○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。続いて御質問させていただきます。
高度成長期に整備されました社会インフラの老朽化問題については、これまでも様々な指摘がなされてきました。今回、埼玉八潮市におけます道路陥没事故はその現状をはっきり示すものでもありました。
まず、今回の事故により行方不明になっている運転手の方の捜索、これ大変に今御苦労いただいておりますが、引き続き万全を期していただくようお願いするとともに、救出作業あるいは復旧作業にも従事されてこられました関係者の皆様に心からの感謝とそして敬意を表したいと思います。
今回の八潮市における事故は、全国の社会インフラの老朽化の状況を踏まえれば、レアケースではなく氷山の一角にすぎないのではないかとも考えられます。
例えば、国土交通省の試算によれば、過去十年間の水道事業における年間平均投資額が約一兆三千億円であったのに対しまして、二〇二一年度から二〇五〇年度までの三十年間においては、更新に必要となる年間平均投資額が一兆八千億円に増加するということであります。また、下水道については、令和四年度末に標準耐用年数の五十年を過ぎた下水道管の延長が約三万キロ、総延長の約七%でありましたが、二十年後には約二十万キロ、総延長の約四〇%にまで増加することが見込まれております。
こうした状況について適切に対応していかなければ、今回の道路陥没事故のように住民の生命や安全に関わる重大事故につながりかねないことになります。このため、上下水道の老朽化への対応のために必要な費用については、国として、地方交付税や国庫支出金等により長期にわたり確実に財源保障していく必要があると考えますが、総務大臣の基本的な考え方をまずお伺いしたいと思います。
○国務大臣(村上誠一郎君) 西田委員にお答え申し上げます。
上下水道事業は、住民の生活に必要な不可欠なライフラインとして重要な役割を担っていると認識しております。一方、人口減少等による料金収入の減少、施設、管路等の老朽化に伴う更新需要の増大などにより、その経営環境はますます厳しさを増しているというふうに感じております。
そこで、各自治体の上下水道事業が将来にわたり住民生活に必要なサービスを安定的に提供していくためには、中長期的な経営の基本計画である経営戦略を適切に策定し、改定し、計画的に老朽化対策を進めるよう助言してまいっているところであります。さらに、上下水道の耐震化等の防災対策につきましては、国庫補助金等も有効に活用しながら、計画的な推進に取り組むよう助言しております。
その上で、上下水道事業が将来にわたり持続可能な経営を行っていくためには、必要な財源を確保することが重要であると考えております。このために、上下水道事業の実態をよく伺いながら、関係省庁と連携して、地方財政措置を含め適切に対応してまいりたいと、そのように考えております。
○西田実仁君 公共下水道には大きく分けて合流式と分流式という方法がございます。合流式は汚水と雨水を同じ下水道管に集め処理するものでありまして、分流式はこれらを別々の下水道管で流す方法であります。
下水道事業における費用負担については、まず、地方公営企業は原則としてその事業収入によって経費を賄うという独立採算制が取られております。その上で、雨水の処理については、雨は自然現象に起因するものでありますので、その処理による受益が広く及ぶことから公費負担が原則となっております。雨水公費の原則であります。一方、汚水の処理につきましては、原因者や受益者が明らかなことから、私費、使用料により負担することが原則であります。汚水は私費の原則であります。ただし、分流式の下水道については、高コストではありますが環境改善効果が高く、公的な便益が認められることから、汚水処理の費用の一部を公費で負担することとされており、処理区域の人口密度に応じて普通交付税措置が行われております。
今後につきましては、さきに触れたように、維持更新のための費用が急速に増加することが見込まれておりますが、その負担を汚水私費の原則に基づく使用料負担、すなわち住民負担を求めることに限界があるのではないか、そうであるとするならば、今後は雨水だけでなく汚水処理についても公費負担の割合を増やしていく必要があるのではないかとの指摘がございますが、総務省の考えを伺いたいと思います。
○政府参考人(大沢博君) 御指摘ございましたように、下水道事業における費用負担の考え方は、雨水公費、汚水私費を原則としておりますけれども、生活環境の改善や公共用水域の水質保全など、下水道の公共的役割に鑑みまして、汚水に係る費用の一部について公費負担とすることとし、地方財政措置を講じております。
具体的には、分流式下水道に要する経費につきましては、平成十八年度から公費負担を位置付けまして、処理区域内人口密度に応じた交付税措置を講じるなど、地域の実情を踏まえた措置を講じております。
今後につきましては、維持更新していくことに伴う経費負担や各自治体の経営状況を捉まえながら、公費負担の在り方について適切に検討してまいりたいと考えております。
○西田実仁君 令和七年度地財措置についてですが、この令和七年度については、能登半島地震の教訓を踏まえて、災害時の水の確保の重要性に鑑み、地方公共団体における水道事業の防災対策を強化するための地財措置を拡充することとされております。ただし、令和七年度、この地方財政対策における水道に対する地方財政措置の拡充について、下水道事業は言及されておりません。
今回の地財措置の拡充は八潮市の道路陥没事故の前に決定されたものでありますが、八潮市の事例は、水道だけでなく、下水道の損傷についても住民生活に多大な影響を及ぼすことが明らかになりました。
政府は、全国の下水道の耐震化事業についても、水道事業と同様に地財措置の拡充を図るべきではないのか、総務省の考え方を伺います。
○大臣政務官(古川直季君) お答えいたします。
水道施設の耐震化は国庫補助事業と地方単独事業を組み合わせて推進されることが多いと承知しておりますが、一方、下水道の耐震化については国庫補助事業として実施されることが多いと承知しております。
下水道の国庫補助事業については、令和七年度に国土交通省において耐震化事業を拡充することとしているものと承知しており、総務省としては、国庫補助事業の地方負担について地方財政措置を講じているところです。また、総務省独自の取組として、令和七年度には、下水道の国庫補助事業の対象となっていない災害拠点病院等の公立病院における排水管の耐震性能の確保工事について新たに地方財政措置を講じることとしたところです。
総務省としては、各自治体において国庫補助金や地方財政措置を活用するなどして下水道の耐震化の取組を計画的に進めるよう助言するとともに、下水道の耐震化の進捗状況などをよく伺いながら、関係省庁と連携しつつ、地方財政措置の在り方も含めて検討し、適切に対応してまいります。
○西田実仁君 次に、郵便局関係についてお聞きしたいと思います。
郵便事業は、郵便物数の減少などによりまして、令和四年に郵政民営化以降初めての赤字となるなど、厳しい経営状況にございます。こうした中、日本郵政は、令和三年五月に公表した中期経営計画、JPビジョン二〇二五におきまして、グループ内の業務効率化を進めることでグループ全体で約三・五万人相当分の労働力の減少を見込むなどとしており、近年、職員の配置の見直しが行われております。
こうした労働力の配置の見直しが進められる中で、局長と社員一名の二人体制で運営する郵便局、二名局、二人局ともいうと伺っておりますが、その割合が増えてきていると言われております。
郵便局の窓口業務では、郵便、貯金、保険を始めとする幅広いサービスを提供しており、各種制度への正確な知識が求められ、こうした業務を二人で担当しなければならない職員の負担は特に大きいと思われます。また、二名局では、休憩や休暇の取得が難しいといった課題があるほか、育児休業の人員補充において代替職員がなかなか見付からないなど、現場の苦労も大きいと聞いております。
過疎化が進む地域では、自治体の出張所や金融機関の支所の廃止など、生活に必要な各種サービスの撤退が始まっており、地域の郵便局に期待される役割は今後もますます大きくなることが考えられます。サービスの安定的な提供と職員の負担軽減に向けた取組を両輪で進める必要があります。総務省におきましても、ユニバーサルサービスを提供する郵便局のこうした実態を適切に把握し、郵便サービスの安定的な提供につなげていく必要があると考えております。
そこで、まず総務省にお聞きしたいと思います。
この二名局のこうした実態についてどの程度把握をされておられるのか。また、併せてお聞きします。このユニバーサルサービスを支える全国の郵便局職員の負担を軽減し、持続可能な郵便局経営を確保するためにも、DXを含めた総合的な取組が求められると思います。総務省として、日本郵政グループの取組をどのように後押しをし、具体的にどのような施策を講じていくおつもりなのか、具体的な方針を伺いたいと思います。
○政府参考人(牛山智弘君) お答えいたします。
二人体制の郵便局の状況についてお答えをさせていただきますが、私ども、二人体制の郵便局につきましては、令和六年度当初時点で約六千局というところで承知をしてございまして、過去五年間で約五百局以上増加しているものと承知しているところでございます。
また、あわせまして、総務省の取組ということでございますが、あまねく全国に存在する郵便局におきまして郵便、貯金、保険の三事業のユニバーサルサービスを提供できますよう、こちら必要な体制を確保してまいりますこと、こちら極めて重要であると認識しておるところでございます。
現在、日本郵政及び日本郵便におきましても、郵便局における体制を適切に確保するために、必要な要員の確保に加えまして、窓口社員の柔軟配置や窓口のデジタル化などに取り組んでいるものと承知をしているところでございます。
また、総務省といたしましては、郵便局ネットワークの維持に要する不可欠な費用が確保されますようにということで、こちら交付金、拠出金制度、こちらの運用も行っているところでございます。こちらにつきましては、来年度の交付金の額につきましては、郵便の利用の減少など郵便局ネットワークの利用実態を適切に反映する形で算定いたしました結果、本年度より約百七十七億円増加の約三千二百七億円、こちらの方で認可の方をさせていただいたところでございます。
今後とも、こうした取組を着実に実施しながら、郵便局におきまして適切なサービス提供体制が確保されるよう引き続き対応してまいりたい、そのように考えておるところでございます。
○西田実仁君 終わります。