○西田実仁君 おはようございます。公明党の西田実仁でございます。
今日は、最初に質問する機会をいただきました委員長始め、与野党の理事の先生方に心から感謝を申し上げさせていただきたいと思います。
まず私の方からは、イラン情勢と物流ということについて国交省の方に確認をさせていただきたいと思います。
国際エネルギー機関、IEAが報告書を出しておられまして、シェルタリング・フロム・オイルショックスということで、政府や企業、また家計に石油消費の即時削減を求めております。油の供給途絶の長期化に備えまして、言わば需要側に行動変容を求めているという報告書でございます。特に物流の分野で申し上げますと、国に求められている需要抑制策として三つ挙げられております。速度制限の見直し、エコドライブ、車両保守、そして配送条件の見直しでございます。
このIEAが求める需要抑制策につきまして、政府の取組を伺いたいと思います。
第一に、国交省は、警察庁とも連携し、速度管理政策を検討するかどうかということ。第二に、中小のとりわけ運送会社向けに、エコドライブ研修への助成あるいは車両保守への補助を拡充する用意はあるのかどうか。第三に、配送条件を見直すため、四月から施行されますCLO、物流統括管理者制度をどう活用していくのか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(岡野まさ子君) お答え申し上げます。
委員御指摘のIEAの報告書で提示されました需要抑制策、これにつきましては、各国が取り得る対策の例を提示しているものであり、各国がそれぞれの状況を踏まえて検討するものというふうに承知してございます。エネルギー行政を所管する資源エネルギー庁によりますと、現状におきましては、我が国における石油需給について直ちに影響が生じる状況にはないというふうに聞いておるところでございます。
その上で、今般のイラン情勢に伴う燃料油の価格や供給の動向による我が国の物流への影響を注視しているというところではございますが、国土交通省といたしましては、まずは関係省庁や業界団体とも連携しながら、必要に応じて対応を検討していきたいというふうに考えているところでございます。
なお、委員から御指摘ございました物流統括管理者、いわゆるCLOにつきましては、本年四月から全面施行されます改正物流効率化法に基づきまして、大手の荷主等に対して選任が義務付けられることとなります。本制度の着実な執行を通じまして、積載効率の向上などの更なる物流の効率化に取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。
○西田実仁君 政府は、報道によりますと、今日でしょうか、関係省庁連絡会議を開くと、このイラン情勢に関して、報道がございますけれども、今の御答弁でありますと、これから検討していくということのようですが、この関係閣僚会議等でも、今申し上げた物流におけます需要抑制策、日本としての現状を踏まえて検討していくということで議題になっていくということでよろしいでしょうか。確認でお願いします。
○政府参考人(岡野まさ子君) お答え申し上げます。
先ほど申し上げましたとおり、私どもとしましては、まずは今の現状についてしっかりと注視した上で、どういったことが必要になるかということを関係省庁と連携しながら検討していきたいというふうに考えてございます。
○西田実仁君 やはり先回りしてどんどんやっていかないと、中小の特に運送会社に関しましては、コストが物すごい上がっていて、今後はもう続けられなくなるぐらいの悲鳴が現場を回っていると聞こえてまいります。余り悠長なことを言っている場合じゃないと思いますけれども、大臣、一言。
○国務大臣(金子恭之君) 今朝、中東情勢に関係する関係閣僚会議がございました。時間が割と短かったんですけれども、それぞれの関係省庁が集まりまして、私どもも、先ほど岡野総括審議官から御説明したと思いますが、その関係閣僚会議を、前からもういろんな対策を検討しております。改めて今日の関係閣僚会議で総理から御指示をいただいたことに対しまして、ありとあらゆる関係で努力をしていきたいというように思っております。
○西田実仁君 是非、先手先手でお願いしたいと思います。
それでは、お手元に資料もお配りしましたが、先日予算委員会でも取り上げました、主に基礎工事などを請け負うとび、土工の事業者に聞いた話を基にお聞きしたいと思います。
本年一月から、旧下請法が改正されまして、いわゆる取適法が施行されました。あわせて、労務費転嫁指針も見直されたわけであります。国を挙げてこうして適正取引を推進している中、一部の住宅メーカーなど元請会社ととび、土工の事業者との間で価格に関する事前協議が一切なく、見積りもなく、着工後に注文書が送られてくるだけというとんでもない取引が常態化しているというふうに聞いております。
資料を見ていただきたいと思います。
これは実際にあったものを個人情報等を排して記載したものでありますけれども、注文書に、一枚目にあります①は七十二万一千七百八十一円、そして②が注文書②で十二万一千八百四十五円で、合わせますと八十四万三千六百二十六円ということになります。これに生コン代の六十三万六千九百六十円を削りますと、二十万六千六百六十六円、③が残るわけであります。しかし、これに右側の諸経費が砕石、ポンプ車等ございまして、これを引きますと最終的には、④十五万五千諸経費で掛かりますので、③から④を引きますと五万一千六百六十六円しか手元に残らないと。これは十一人で二日間で仕事をやったということですから、二十二人工で割りますと一人工は何と二千三百四十八円と。しかも、これに重機代や燃料代等は含まれていないということですから、もう完全に赤字の状態でございます。
なぜこんな仕事を受けたのかというふうに思いますけれども、これまでの商習慣からして、仕事を失いたくないと、あるいは費用がかさんだら後で払うからという口約束ですけれども、これが守られたためしもないと、こういうふうに聞くわけであります。
この注文書を見て、大臣のまず受け止めをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(金子恭之君) 西田委員には、予算委員会も含めて、弱い立場にある受注者の立場に立っていろんなこういう資料を御提示いただいたり、本当に有り難く思っているところでございます。
個別の事案に対してコメントすることは差し控えますが、建設業においては、一般的に受注者より注文者の方が取引上の立場が強く、受注者である建設業者の方から価格協議などを申し出ることが難しい場合もあると承知をしております。特に民民の場合はそういう状況だと思います。
このような状況を踏まえ、建設業法において、建設工事の請負契約の原則として、請負契約の当事者は、対等な立場における合意に基づいて公正な契約を締結をし、信義に従って誠実に履行しなければならない旨を定めているところであり、注文者が一方的に価格を決定し契約することはこの原則に反する行為であると考えております。また、注文者による一方的な価格決定、契約が行われた場合には、受注を強いられた建設業者において技能労働者に適正な水準の賃金を支払うことができなくなり、建設業の担い手確保をより一層困難にするおそれがあります。
このため、昨年十二月に改正建設業法を全面施行し、建設業者は労務費に関する基準を踏まえ適正な労務費等を明示した見積書の作成に努めること、注文者は当該見積書の内容を考慮して契約を締結するよう努めること、注文者は当該見積書において通常必要と認められる労務費等の額を著しく下回るような変更を求めてはならないことなど、労務費の確保と行き渡りに関する新たなルールを導入したところであり、これは注文者に一方的な価格決定の防止にも資するものと考えております。
この改正建設業法に基づく新たなルールも含め、建設業法の規定の趣旨や内容が関係者に十分理解されるよう、その周知徹底に引き続き丁寧に取り組むとともに、御提示いただいたような注文書などの情報も活用して、建設Gメンによる調査、指導を実施する等により、取引の適正化に努めてまいります。
○西田実仁君 この今年一月から施行された取適法では、協議に応じない一方的な代金決定は法律の禁止事項になっているんですね。しかし、建設工事は取適法の適用除外なんですよ。したがって、大臣はさきの予算委員会でも、そうした協議を行うことなく一方的に請負代金の額を決定することは建設業法に基づく監督処分等の対象となり得ると、こう言ってはいますけれども、取適法ではもう法律の禁止事項ですが、残念ながら建設業法では禁止事項にはなっていないんですよ、法律上。
それは、前提がこういうふうになっているんですね。建設業法二十条には、建設業者、今でいえばとび、土工に対して、建設工事の見積書を作成するよう努めなければならない。要するに、努力義務、見積書を作れという努力義務。一方、建設工事の注文者、今の私の例でいえば住宅メーカーになりますけれども、この材料費等記載見積書の内容を考慮するよう努めると。要するに、見積書をとび、土工は作るように努力せよと、そして受ける方はそれを考慮せよと。いずれにしても努力義務なんですよ。ですから、とび側がこれ見積り出していないということだから注文者は考慮しようがないということで、もしかしたらこの監督処分の対象にならないんじゃないかというまず疑念があります。そういうまず立て付けなんですよ。
今回のように、建設業者、とび、しかも小規模、見積りを出す側と、建設工事の注文者、いわゆる住宅メーカー大手、この双方に見積りを出す努力義務とそれを考慮する努力義務を課すことで、取適法が定める協議に応じない一方的な代金決定を規制しようとしているように見えるんですけれども、そうした持って回ったやり方ではなくて、取適法と同様に、協議に応じない一方的な代金決定は法律の禁止行為と業法に規定をすれば、おのずと見積りの作成にも取り組み、工事の注文者も価格に関する協議を行うようになるのではないか。
旧下請法でも、今大臣が答弁したように、長年この協議に応じない一方的な代金決定はよくないとずっと言い続けてきたんですよ。だけど、長年ずっと商習慣があって改まらないから、旧下請法を抜本的に改正をして法律の禁止事項にしたんですよ。それによって、この取適法が目的としている協議をして価格を決めるということが進んできたということがあるんですね。ですから、建設業法においても同様であって、やはり努力義務ではなくて、こういう長年の商習慣の悪弊を改めるためには、実態をよく調査した上でありますけれども、業法をやっぱり改正した方がいいと思うんですよ。
これなぜこうなっているかというと、業法の改正が二〇二四年六月なんですよ。そして、旧下請の改正は二〇二五年の五月だったんですよ。ですから、業法が先に改正して、その後、取適法になったんですよ。という順番もあって、その取適法の改正と完全に平仄が一致していないという事情は理解しますけれども、しかしながら、この協議なしの一方的な代金決定を根絶するには、努力義務ではなくて、業法を改正して、やはりそうした行為は法律の禁止事項なんだというふうに国がしっかりと意思を示さないと改まらないんじゃないかというふうに私は問題意識を持っておりますけれども、大臣は共有していただけますか。
○国務大臣(金子恭之君) 今の西田委員の御指摘はごもっともだと思っております。
建設業においても、一方的に請負代金を決定する行為については請負契約に関し不誠実な行為などに該当し、同法に基づく監督処分等の対象になり得るものとされており、その旨を建設業法令遵守ガイドラインに明記をし、適切に指導等を行っているところであります。また、一方的な請負代金の決定をなくすためには、受注者が注文者に見積書を提出をし、双方で十分に協議の上、請負契約を締結するといった商慣行の普及、定着が不可欠であります。
このため、先ほど申し上げましたとおり、昨年十二月に改正建設業法を全面施行し、注文者は建設業者が作成をした見積書の内容を考慮して契約を締結するよう努めるなどの新たな取引ルールを導入したところでありまして、まずは、引き続き、新たな取引ルールの更なる周知や見積書のひな形の活用促進などに取り組むとともに、法令違反の疑いがある場合には建設Gメンによる調査、指導等を実施するなどにより、取引の適正化に努めてまいります。その上で、委員の問題意識である一方的な請負代金の決定を防ぐことは、私としても必要なことであると認識をしております。
新たな取引ルールは、先ほどお話がありましたように、昨年十二月にスタートしたばかりのところであり、まずはその普及状況等を注視をしていただいて、更なる措置の必要性について関係者の意見も丁寧に伺いながら、引き続き検討を行ってまいります。
○西田実仁君 終わります。