○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。
まず初めに、昨年のこのNHK予算の質疑の場で、NHKアーカイブスの公開番組の拡充と、その学術利用のための利便性向上に向けた取組について質問をさせていただきました。
NHKアーカイブスとは、NHKがこれまでに制作した放送番組などを保存、公開する取組であり、放送文化の発展のために大学などの研究者にも学術的な利用を可能としているところでございます。
昨年の質疑の場では、番組の拡充について、番組公開ライブラリーの利用状況などもよく踏まえながら検討するという御答弁がありました。また、学術利用の利便性向上についても、閲覧範囲や本数、閲覧期間などを現在よりも広げることなどを検討している旨、前向きな御答弁も賜りました。
特に、これまでトライアルとして実施されてきた学術利用については、令和六年度からNHKアーカイブス学術利用としてリニューアルされ、新たなNHKの各部門と連携して研究を進める枠組みも創設されたと承知しております。
そこで、前回質疑の後、NHKアーカイブスにおける公開番組の拡充はどう行われたのか、また、学術利用の枠組みはどのようにリニューアルされ活用されているのか、お聞きします。
○参考人(稲葉延雄君) NHKが保有しております貴重な放送資産を広く視聴者・国民の皆様に還元し、有効に活用することは、公共放送として大切な役割だと強く認識しております。
番組公開ライブラリーは、NHKが過去に放送してきた代表的な番組を無料で視聴いただけるサービスでございまして、一万一千五百六十二本が視聴できる状況にあります。配信設備の老朽化などのため、川口施設以外は二〇二五年三月末で一応終了してございます。
しかし、その一方で、地域放送局等には一万七千本以上の番組を配信しているNHKオンデマンドを無料で御覧いただける広報用視聴端末の設置を新たに進めてございまして、全国四十三か所の放送局、NHK関連施設に設置する予定でございます。
それから、先ほどお話がございました、NHKが保存している番組を大学などの研究者に見てもらい、学術的に利用する方法を検討する学術利用トライアルというのも行ってまいりました。
二〇二四年度から、これまでの積み重ねを踏まえまして、NHKの制作部門等と連携して進める研究などの募集を始めておりまして、今後の成果に期待しているところでございます。
○西田実仁君 今少しお話出ましたNHKオンデマンドにおける赤字解消の後の方針についてお聞きしたいと思います。
NHKがこれまで制作してきた放送番組は、インターネットを通じて有料配信するNHKオンデマンドでも提供されております。このNHKオンデマンドは、利用者の拡充が進んだことから、令和五年度決算において、長年続いた繰越欠損金が解消されました。令和六年度中間決算におきましてもNHKオンデマンドは黒字七億円となっておることから、利用料金の値下げを視野に含め、改めてその在り方を検討すべきではないかと思われます。また、受信契約や受信料支払の有無にかかわらずサービスの利用料が必要となる点は改善の余地があるのではないかとも考えます。
稲葉会長は、会見におきまして、今後の設備投資などもあり、値下げ云々は早過ぎる議論と言われておることは承知しておりますが、では、今後どのような設備投資を行い、どのようなサービスの充実が図られるのか、また、受信契約者に別料金の掛からないNHKプラスとの関係はどのように整理されていくのか、お伺いをいたします。
○参考人(稲葉延雄君) NHKオンデマンドを中心とする有料インターネット活用業務勘定は二〇二三年度に繰越欠損金を解消したばかりでございまして、持続可能で安定的な運営を目指しているという段階だと承知して、思います。
NHKオンデマンドの月額料金なんでございますけれども、これは、市場調査を行い、同業種の価格を参考に民業圧迫とならないように同水準の価格を設定するということになってございますので、その方針の下で価格を決めているということでございます。
NHKオンデマンドのサービスの目的は、国民共有の財産である放送番組を視聴者・国民の皆様に還元するということでございますので、収入はサービスの充実に充てることを基本とするのがよろしいんではないかというふうに考えています。現在、ドキュメンタリーや教養番組など一万七千本以上の番組を配信してございますけれども、より多様なジャンルの番組を配信していくとか、配信システムやユーザーの使い勝手向上のためのインターフェースの改修などのサービス拡充に取り組んでいきたいというふうに思ってございます。
NHKプラスというのは、総合、Eテレの番組を同時配信や一週間の見逃し配信で追加負担なしで見ることができるサービスでございますが、これに対してNHKオンデマンドは、過去のアーカイブを中心に御覧いただけるサービスでございまして、今後も、配信番組の充実を始めとするサービスの拡充に努めて、魅力を高めるという方向で努力をしていきたいと考えてございます。
○西田実仁君 放送センターの建て替え工事についてお伺いをしたいと思います。
この放送センターの建て替え工事については、ドラマ制作の機能を埼玉県の川口施設(仮称)ですが、に集約することとなりました。当初は渋谷と川口にてドラマ制作機能が併存する計画だったと思いますが、なぜ方針を変えたのでしょうか。また、この川口施設にはどのような機能を持たせるお考えでしょうか。地元地域との共存という観点からどういった地域サービスを検討されているのか、また、新センターの制作事務棟の空いたスペースをどのように活用されていくのか、お伺いしたいと思います。
○参考人(稲葉延雄君) 川口施設、現在東棟の建設を進めてございます。二〇二二年に川口施設の当初の計画を変更しまして、西棟を追加で整備し、ドラマ制作機能を集約することとして見直しをいたしました。集約をすることによって制作機能を高めることが可能になるというふうに考えた次第でございます。最高品質のコンテンツ制作拠点として整備する方向で、現在、西棟の計画の更なる見直しを進めてございます。
川口施設は、最新技術を導入してより良い制作機能を整備するほか、職員、スタッフの働きやすい環境づくりも目指すということにしてございます。魅力的で豊かなコンテンツを制作することはもちろん、川口施設を地元の皆様に愛され、NHKへの理解を深めていただく場にしていきたいというふうに考えてございまして、例えば、ドラマ関連のイベントなどを実施できないか検討しているところでございます。
川口施設の見直しと併せまして渋谷の放送センター建て替えについても見直しを進めてございますが、様々な技術革新あるいは業務改革などによってスペースを縮小することも検討しており、まとまり次第公表したいというふうに考えてございます。
○西田実仁君 災害時における情報伝達についてお伺いをいたします。
本年は日本のラジオ放送の開始から百年の節目となります。ラジオは、持ち運びが可能で必要電力も少ないという特徴から、災害の現場における情報伝達手段として大きな効力を発揮しております。実際、昨年一月に発生した令和六年能登半島地震では、停電が続く被災地での情報収集にラジオが重宝されたと認識しております。
一方、NHKは、その音声波を令和八年三月末の再編により一波を削減するとしており、令和七年度予算では、ラジオ放送の全国放送番組費について前年度比一・八億円減少させるとしております。
災害の頻発化、激甚化が進む中、音声波の一波削減が災害時の情報提供に与える影響について、NHKの認識を問いたいと思います。
○参考人(山名啓雄君) お答えいたします。
御指摘のとおり、災害時に命と暮らしを守るため、停電しても使用でき、正確、迅速できめ細かい情報を伝えることができるラジオの果たす役割は極めて大きいというふうに考えております。
音声波の再編後も、新しい新NHK・AMでは、全国を広くカバーする特性を生かしまして、ラジオの災害報道の基幹波としてニュースやライフライン情報を放送してまいります。さらに、地域の状況に応じまして、新NHK・FMでも帰宅困難者向けの情報ですとかライフライン情報などを伝えてまいります。
公共放送としまして、視聴者・国民の皆様の安全、安心、そして命と暮らしを守るということは重要な役割だと認識しておりまして、音声波の再編に当たりましては、こうした点にも十分留意しながら丁寧に進めてまいりたいと考えております。
○西田実仁君 最後に、総務省にお聞きしますが、このラジオ電波の感度状況についてお伺いをいたします。
今から二十三年ほど前の平成十四年には、財団法人電波技術協会によります全国放送受信実態調査がなされました。その報告書を見ますと、辛うじて聞こえる程度の弱い信号や、混信や雑音、電波障害などの品位が低い電波も少なくありません。結果、全国で使用できないとの総合格付になっている地域も多い報告書となっておりました。昨今、太陽光発電の設置が進んでおり、その送配電により電波のノイズが入るようになったとの指摘も聞きます。
万一のときにどこにいても適切に情報を手に入れられる状態にするため、全国規模のラジオ電波の感度状況を再調査する考えはないか、お聞きします。
○政府参考人(豊嶋基暢君) 今お尋ねのありました放送受信障害につきましては、総合通信局におきまして受信相談を今受け付けております。令和五年度におきましては、今委員から御指摘のありました太陽光発電設備が原因と見られる相談というのが七件ございました。これらの相談に対しては、ラジオをその障害源と見られる設備から遠ざけたり、あるいはワイドFMという違う周波数帯を使うということなど、良好に受信するための方法について案内をして対処をしてきているところでございます。
一方で、太陽光発電設備による受信障害、これにつきましては、使用している設備あるいは施工方法が受信障害の要因の一つであるということを承知をしております。このため、まさに原因に対する対策としまして、総務省におきまして、実際施工する業者が障害の原因となる電波のノイズが少ない設備を選んでいただく、あるいは電線から電波が漏れないようにカバーを付けていただく、あるいはそのノイズを低減することができるフィルターを挿入してもらうといった取組を施工業者においてしていただくように、太陽光発電の設置等に関連する団体に対して依頼をしているところでございます。
このような原因に対する直接の取組を通じまして、今後ともラジオ受信障害の解消に努めてまいりたいと考えております。
○西田実仁君 終わります。