Vol.33:2012/04/24 「消費税増税、三つの問題点」 西田まこと通信

 国会ではいよいよ消費税増税法案の審議が始まります。私は、政府が出している消費税増税法案については、以下の三つの点から賛成できません。

第一に、「社会保障と税の一体改革」と言いながら、消費税の使い途としての、年金・医療・介護などの社会保障について、政府はその全体像を示していません。

第二に、20年来のデフレからようやく脱出できそうなこの時に、消費税増税は、景気回復の芽を摘むことになりかねません。

第三に、所得が低い方ほどその負担感が増す、消費税の「逆進性」について、その対策が何も示されていません。

2007年、NHKスペシャルで放映された「ワーキングプア」(朝から晩まで働いても、日々の暮らしもままならない)は、いまも何ら解決されていません。生活の水準が「中」から「下」へ落ち込んだと感じる人が増えています。所得の少ない方々への対策が欠かせません。

私は、日用品への軽減税率や最低賃金の引き上げに加えて、「給付付き税額控除」という、一定の所得を保障する減税を検討すべきと考えます。米国ではクリントン政権時代に5兆円をかけてこの制度を拡充しています。「ワーキングプア」という造語が忘れ去られる日本にしていくために、さらに頑張ります。