221-参-国土交通委員会-006号 2026年04月23日

○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。
 早速質問に入らせていただきたいと思います。
 今日は、令和五年の公正取引委員会の特別調査によりますと、自動車整備業というのは労務費の転嫁率が最も低い業種の一つとされております。とりわけ、事故車修理を行います車体整備業におきましては、人材確保が大きな課題となっております。人手不足のため全国各所で自動車の整備をしてもらえないという、いわゆる整備難民とも言われますけれども、生まれている状況です。
 魅力ある職場とするためには、まずは賃上げの原資を確保する必要があり、労務費等の転嫁が適切に進められる環境をつくらなければなりません。自動車整備の平均年収というのは、全産業の大体百万円ぐらい低いと、こう言われております。
 この労務費の転嫁を進めるためには、今日お配りをしました、これ国交省の資料でありますけれども、損保会社と車体整備事業者、修理工場の価格交渉、ここで価格を決めていくことになるんですね。これなかなか複雑でして、自動車保険で修理をする場合には、いわゆるこの債務関係、債権債務関係は、ユーザーと損保会社にはありますけれども、損保会社と修理工場にはないんですね、ここに契約関係なしと書いてありますので。
 非常に難しいんですが、ただ、価格交渉は、この損害保険会社、十九事業者と言いますけど、メガ四社であればもう超大企業、そして修理工場は約三万事業者ですけれども、大部分が中小零細、三、四人とか一人二人でやっているところもたくさんございます。そこの交渉によって決めるわけでありますので、なかなかこれ大変だということで、国交省の方にも、交渉に応じてもらえないとか、協定を先延ばしにされてしまうとか、経費を計上してもらえないと、もうこういう声が国交省の方に寄せられていると承知しております。
 この価格は、じゃ、どう決まるかというと、左の下に、一般的な修理工賃の算定方法と書いて、工賃イコール赤の指数掛ける指数対応単価と。つまり、指数というのは、この作業に何分掛かるか、それを割り出して、そして単価というのは、レーバーレートという言い方をしますけれども、大体七千、八千、一万とか、いろいろ地域によって個別交渉で違ってきていますけれども、この掛け算で決まってくるんですね。
 ですから、これ両方とも上げないと工賃は上がらない、工賃上がらなければ賃上げの原資もないと、賃上げの原資がないと人手不足で整備難民がどんどん日本中で生まれてくると、こういう関係にあるわけでございます。
 この指数なんですけど、今言ったこの作業、ボルトを締めるのに何分掛かるとかという指数、これが誰が決めているかということなんですよ。実は、この損害保険会社が出資をする自研センターという株式会社がありまして、要するに損害保険会社の子会社みたいなものです、まあ出資会社ですけどね。そこが指数を決めているんですよ。それを使って修理工場と交渉すると。参考とは言いながら、事実上それが決まっているんですよ。
 ですから、元々超大企業のところと超地方企業のところが交渉するだけでも大変なのに、その指数が超大企業が出資した自研センターで決められている。これ、しかも四十年ぐらい前の数字で、最新の先進自動車とかあるいは新材料とか、そういうものに対応していないと、こう言われていて、実態と全然合わないと。こう言われているところに国交省も目を付けていただいて、この標準作業時間、まあ指数ですね、この調査を令和七年度、国交省は行っていただきました。これ、どう活用するのか。また、国交省には、このいわゆる自研指数、自研センターがつくった指数では到底作業が終えられないと、こういう多くの声も寄せられていると聞きます。
 国交省にお聞きしますが、この標準作業時間の調査の目的、またどのように活用するのか、公表について含めてお聞きしたいと思います。

○政府参考人(石原大君) お答え申し上げます。
 事故車の修理の価格決定に用いられる各修理作業の標準的な作業時間につきましては、今委員の方から御説明ありましたとおり、株式会社自研センターが策定したいわゆる自研指数が幅広く使用されております。
 しかしながら、車体整備事業者より、この指数の時間では終えられない作業があるという声が国土交通省に数多く寄せられているところです。こうした声が寄せられる理由としましては、自研指数というものが、この自研センターが定めた標準的な作業条件及び作業方法を前提につくられているというものでありますけれども、実際のこの修理作業というのはいろいろ様々でありますし、条件も様々というような、こういうところが大きな理由ではないかというふうに推測しております。
 このため、国土交通省では、令和七年度、第三者的立場からこの修理作業の標準的な作業時間を調査したところでございます。この調査結果につきましては、自研センターや車体整備業界と意見交換の上、公表をいたしまして、そして自研センターに対して、この自研指数の改定に活用するよう働きかけてまいります。

○西田実仁君 いつ頃公表しますか。

○政府参考人(石原大君) 遅くとも今年の六月には公表したいと、このように考えております。

○西田実仁君 これ実は、私も随分取り組んできましたけど、今、団体協約というのが、この車体整備の協同組合と損保各社、メガ一社ごとですね、いわゆる団体交渉ですが、中小企業組合法に基づいて認められている独禁法の対象外になる、そういう価格交渉、レーバーレートについてやっているんですよ。今すごく大事な時期なんですよ。この工賃を決めていくには、今言ったように、レーバーレートだけじゃなくて指数も正確に適切にやらなければ意味がありません。
 したがって、もっと早く、何でそんなに時間掛かるんでしょうか。昨年度の事業ですよ、予算付けて。もっと早くできないでしょうか。

○政府参考人(石原大君) 昨年度の調査ということで、先月取りまとめというか調査結果がようやっとまとまったところで、今はその分析などもしておりますので、何とかこの二か月以内、六月中には公表したいと、このように考えております。

○西田実仁君 大臣にお聞きしたいと思うんですけど、これ指数は実態と懸け離れているというので、第三者的に国交省が調べているんですね。実態と余り懸け離れているというんですが、それは形を変えた買いたたきなんですよ。だって、工賃は指数と単価で決まるわけで、単価は今団体交渉しています。指数についてはその団体交渉の対象にはなっていないんです。実際と懸け離れていると、本来は一時間掛かる作業を三十分でできるという指数だと、三十分分ただ働きということになるわけですよ。ですから、買いたたきに直結する、これ大変ゆゆしき事態になります。
 そういう認識を大臣はお持ちかどうか、お聞きしたいと思います。

○国務大臣(金子恭之君) 車体整備業界の様々な現場の声を聞いていただいて、取り組んでいただいております。
 私自身も、今日の質問に当たって、物流・自動車局とこの中身についてお話をさせていただきました。
 この自研指数が仮に実態よりも短い作業時間で設定されている場合には、損害保険会社から車体整備業者に適切な修理代金が支払われないことになるということを今皆さん方に分かっていただいたと思いますし、先ほど局長が答弁したとおり、この調査結果については遅くとも本年六月中には公表したいということでございますが、少しでもスピードアップできないか、更に局長とも協議をしながら、遅くなればなるほど現場にとっては大変なことになるわけでございますので、まあ一か月短くするというのはちょっとあれかもしれませんが、少しでも短縮できるように努力をさせていただきたいというふうに思います。
 この調査については今年度も継続的に実施していく予定でございますので、より有効に活用いただけるように、そして実態を本当に反映できたものでないとこれはおかしいと思っておりますので、何ですか、自研センターですかね、この自研センターの一方的なことではおかしいと私も思いますので、そこはしっかり、今後の在り方も含めて、協議をさせていただきたいと思います。

○西田実仁君 今後の在り方とおっしゃったのであえて申し上げますが、国交省が調査委託したのはテュフという会社なんですよ。これドイツの工数を決める第三者的な機関として位置付けられているんです。
 以前から、この自研センターがそもそも損保会社のほとんど一〇〇%出資会社、そこがやって交渉する、数値をつくることっておかしいわけですよ。やっぱり第三者的に、どっちか一方ではなくて第三者的に、メーカーはメーカーの工数が必要だし、損保会社の言い分も当然あっていいと思います。しかし、現場で働いている人のそういう意見もちゃんと反映されたような、第三者的にこの指数を決めていかないと、適切なその反映というのはどだい無理だと思うんですよ。
 そういう今後の在り方ということで、すぐにはできないのは分かりますよ、いろんな経緯もあるのは分かっていますけれども、しかし、そういう考え方に大臣立っていただいているというふうに今の御答弁をお聞きして思いましたが、それでよろしいでしょうか。

○国務大臣(金子恭之君) これまでの長い間の慣例ということでございますので、どこかでやはり今の問題意識を持って検討しなければいけないということだと私は認識をしておりますので、何ができるか、そのことから含めて局長とも協議をしていきたいというふうに思います。

○西田実仁君 そういう意味では、昨年度から国交省が標準的作業時間を調べると踏み込んだのは非常に大きな一歩だと私も思っています。今まではなかなか、他省庁に気兼ねしてか、やってこなかったところを踏み込んでいただいたと。是非そういう検討を進めていただきたいと。
 もう一つ、残った時間で恐縮ですけれども、この車体整備の業界団体の調査によると、休日日数が年間大体百日ぐらいらしいんですよ。やっぱり、百二十日ないと完全週休二日とか、そういうふうにならないということで、二十日分の休日日数を増やすためには、やはりそれだけ稼働減を補うそれなりの、それこそ指数なりあるいは単価なりが増えないと二十日休みは増やせません。休みが増えないと若い人が入ってこない、若い人が入ってこないと整備難民が増えるという、こういう悪循環になるわけでありまして。
 国交省のいわゆる労賃の転嫁指針というのがあるんですけれども、それに基づくと、この休日日数増というのも工賃単価を引き上げる理由になるんではないかというふうに思われます。消費者物価の上昇のみならず、こうした休日日数の増ということも勘案して価格交渉がなされるべきであるというふうに考えますけれども、いかがでしょうか。

○副大臣(酒井庸行君) 今委員から御質問がございましたけれども、やはりこの業界は大変な労賃が低いということも懸念をされるところでありまして、その意味では、車体整備の業界団体である日本自動車車体整備協同組合連合会が、中小企業等の協同組合法に基づいて、団体協約の締結に向けて今損害保険会社と交渉を進めているということは御承知のとおりだと思います。また、その交渉において、人材確保を目的として整備士の休日の増加に充てる原資としての工賃の単価の増額を、これを求めているということも承知をしております。
 事故車の修理を行う車体整備業は安全な車社会を実現する上で重要な役割を果たしておりますが、人手不足が喫緊の課題であり、処遇、労働環境の改善の必要性は委員御指摘のとおりでございますので、このため、両者において建設的な交渉が進められることを期待しますけれども、日車協連から国土交通省に相談があった場合は、交渉が進捗をするよう丁寧に対応してまいります。

○西田実仁君 最後に大臣にお聞きします。
 団体協約は損保会社と業界団体が交渉していますけれども、これが不調に終わった場合は、この企業協同組合法に基づく団体協約というのは、国交大臣がこの仲介に入るということに立て付け上はなっているんですよ。ですから、今御答弁いただいたことに基づいて休日増ということについて今の御認識を示していただいた以上、団体からの御要望があればという話ですけれども、国交大臣として腹を決めて仲介に入るということでよろしいでしょうか。

○国務大臣(金子恭之君) しかるべく対応させていただきます。

○西田実仁君 じゃ、終わります。