぎわいをつくってくれればいいという。必ずしもこの目標とする政策の方向性と郊外に住む人たちの意識というものにはまだ現状ではギャップがある、しかし、そちらに持っていかなきゃいけないと、こういうことであります。
私は、そういう意味では、大臣に問わせていただきたいんですけれども、郊外への立地を規制していく、そして一方では中心市街地を活性化していく、今快適さを感じている郊外に住んでいる多くの住民の人たちが納得をしてこの政策に協力をしていただく、また取り組んでいくということを考えたときには、やはりかなりスピード感を持ってこの中心市街地の活性化というものを進めていかないといけないのではないかというふうに思います。さもないと規制だけが目立ってしまって、中心市街地の方を活性化していくというメリット、今でいえば、ある意味では規制をしていくことによって感じるデメリットを超える、上回るメリットというものをスピード感を持って実現をしていくという中心市街地の活性化策というものが求められていると私は思います。
そこで、大臣に問わせていただきたいと思いますが、こうした政策目標を達成していくまでの期間をどういう程度想定されておられるのか、また、こうしたスピード感を持って中心市街地を活性化していくということについての御認識、さらにそれに向けてのお取組、これをまずお聞きしたいと思います。

○国務大臣(二階俊博君) 中心市街地の現状については、議員も御承知のとおり、一部には現在改善の傾向が見られておりますが、多くの地域では、御指摘のように、居住人口や売上げが減少するなど厳しい状況がありますので、活性化に対する課題解決については、ただいま西田議員から御指摘のとおり、正にスピード感を持って活性化対策に取り組まなくてはならないという御指摘はもっともなことであります。
それぞれの中心市街地が活性化するまでの取組の期間につきましては、地域ごとにそれぞれこの状況や取り組む内容が異なるわけでありますから、これは地域別に一斉にスタートするように我々の方から強制をするのではなくて、地域の皆さんの取組次第でありますが、今御指摘にありましたように、待ったなしといいますか、本当に商店街の今日の衰退の状況ということに関しては、地域全体、町全体が何となく元気を失っているような姿に対して対応を積極的にやっていかなくてはならないと思っております。
具体的な取組としまして、大型店の有するノウハウの活用や集客のためのイベントの開催など、これを大型店と協調してやっていけるようにしたいと思っております。
しかし、地方から聞こえてくる声の中には、大型店と地域の商店街との協調関係が十分なされていないような事例もたくさんありますし、商工会議所へ加わらないかと、いろんな会議に一緒にやらないかと言ったって会費すら払わないといって怒っておられる人たちもおるわけでありますが、これからは大型店と地域が協調してやっていけるように、同時に、住宅や、さらに公共機関等の整備などにおきましても対応を考えていかなくてはならないと思っております。
市町村が作成する基本計画におきまして、地域自らが、中心市街地の活性化目標の達成までの期間と、その間の個々のスケジュール、これを定めていただくようにしたいと思っておりますが、経済産業省としましては、度々申し上げてまいりましたが、それぞれの局を総動員する、地方の局を総動員する、同時に、本省におきましても、じっと机に座って待っておるんではなくて、我々の側から出向いていってでも一緒に取組を考えていきたいと、このように思っておりますので、議員各位の御協力を特にお願いをしておきたいと思うものであります。

○西田まこと君 私は地元、埼玉でございますが、たまたま昨日、私が住んでいる所沢市の駅前の商店街の理事長と懇談する機会を得まして、正に今言われたように、大型店また地元の商店街が協調してこの中心市街地を何とかしていこうという、そういう共有、共感をするというか、目標を追求していくという空気が出てきておりまして、条例によって大型店についても商店街にしっかりと加盟していくということも今もう模索をしているというふうな話も聞きました。そういう意味では、少しずつ動き出してきているところもある。しかし、まだまだそうでないところも数多くあるというところで、今大臣がお述べいただきました諸施策を集中して、そしてスピード感を持ってこの中心市街地を是非とも活性化していきたいと、こう思うわけであります。
具体的にこの中心市街地活性化法の中に盛り込まれていることで幾つか確認をさせていただきたいと思います。
今回は重点的に支援をしていくという選択と集中ということが掲げられております。重点支援とする意欲的な自治体、意欲的な自治体に重点的に支援をする、こういう仕組みです。
では、この意欲的な自治体というのは一体どういうものを想定しているのか。多分幾つかの指標、数値等もあろうかと思いますので、この意欲的な自治体の具体の内容につきまして御質問させていただきます。

○政府参考人(迎陽一君) 新しい中心市街地活性化法案では、市町村が作成された基本計画について内閣総理大臣による認定制度を設けると、そして認定を受けたものについて重点的に支援を行っていこうということで考えておるわけでございます。
しからば、実際にどういったものについて認定をしていくかということでございますけれども、これについては、例えば中心市街地の居住人口についてどのように増やしていくのか、あるいは空き店舗をどのぐらい減少させるとか、あるいは通行量をどれぐらい増やしたい、明確なその数値目標を定めて取り組んでいただく。それからまた、取組につきましても、商業者だけではなくて開発に携わる方、あるいは地権者、NPO、地域の多様な関係者が町ぐるみで取り組むようなことになっておるのかどうか。それから、計画の中で実施していく事業につきましても、様々な取組がばらばらに単発で行われるというふうなことではなくて、トータルなプランとして相乗的な効果を生むように一体的にきちっとした計画的な取組になっているか。こういった点を総合的に勘案をいたしまして、いい計画、悪い計画といいますか、いい計画、意欲的な実現可能性の効果の高い計画というものを認定をしていくということで考えておる次第でございます。

○西田まこと君 今、空き店舗の話もございました。空き店舗をどの程度減少させるかというのもこの意欲的の具体の内容にも入ってくるということであります。
そこで、このいわゆる空き店舗に新規参入者、空き店舗を新規参入者に貸していくというチャレンジショップ事業というのがあろうかと思います。このチャレンジショップ事業がどの程度全国で今活用されているのか。また、今回、スピード感を持って中心市街地活性化をしていくためには、こうした私は新規参入者に対するこのチャレンジショップというのはもっと強力に、ある意味では抜本的に改革をしていく必要があるんではないかというふうに思っておりますが、その点いかがでございましょうか。

○政府参考人(望月晴文君) 先生御指摘のチャレンジショップ事業につきましては、商店街に新たに出店しようとする商業者を育成したり、空き店舗対策全体に生かしたり、商店街に地域特産展などの特色を出すとかいう目的で広く支援策を講じてまいりました。具体的には、空き店舗を活用した場合に、店舗の改装費、家賃、効果の検証などに関する委員会開催経費などにつきまして補助を行ってきておりまして、ここ3年間で具体的には44地域におけるこういった事業について支援をいたしております。
過去の支援を見ますと、例えば山口県の防府市などで行われているチャレンジショップ事業では、5店舗中4店舗が独立開業をしたなどという実績も上がっておりまして、これはこの山口県に限らず、各地でそういう成果は上がっているというふうに認識しているところでございます。
今回のまちづくり三法の見直しを踏まえまして、中心市街地につきましては更に充実したチャレンジショップ支援を実施してまいりたいと考えているところでございまして、例えば本年度に拡充いたします戦略的中心市街地商業活性化支援事業の中におけるチャレンジショップ支援では、商業活性化アドバイザー派遣制度という制度が、アドバイザーを派遣する制度がございますけれども、これとチャレンジショップ支援と連携をして図って、施策を図ってまいりたいと思っております。
チャレンジショップにて行います商業活動に専門家の適切なアドバイズが加味されまして、経営が早期に軌道に乗り、それが町の活性化にしっかりと寄与する支援とするというようなことなど、制度の効果的運用を更に徹底をしてまいりたいと思っておりますし、今後とも商店街の空き店舗や商業オフィスを有効活用し、様々な人材が商業活動やコミュニティー活動を積極的に行えるように支援策について常に検討してまいりたいと思っている所存でございます。

○西田まこと君 これまで、選択と集中という今回の中心市街地活性化法でございますが、これまで計画してきた中心市街地活性化関連の投資は、これ今回新しく中心市街地活性化法の中ではどういう扱いになるんでしょうか。これまでのは全部凍結になってしまうんでしょうか。それともまた、新たな中心市街地活性化法の枠組みの中で、またそこで選択をされれば集中的に投資をされるということなんでしょうか。

○政府参考人(迎陽一君) 現行法の下で全国多数の市町村におきまして基本計画というふうなものが作られておるわけでございます。これにつきましては、新しい法律の下におきまして、例えば現行法の下で定められております信用保険法の特例でございますとか債務保証等の支援策については適切な経過措置を設けておるわけでございます。それから、今現在の基本計画に基づいて市町村やあるいは民間で講じられている独自の取組については、法改正によって何かそれが妨げられるというふうなことではございません。一方で、現行法で策定された基本計画そのままでは国の支援というのを新たに受けるということはできないわけでございまして、先ほど申し上げましたように、そのためには新しく国の認定というのを受ける必要があるわけでございます。
したがいまして、今の基本計画というもの、これについて、その実施状況ですとか効果ですとか見直していただいて、さらに、認定の要件に合致するような数値目標を含めるとか、あるいは事業全体の取組体制を見直す、あるいは事業の中身を見直すというふうなことで、新法下での基本計画にふさわしい基本計画というのを各地域ごとにもう1回お考え、今のをベースにもう1回お考えいただいて、是非ともいい計画をその認定に向けて出していただきたいと、こういうふうに考えておる次第でございます。

○西田まこと君 できる限りスムーズに滑らかに移行できるようにお願いしたいと思います。
最後に、今回の都計法並びに中活法のクロスする部分といたしましては、準工業地域におけます大型集客施設の扱いだと思います。三大都市圏と地方ではその要件が異なってくるというふうに理解しております。そこで、国交省に確認の御質問をさせていただきたいと思います。
ここで言うところのいわゆる三大都市圏というものはどういう地域を想定をしておられるんでしょうか。様々な法律に基づくものがあろうと思いますので、今の段階で想定している三大都市圏の範囲をお聞きして、質問を終わりたいと思います。

○政府参考人(柴田高博君) 三大都市圏の範囲についてでございますが、これは中心市街地の活性化を図るための基本方針の中で明らかにしていきたいと、定めたいという具合に考えてございます。
それで、想定される範囲といたしまして、経済活動等の状況から見て一体としての大都市圏が形成されていること、また都市計画制度その他法令上の都市圏の取扱いを踏まえますと、例えば首都圏整備法に基づきます既成市街地及び近郊整備地帯、近畿圏整備法に基づく既成都市区域及び近郊整備区域、中部圏整備法に基づく都市整備区域といったような範囲が考えられると考えております。

○西田まこと君 済みません。今のお話ですと、三大都市圏は首都圏の整備法に基づくということになりますと、埼玉では熊谷市と深谷市というのはちょうどこの範囲のちょうどずれるところでもございまして、当然、線を引けばどこかでそういうことは生じてくるとは思いますけれども、その辺もその運用の面で滑らかにいくようにお願いをして、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。