177-参-東日本大震災復興特別委員会-005号 2011-06-17

○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。
今回のこの大変な大震災、大災害に遭われました全ての方々のお見舞いを申し上げたいと思います。
これだけ大きな災害でありますので、災害が大きければ大きいほど弱い方々へのしわ寄せも大きくなってくる。特に、子供やまたお年寄り、こうした方々へのしわ寄せが大きくなっているがゆえに、政治はよりそうしたところに手厚くしていかなければならない。しかしながら、残念ながら、それが現実にそうはなっていないということを申し上げなければなりません。
まず、子供を守るという観点から、福島県郡山市等の学校の校庭の表土の扱いについてお尋ねをしたいと思います。
これまで私も現地の小学校等にお邪魔をいたしまして、また郡山市には何度か足を運んで現地からいろんなことをお聞きしておりました。郡山市内のある学校に五月中旬にお邪魔したときのことでありますが、校庭の片隅にうずたかく土が積まれてブルーシートを掛けられた、そういう土が目に飛び込んでまいりました。これは放射線量の高い校庭の表土を削った後の残土がそういう山になっているということでございます。子供たちがこの小山に近づかないように、二メートル四方のところにテープが張ってございました。実際に私もガイガーカウンターを持って表土を、それ見ますと、もう五とか六マイクロシーベルトがある。元々校庭にそれがあったものを削って、その山になっているということでございました。
なぜそうなっているのかというと、この経緯を簡単に申し上げますと、四月の十九日に原子力災害対策本部が校庭の放射線量の暫定基準というのを示しました。その後、しかしそれをどういうふうに除去するのかということは国が示さないものですから、独自に自治体がその表土を削ることによって、子供たちが外に出れるようにという環境を整えようということで努力をされたのが四月の二十七日のことであります。
文科省がこの校庭の表土についてどのように処理するのかということを示したのは五月の十一日なんです。国が方針を示さないものですから、自治体が独自に子供たちのために動いた。その結果、残土ができた。その後ようやく国の方は、五月二十七日になりまして、この線量の低減策を講じた設置者、市に対しまして財政的な支援を行うことを決めたという、そういう経緯であります。
問題は、この削った表土の処分先であります。学校の敷地外に、外に持っていくこともままならず、扱いに困った学校では結局、学校の敷地内に穴を掘ってそこに埋める、いわゆるピット方式を取ることになりました。その作業は徐々に始まっています。しかし、本音はやはり、子供たちが遊ぶ校庭から放射線量の高いその土を外に持っていって処理をしてもらいたい、それが偽らざる気持ちであるというふうに言われております。
枝野官房長官は五月の一日の日の記者会見で、放射線量の高い校庭の表土は放射性廃棄物であるとの見解を示しておりました。しかし、翌日の二日、参議院の災害対策特別委員会におきまして福山官房副長官は、廃棄物かどうかということに対する言及は控えたい、放射性廃棄物を含んだ土壌という表現が適切などと言っております。
この削った校庭の表土は放射性廃棄物に当たるんでしょうか、当たらないんでしょうか、官房長官、お答えください。

○国務大臣(枝野幸男君) 大変恐縮でございますが、私の記者会見での発言について、ちょっと正確に前後のところ確認をしてきておりませんが、いわゆる原子炉等規制法等に規定をされる放射性廃棄物には、法令上は当たりません。
ただ、一般的な言葉として言えば、まさに放射性物質を帯びて、何らかの形で処理をしなければならないものでありますので、私はそういった趣旨で申し上げたつもりでございます。法令上は、現行法ではいわゆる放射性廃棄物に当たらないということでございます。

○西田実仁君 仮に、この放射性廃棄物に当たるかどうか分からないんですが、放射性廃棄物に当たるとした場合でありますけれども、どのような処理になるんでしょうか。
原子炉等規制法の所管である経済産業大臣に、この校庭の表土の扱いに即して答弁を求めます。

○国務大臣(海江田万里君) 校庭の表土についてでございますね。これは環境省が中心になりまして、せんだってその取扱いを決めたところでございますが、私どもは原子力発電所の敷地外のこの放射性物質については原子炉法に規制してございませんが、できる範囲で、これは特に瓦れきなどが中心になろうかと思いますが、できる範囲で専門的な知見を持った人を派遣をして、その処理が本当に環境にこれ以上影響を与えないように万全を期すつもりでございます。

○西田実仁君 放射線障害防止法の所管である文部科学大臣、この表土はどのように扱うべきでしょうか。

○国務大臣(高木義明君) 今、海江田大臣がお答えになりましたけれども、私どもは表土の処理について、いわゆる穴を掘って埋める方法と、それから二十センチ以上、お互いに裏表、天地返しというんでしょうか、そういう方法があることについて一つ示しておりますが、その場合にも、削り取ったものを他のところに持っていくということについては地域や関係者の理解や合意が必要でございますから、その点について我々としては非常に苦慮しておりました。
したがいまして、これから政府部内としましても、この問題については早急に対応すべきものであろうと思っておりますが、私どもとしましては校内における処理を考えております。

○西田実仁君 もう最終的な処理方法については何も述べていないわけであります。
反対に、仮にこれが放射性廃棄物に当たらない場合、どのような処理になるのか、環境大臣にお聞きしたいと思います。

○国務大臣(松本龍君) お答えいたします。
廃棄物処理法においては、放射性廃棄物は定義はされておりません。先ほど言われたとおりであります。
また、土砂及び専ら土地造成の目的となる土砂に準ずるものは廃棄物処理法上の廃棄物として取り扱われておらず、校庭の表土はそもそも廃棄物処理法上の廃棄物には該当しておりません。
したがって、放射性物質に汚染されたおそれのある廃棄物につきましては、今、それぞれ環境省、経済産業省、文部科学省等々で五月二日に検討を開始したところであります。

○西田実仁君 結局、この原子炉等規制法の経済産業大臣も、あるいは放射線障害防止法の所管である文科大臣も、はたまた環境大臣も、結局、この校庭の表土、削った表土、放射線量の高い表土を最終的にどう処理するかということは私の担当ではないとしか言ってないんですよ。何も決めてないということ。ここをどうするのかということが今問われているわけです。
私は官房長官にお聞きしたい。この原子力発電所外で発生する放射性廃棄物の扱いについては、現行法上どのように位置付けられているんでしょうか。

○国務大臣(枝野幸男君) 残念ながら、原子力発電所あるいは原子力事業によって生じたもの以外の放射性を帯びた物の処分、処理等についての根拠となる法律が存在をいたしておりません。そのために、こうしたものの処理についての安全と安心を確保する見地から、原子力災害対策特別措置法に基づく原子力災害対策本部長の指示等を活用することによって当面の対応をするという方針でございまして、既にそうした指針については、先ほども御議論ございました汚泥について、あるいは当面の学校の校庭の表土等についての方針を示しているところでございます。
抜本的には法律を制定をする必要があるというふうに考えてはおります。

○西田実仁君 そうなんです。早くこの法律を作らないと、学校の校庭にある放射線量の高いのはずっとそのままなんですよ。結局、暫定的に校庭に埋めるということしか文科省は言ってないんですよ。最終的にそれを外に取り出してもらいたいというのが偽らざる気持ちという、お子さんを抱えたところはまさにそうです。それを早くやらなきゃいけない。それを各省庁間の調整だけに任せていたんでは、いつまでたっても自分のところは担当じゃない、私はかかわりない、担当じゃない、こういう状態がずっと続いているんですよ。暫定的に埋めることしかやっていない。
まさに、これを決めるのは省庁間の調整だけじゃ駄目なんです。リーダーシップが必要だ。それをやるのは総理大臣でしょう。総理大臣がそこを、あなたのところがやるんだということを、早く法律を作るんだということを指示しなきゃいけない。しかし、辞めようと言っている人が、辞めようということで信任を得た人がリーダーシップを本当に発揮できるんでしょうか。
総理、今るるお話をしました。そういう最終的な、学校の校庭のこの放射線量の高い土壌、この処理、法律がなければ最終的な処理ができない。いつまでにこれを決着を付けるのか、今言えますか。

○内閣総理大臣(菅直人君) 先ほど他の議員からもお話がありましたが、確かにこの分野は法がきちんと対応できる体制になっておりませんので、この間は行政の責任で、あるいは本部長の責任でそれぞれの対応を決めて、やらせていただきました。また、全体としては、今、環境大臣を含めて検討をしていただいていて、必要な立法措置についても検討中であります。

○西田実仁君 全くリーダーシップを発揮しようという気がないですね。
ちょっと時間がないので次の話題に移りますけれども、最近、昨日、今日と新聞報道されておりました、南相馬市の生活保護を受けられている方が義援金を受けているということで、それが収入認定をされて、その結果、生活保護が停止をされているという、そういう事態であります。義援金やあるいは生活支援金、あるいは今回の福島第一原発事故で東京電力からの仮払い補償金、これを収入認定をされたものですから、生活保護を打ち切られた人が約百五十世帯、こういう状態になっているというんですね。
私はこれはおかしいと思いますよ。なぜならば、例えば税の部分、この被災者生活再建支援法の再建支援金、これは非課税ですよ。義援金にしたって非課税です。損害賠償金にしたって基本的には非課税。税の世界ではみんな課税されていないのに、なぜ今回、厚生労働省はこうやって通知を出したんですか。厚労大臣、お答えください。

○国務大臣(細川律夫君) この生活保護を受給している方に対しての義援金あるいは損害賠償の仮払金、これが支払われたときにこれを収入とみなすかどうかと、こういう問題でございますけれども、私どもが考えておりますのは、被災された方々の生活保護の受給者が自立更生をしていく、そのためにどういうお金が掛かるか、費用が掛かるかと、そういうことを考えまして、そういうことに係ることについてはこれはもう当然収入とみなさないと、こういうことで処理をさせていただいているところでございます。
したがって、そういう自立更生のためのいろんな掛かった費用、これについて、更に残った分についてこれは収入として考えまして、そこで生活保護の基準、これの基準以上の収入があれば、これは生活保護を打ち切らざるを得ないと、こういう判断でございます。

○西田実仁君 余りにも冷たいですね。
そもそも、この義援金とかあるいは見舞金の性格を帯びているものをどう使うかなんて、何で一々調べるんですか。おかしいでしょう、だって。見舞金ですから。先ほど申し上げた税の世界においても非課税にしているわけです。
先行きがなかなか見えない、不透明という中で、例えば、じゃ生活必需品がどのぐらい掛かりますかということを、先行きが見えている人が、原発のことも含めてですけれども、自分の計画を立てていくならまだ分かりますよ。しかし、いつ収束するか、どのように収束していくのかも分からないという状況で先行きが見えない今の現状の中で、自分自身の生活必需品がどのぐらい掛かるかなんということを冷静に落ち着いて判断できますか。普通はやはり、そうした見舞金等については、将来何が起きるか分からないから取っておこうと、生活必需品で使うのは少なくしようと、こうやって、まともに真面目に調査に応じたら、ああ、じゃ生活必需品に使う金がないんだから余ったところは全部打切りになりますねと、こういうことになってしまうじゃないですか。
こういう状況の中で、そういう義援金とか見舞金とか、そうした賠償金とかをやはり収入認定するのはおかしいと思いませんか、大臣。

○国務大臣(細川律夫君) ここ二、三日の間に報道されている南相馬市の件だと思いますけれども、そこでは東電からの損害賠償の仮払いが百万円、そして日赤などの義援金が四十万円、合計百四十万の収入があったわけでございます。そういうときに、それではそういう方に対して、それを全く収入外というふうに見るのが公平かどうかという点もやっぱり考えなければならないというふうに思います。
例えば、百万円の貯金が仮にあれば、これは生活保護というものはもらえないところでございます。そうなりますと、低収入者の方々で生活保護をもらっていない方が義援金などで生活をしているときに、一方で、義援金ももらって、そして更に生活保護の給付ももらうということになれば、そこはやはり公平性の問題で考えていかなければならないんじゃないかというふうに思っております。
したがって、私どもは全てを収入というふうに考えているわけではなくて、自立更生のために、ふだんの、普通の生活に戻るためのいろんな費用、これは家財道具にしろ家電にしろ、あるいは通院に使う自動車にしろ、そういうのも全部認めるわけでありますから、そういうのはもう全部収入外ということで判断しておりますから、どうぞそういう点も是非考慮していただきたいというふうに考えております。

○西田実仁君 考え方の問題です。
先ほど申し上げたように、例えば被災者生活再建支援法の中では、この支援金は課税をしないと法律に書いてあるんですよ。その人がどういう収入かとかいうことは関係なく、こうした大きな災害に遭って見舞金として差し上げるものについては課税をしないというのが、これは法律の精神です。立法の精神です。
ところが、今回、厚労大臣が取られたのは、そういうこれまで取ってきたいろんな考え方、どの人がどういう収入でどう使おうかということではなくて、お金の性格としてこういうものは課税をしないんだというふうに言ってきた世界を壊して、それを収入認定するということを取ったということなんです。その重みは大変自覚していただかなければならないというふうに思います。
次に移りますけれども、次に、被災地における介護施設の整備につきまして質問したいと思います。
私もこの福島で、郡山を始めといたしまして、事業所の方々にたくさんお話をお聞きしてまいりました。特に今問題になっているのは、東京電力福島第一原発二十キロ圏内に十四の介護施設があります。その方々が全部避難をされている。特養は五、養護ホームが一、グループホームが五、老健施設が三と。利用者は散り散りに県内外の施設に避難をされておられます。その避難の途中で亡くなられたお年寄りもおられます。ある養護老人ホームから川内村、そして郡山へ避難してくる途中に三人が亡くなっている。郡山に到着した十三人のうち二名も、その後、体調悪化が進み、お亡くなりになっておられます。気心の知れた顔なじみの職員がいないなどが原因とも言われているわけであります。
一方、この避難地域外の受け入れている施設におきましても、受入れによる負担が日々重なってマンパワー不足、サービスは低下しているという状況でございます。
ここに今まとめさせていただきましたけれども、(資料提示)今現状はどうかというと、被災、避難した施設が休業状態、二十キロ圏内は休業状態、環境変化によるストレスによって避難利用者が亡くなっている、今お話し申し上げました。また、介護度は重度化している。さらには、避難利用者の受入れによって避難地域外の既存施設のマンパワー不足、サービスの低下、避難職員がばらばらになっているという状況であります。
これをこのまま放置しておきますと、どういうことが起きてくるのか。既存利用者、避難利用者が更にお亡くなりになってしまったり、あるいは重度化してしまう。既存施設、これまであった施設のデイサービス等の機能が低下してしまう。事態が収束した後、避難施設が再開できなくなってしまうかもしれない。ひいてはこの福島県全体の介護サービスそのものが機能不全になっていく。介護保険は保険契約です。そういう意味では、保険契約そのものが契約不履行ということになってしまうことになるかもしれない。
例えば、本来ユニット型の個室である施設に受け入れて、本人の了解があれば、利用者さんの了解があれば二人でもいいということで、本来は契約はユニット型なんですけれども二人部屋になっているというケースがもうそこらじゅうにあるわけですね。これは緊急避難的として仕方がない。しかし、もう三か月たつんです。厚労省は、介護報酬上の取扱いについてという通知を出しておりますけれども、そこにもこう書いてあるんです。こういう異例な状態が長期的に行われることは適当ではないと。
もう三か月以上たっていて、本来ユニット型の方が、一人で契約をしているのに二人部屋になっていると。声を掛けたくても、職員の方も忙しくて掛けられない。入ってきている方々も大変だし、元々いた方々も大変な不自由をされているという、こういう、しかし、緊急状態だからこれはこれまでは仕方がなかったと思う。しかし、これからもうこれが三か月、四か月、五か月となったら、こういうことをそのまま放置していいのかということになる。これは、地域の人が地域の高齢者の方を見ていくという、この地域ケアそのものが崩壊しかねないという状況にあると思います。それがこの下側の、その結果、地域老人福祉介護、介護保険制度、地域コミュニティーの崩壊ということにもなりかねないという今状況にあるわけであります。
こうした現状について、まず厚労大臣の認識を問います。

○国務大臣(細川律夫君) 西田委員が言われるように、そういう避難をせざるを得なかった、そういう介護の人たち、要介護の人たち、大変本人たちも苦労していると思いますし、それをお世話をする職員の方、事業者の方、そういう方も本当に今疲労こんぱいの状態に来ているのではないかと私どもも心配もいたしております。
それではどういうふうにしていったらいいのかということで、私どもしては考えられるのは、例えば旅館とかあるいはホテルとかそういうところを借り上げて、そちらで介護のサービスをさせていただくと、そういうような方法。あるいは福祉避難所、これは人数的にはそんなに多くは行けないと思いますけれども、そういうところに行っていただくとか、そういう方法を取りながら、是非そういう状況を打開をしてまいりたいというふうに考えております。
また、今後の復興に向かっては、介護施設等の早期の復旧、地域のケア体制の再構築に向けました介護事業者あるいは介護人材の確保ということが必要だと考えておりますし、また、本格的な住宅や公共施設等の復興と併せまして高齢者ケアの体制の復興を図る必要がありまして、その前提といたしまして要介護高齢者等の実情もしっかり把握もしなければというふうに考えておるところでございます。

○西田実仁君 今大臣言われた借り上げで宿泊施設、それがあればこんな苦労しないんですよ。飯舘村のいいたてホームだって、そういうのを探したんです。探したけど見付からないから結局地元に残るって決めたんじゃないですか。
今大臣が言われたことは、じゃ、県内二十キロ圏内にある十四の老人福祉施設、それがそっくりそのまま収まるような宿泊施設、あるいはそうした借り上げられるような施設、見込み立っているんですか。

○国務大臣(細川律夫君) いろいろと自治体とも相談をして、そういうことを早急にというふうに考えて努力はいたしておりますけれども、具体的にどこにどういうふうな形で入居できるような、契約とかいうところまでは、まだ私としては承知をいたしておりません。

○西田実仁君 それじゃ希望がないじゃないですか。何でそんなことを言えるんですか。
さっき申し上げたでしょう。大変な状況になっていて、厚労大臣だってこのままでいいと思っていないって言われたでしょう。見込みがないのに、こういうふうにしています、ああいうふうにしています、でも現実は何にも変わらないというのがこの政権のやり方じゃないですか。
私は、そういう意味では、違う方法、新たな方法も申し上げたいと思います。それは、仮設の特養を造っていく、そういうやり方をここでもう思い切って考えなきゃいけないときに来ていると私は思います。
避難してきた利用者の方も既存の利用者の方も、また職員の方も、いずれにとっても、このままでは地域ケアそのものが、また地域コミュニティーそのものが壊れていってしまう。それを維持していくためにも、私がここで図示をさせていただきましたのは、例えばこの避難十四施設を、福島県の県北、県中、県南、また会津地方、それぞれ仮設特養で四つにまとめて、それを取りまとめるつなぎの社会福祉法人を、例えば県の老施協等に頼んでまとめてもらう、取りまとめてもらう。しかし、これはあくまでもブリッジの社会福祉法人、二十キロ圏内に戻れるときが来たら戻ると、そういう希望がなければ、永遠にそこに移ってというわけではない。しかし、散り散りばらばらになってコミュニティーも壊れてしまって見知らぬ人しかいないところに避難するよりは、ある程度固まってコミュニティーを維持してこうした仮設の特養というのをつくる、こういうふうに決断すれば、今一生懸命探しているかもしれないけれどもなかなか見付からない、そんないいところはなかなかないんですよ。いいたてホームを見たら分かるじゃないですか。
これは、大臣が法令の中で、災害救助法であれば災害救助法の中で、告示行為ですよ、やると決めれば、仮設特養を位置付ければすぐにできることなんですよ。それをやる気はありませんか。

○国務大臣(細川律夫君) 今、西田委員から仮設の特養をつくったらどうかという御提案をいただきました。
確かに一つの御提案、見識だと思いますけれども、仮設建築物であることには変わりはないわけでございますね。そうしますと、特養におきましては高齢者でそして体の自由が利かない寝たきりの方もおられますし、移動が非常になかなか難しい方がございます。もしそういうときに火災などが起こった場合にどうなるかということを考えるということも、これも大変大事なことでございます。
こういう防火、防災の観点からそういうことも考えていかなければならないということ、それから、やはり仮設の建築物でありますからエレベーターとかそういうことも設置もできませんので、そういう意味では平家にしなければいかぬ、そういうときのいろんな問題もあるというようなことで、いろいろ問題点があるということを御指摘をさせていただきたいというふうに思いますが、やはり西田委員が御指摘のような……

○委員長(柳田稔君) 簡潔にお願いします。

○国務大臣(細川律夫君) はい。
大きな問題点を提起されましたことは、私としては重く受け止めて、いろいろと自治体なんかとも相談をさせていただきながら取り組んでまいりたいというふうに思っております。

○国務大臣(松本龍君) 先週の日曜日に孤立化、孤独死、孤立死防止のためのシンポジウムを仙台で開きました。その中で様々な、市町村は例えば応急住宅あるいは仮設の住宅の中に老人の憩いの家を造るだとか、あるいは孤立を防ぐために、コミュニティーを守るために昼飯はみんなで食べましょうという施設を造るとか、それぞれ市町村取り組んでおられるところもあります。
ですから、いろんな様々な取組の中で、そういう要望があればこれからも様々、防災大臣としても考えてまいりたいし、取組をこれから、そこでできたメニューもこれから示していきたいというふうに思っております。

○西田実仁君 今厚労大臣が言われた防火、防災上難しい、あるいはバリアフリーのようなことも難しい、できない理由は幾らでも並べられますよ。やろうと思ったら、そんなの基準をきちんとクリアするものを建てればいいじゃないですか。おかしいですよ、そういう考え方は。やる気がないんでしょう、本当は。
今の現状をどうするのかというようなことを考えて私は提案をさせていただきました。いろんな確かに問題点はあるでしょう。しかし、じゃそれをクリアすれば仮設特養はやれるんですね。お聞きします。

○国務大臣(細川律夫君) 先ほども申し上げましたように、この件については、自治体などとも相談をさせていただいて検討させていただきたいというふうに思います。

○西田実仁君 これ、じゃ例えば、経産大臣に今度お聞きしますけれども、二十キロ圏内の事業者はすぐに戻って事業所を再開するわけにはいかないわけですよ、入れないわけですから。だったら、その施設、土地を、今多分厚労大臣が言っているのは、仮設の特養に災害救助法を位置付けるとお金の問題が出てくるだとか、そういうことでしょう、本当のところは。だったら、二十キロ圏内の施設を東電なら東電が賠償して買い上げる。売り戻し条件付でもいいですよ。いずれ戻れるようになったらそこに戻るという条件で一旦は買い上げて、そしてその資金をもってこういう形のものを自力で造っていく、そういうことも考えていいんじゃないですか、経産大臣。

○国務大臣(海江田万里君) お答えします。
私ども、むしろ仮設の工場というものを造っておりますので、ですから、あと仮設の店舗ですね、これも準備をしておりますので、今委員がおっしゃったような形で土地を買い上げ、借り上げてと言うんですか、そこにもう工場が付いているものをおっしゃっているのか土地だけのことかちょっと分かりませんが、仮設の工場のような形で、これは役所が違いますのでよく協力をしなければいけませんが、そういうもので特養などを造れるんじゃないかなと、話を聞いていて思いました。土地を借り上げとか買上げとかいうことよりも、そっちの方が早いんではないかなというふうに思いました。

○西田実仁君 ちょっと勘違いしているようですけれども、要するに、二十キロ圏内の介護施設とかをもう東電が売り戻し条件付で買い上げて、その資金をもって、その事業者が避難地域外のところで、国がやってくれないんだったら自力でやりましょうという仕組みを取ったらどうでしょうかということをお聞きしているんです。どうですか。

○国務大臣(海江田万里君) ちょっと私、誤解をしておりましたが、ただ、その場合は東電にそういうことを、言うことを聞かせなければいけないわけでございますから、それよりは、私はさっきお話をしたように、仮設の特養を私どもは、私どもの予算では残念ながら仮設の商店、それから仮設の工場しか造れませんが、これは財務当局とも相談をして、そしてやっていただいた方が早いんじゃないかなと思っております。

○西田実仁君 仮設特養を造った方がいいという大臣のお話でした。是非応援団になっていただきたい、こういうふうに思います。
残り時間、我が党の総合経済対策につきまして若干お聞きしたいと思います。
公明党では、先日、この東日本の大震災からの復興と日本経済の再生に向けて総合経済対策、第一弾の位置付けでありますけれども、まとめさせていただきました。一時的な復興需要にとどまらず、雇用を生み出す産業の再生、積極的な公共投資、民間資金の活用などを基本的な考えに据えて具体的な政策提言を行っております。
対策は五つの柱から成っております。
第一に、被災地を中心とした企業の再生支援であります。二重ローン対策に加えて今回の基本法にも盛り込まれております復興特区における投資の即時償却制度や税額控除の創設、さらには法人課税の減免などを提案しております。また、東北被災地のインフラ建設の資金供給を目的として、公的色彩の強い金融機関、東北復興銀行を創設する。融資債権は証券化して民間資金を最大限に活用し、少ない資本金で巨額の融資ができるようにしたいと。
第二に、エネルギー供給制約への対応であります。当面は、電力多消費型経済を見直す。消費者向けの節電エコポイントを創設し、事業所向けには省エネ投資へのインセンティブを付与する。中期的には原発基幹型発電体制の見直し、再生可能エネルギーの導入を促すための減税、投資減税等の拡充を行うというものであります。
ほかに、個人消費の回復に向けた東北方面有料道路の一時無料化、あるいは復興博の開催、日本ブランドの復活、そして国債金利の上昇懸念を払拭するための財政規律の堅持、こうしたことを五つにわたりまして、まず第一弾として公明党の震災後の総合経済対策としてまとめさせていただきました。
今日は、ここで、特にこの復興特区におけます投資の即時償却制度あるいは税額控除についてと、今申し上げた東北のインフラ投資に対して中心的な役割を果たす東北復興銀行、仮称でありますけれども、その構想につきまして、この二つ、野田財務大臣に御所見を賜りたいと思います。

○国務大臣(野田佳彦君) 西田議員にお答えをさせていただきたいと思います。
まず、税制面でのお尋ねでございますけれども、東日本大震災への税制上の第一弾の措置としては、既に法人税については被災企業の手元資金の確保のため、震災損失の繰戻しによる法人税額の還付や被災企業の再建や被災地復興のため、被災代替資産等の特別償却など措置を講じているところでございます。
そのような中で、これから復興支援に向けての本格的な議論が行われることになるかと思います。その中で、六月十四日、御党の震災復興総合経済対策本部がまとめられた震災復興・日本経済再生に向けた総合経済対策の骨子、私も拝見をさせていただきました。これらのこういう御提言を踏まえてこれから各党間の御協議もあるかと思いますが、本格的な総合的な復興支援の中で税制面ではどうしたらいいかということは、そういう議論も踏まえて適切に対応していきたいというふうに思います。
それから、二つ目のお尋ねは、東北振興銀行を創設すべきだという御提起でございますが……(発言する者あり)復興銀行ですよね、東北復興銀行。で、これは、既に被災地の復興支援については、日本政策金融公庫の既存の震災関係の融資制度を大幅に拡充した東日本大震災復興特別貸付けを新たに創設したほか、日本政策投資銀行及び商工中金が危機対応業務を円滑に実施できる体制を確保するなど、既存の政策金融機関等を最大限に今活用しているところでございます。
即効性という意味においては、既存の今申し上げた日本公庫であるとか政投銀であるとか商工中金、最大限フル活用するということがまず私の頭にあります。その上で、中長期的にどうするかについてはこれから検討させていただきたいというふうに思います。

○西田実仁君 是非、この政策投資銀行は確かにこのオールジャパンの投資に対しての政策金融として、この東北の復興ということに関しては、長年、中長期の時間が必要な、そういう復興であろうと思いますので、政策投資銀行は政策投資銀行としての役割をきちんと果たしていただくと。同時に、この復興ということにかけての東北復興銀行というのを検討して、そしてこのインフラ投資に向けて、千年に一度と言われるこの国難に立ち向かっていくという、そういう機能をつくるべきではないかというのが私どもの提言でございます。
もう一つ、最後にお聞きしたいと思っておりますけれども、経産大臣に、節電エコポイントと私どもが提案させていただいている点についてお考えをお聞きしておきたいと思います。
例えば、旧式の冷蔵庫の省エネタイプへの買換えによりまして、東電管内だけでも六十万キロワット程度の需要削減が見込まれるという調査がございます。また、旧式エアコンの買換え促進でも同五十万キロワット程度の需要削減も見込まれるというような調査もございまして、この節電エコポイントというのは有効ではないかというのが私どもの提案であります。
さきに、環境、経済産業、総務の三省によります調査によれば、これまでに行ってまいりましたエコポイントの経済効果というものも五兆円に上ると、こういう発表もございました。
そこで、改めてこの節電エコポイントということについて、経産大臣のお考えをお聞きしたいと思います。

○委員長(柳田稔君) 海江田経済産業大臣、時間だから簡潔に。

○国務大臣(海江田万里君) 短くお答えいたします。
この御意見については私どもも検討してみました。確かに前回、大変効果が上がりました。掛かったお金がおよそ七千億ぐらいですか、六千九百五十億とかいうことで、一件当たりの事務費が比較的掛かるんです。七百円ぐらい掛かるというようなこともありまして、今財政上の余裕もないということもありまして、今、残念ながら、検討いたしましたけれども、これを直ちに行うという状況ではございません。

○委員長(柳田稔君) 西田君、時間ですのでお願いします。

○西田実仁君 はい。
それでは、とにかく日本の復興ということに向けて、公明党、前に進めていくまた政治を行ってまいります。どうもありがとうございました。