185-参-決算委員会-001号 2013年11月25日

○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。
この決算でございまして、その意義というのは、過去のいろんな決算を傾向を見ながら、そしてこれからの予算にいかに反映させていくのかという大変大事な決算審議でございまして、私は、まず、税収の見積りにつきまして今日は御質問させていただきたいと思います。最初のボード、お願いいたします。(資料提示)
二十二年度から二十三、二十四年度と見ていただきますと、当初予算、ちょうどこれは前政権の三年間ということになるわけでありますけれども、当初予算に対しまして法人税の税収がかなり上振れておりまして、三年連続で上振れているという結果になっております。平成二十二年度は三兆百五十億円、そして二十三年度は一兆五千五百八十億円、そして平成二十四年度も約一兆円と、こう法人税収が三年連続で上振れております。そして、今年度におきましても、今の見通しでありますと、やはり法人税収が上振れるのではないかというふうにも見通されております。
もちろん、景気が回復してくるときというのは、こうした法人税収が上振れるということは必ずしもあってはならないことではないわけでありますけれども、しかし、これが三年、四年連続ということになりますと話は変わってくるのではないかというふうに私は思ってございます。
税収の上振れという言い方は、徴税する側からすればそういう言い方になりますけれども、徴税される、納税する立場からしますと、当初よりもより取られたという意味でいえば、見方を変えれば増税になっていると言えなくもないと、こういう状況でございまして、実際、この前政権下の三年間の、平成二十二から二十四年度の税収、法人税の税収上振れ額が一兆八千四百億円、法人所得に対します比率は、一番右側でございますけれども、五・四%ということになります。それだけ法人税が、つまり五%分法人所得に対して上振れているわけですから、五%分法人税を下げることができるという、そういう、過去三年間、前政権下での法人税収の上振れがあるということでございます。
もちろん、歳入歳出ということで、歳出の方は、それ以上は支出できないという縛りはもちろん規範性があります。しかし、歳入の方はあくまでも税収の見積りということでありますので、その歳入まで、徴税する権利があるとか、あるいは徴税しなければならないという義務が発生すると、そういうことではもちろんない。つまり、歳出と違って歳入は規範性がないわけで、あくまでも見積りということであります。これが財政法あるいは憲法で規定していることでございますけれども、しかし、税収そのものを適正に見積もればそれだけ減税のできる余地があるということからすると、余りにも、特に法人税収等が過小見積りということになりますと経済成長の芽を摘んでしまうということにもなりかねないと、こういうことでございます。
そこで、やはり当初予算から決算の税収、特に法人税に関しまして大きく上振れたりする場合については、やはり財務当局からの説明をきちんとしていただく必要が国会に対してあるんではないかと思いますので、この過去の傾向、これだけ上振れが続いてきているということについて、財務大臣から御認識を問いたいと思います。

○国務大臣(麻生太郎君) 初めて決算委員会らしくなってきましたですな、御質問が。
御指摘がありましたように、これは、税収見積りというのは、もう先生言われるまでもなく極めて重大、会社でいえば売上高ということになろうかと思いますが、税収というのはこれは毎年の話でありまして、これに基づいて予算編成を行ってまいりますので、できる限り正確な見積りというものを、予想というものを常に努めなきゃならないと考えております。
ただ、御存じのように、これは法人税に限りませんけれども、法人税を始め税収というのは、時の経済とか市場の動向、また個人や企業の行動によって変化するもので、小幅にいつも常に変化しているわけですけれども、その先行きを正確に見積もるというのはこれ極めて難しいということである点も御理解いただきたいことでありまして、上振れもありましたように下振れもありましたので、いろんな意味で時代、時によって違うと思いますが、いずれにいたしましても、その上で決算というものの税収と見積りとの相違、差につきましては、これはもう必要に応じて説明をしてきているところでありますけれども、いずれにいたしましても、今後とも丁寧にきちっと説明責任を果たしていかなければならないと、私どももそのように考えております。

○西田実仁君 ありがとうございます。
この表にございますように、政府の八月八日に決めました経済再生ケースの場合の税収見積りというのがあります。それをブレークダウンしてまいりますと、法人税収は当初予算で、平成二十九年度で政府試算で十二兆円という数字が出ておるわけであります。しかし、細かくは申し上げませんが、私も同じデータを用いて経常利益を一定の条件を置いて推測をして、繰越欠損金の控除等も勘案をいたしまして、平成二十九年度時点での法人税収を私なりに試算しましたところ、十五兆円ぐらい現時点で推計できるんではないかというふうに私は思っているわけであります。
なぜそう言えるのかということについて、次のボードで御説明をさせていただきたいと思います。
〔委員長退席、理事山谷えり子君着席〕
一言で言うと、日本の企業のダイナミズムというものが、過去いろんな税収見積りをするときの前提を超えてかなり変わってきているのではないか、そこを見落としていけば、今後も税収の上振れというか見通しを大きく見誤ってしまうのではないか、こういう問題意識であります。
このボードを見ていただきますと、まず三つ挙げたいと思いますけれども、まずバブルが崩壊して、その後遺症というものからようやく日本が完治をしてきているということ。つまり、企業は積極経営に移りつつある。さらには、技術革新も起きております。そして、もう一つ加えれば、新興国、これが成長して、世界経済全体が成長してきている。こういう中にあって、日本の企業のダイナミズムというものがもう一度今復活しつつあるということを数値で示させていただきました。
黒い太い線がトレンド線でございますので、売上高対名目GDP比というのがここに来てぐんと上昇傾向にある。つまり、GDPが増えれば増えるほど企業の売上高も増えてきているという。そして、変動費率は、国際商品市況は随分上がりましたけれども、様々な合理化によって下がってきているトレンド線が見えるわけであります。したがって、企業付加価値の対GDP比は上昇に転じている。さらには、その収益から労働分配率も少しずつそこに回していきつつ、売上高経常利益率も上昇トレンドに。さらには、最後、経常利益の対GDP比も上昇にトレンドとしてなっているというのは、つまり成長すればするほど企業の経常利益も増えるようになってきている。経常利益が増えるようになっているということは当然、法人税収も増えるようになってきている。
こういう企業のダイナミズムという、日本企業のダイナミズムをきちんと見据えて税収見積り等をしていくべきではないかというふうに思うわけでありますけれども、重ねて財務大臣に今後の税収予測の考え方についてお聞きしたいと思います。

○国務大臣(麻生太郎君) これは、今言われましたこのトレンドの計数というか、この数字というのは、もう間違いなく、こういった傾向にありますことはもう間違いございません。これはもう非常にはっきりしております。過去のデータ見ましても、これはこういった傾向であるのはもうはっきりしておりますんで。
私どもから見ましても、労働分配率がおっこちてきたのが、やっと最後のところにこれ上がるようになり始めているのもつい最近のことでもありますし、また、いろんな形で経常利益というのがざあっとおっこちていたものが、これ円高もかなりありまして、こういったことになったものがまた上がってきていると、こういった傾向がありますんで、私どもはこういったものを十分に見据えながら税収予測、税収見積りというのを立てていかねばならぬというのはもう御指摘のとおりだと存じます。
ただ、その上で、やっぱり上めに見積もっておいて下に出たときは、結構これは何だいということになって、たたかれるのは財務省ということになりますんで、これはどこの会社でも同じようなもので、おまえ、話が違うじゃないかと言われることにならないようにするためには、これもう堅く堅く見積もっていかざるを得ないというところはちょっと御理解いただけるところだと存じますが。
いずれにしても、私どもとしては、これをきちんとした形で予算を編成するときまでには、この十一月の決算が法人関係いろいろ出ておりますんで、こういったものをきちんと集計した上で、我々としてはもう一押し、改めてもう一回、法人税収というものは、ちょっと個人税収まで参りませんので、法人税収、特に大企業の法人税収傾向等々はきちっと分析した上で、予算の上で反映させていきたいものだと考えております。

○西田実仁君 政府の方が、特に財務省が保守的に数値を見るというのは、これは致し方ないことだというふうに思います。むしろ、そうでなければならないのかもしれません、役割として。
しかし、こういう国会での様々な議論をしていく、生産的に議論していくには、行政府の方も将来推計の予測をそういう意味ではする、試算を行う、これは当然保守的になさることが多いと思いますが、片や立法府の方も、そうした様々な税収だけではありません。年金にせよ、また医療等にせよ、様々なこの将来推計について、国会の方も、立法府の方も、やはりそれなりの独立機関を持った上で将来推計を行っていくということがあって初めて行政府の出される推計と国会の方が出してくる推計とを、いろんな前提がどこがどう違うのか、考え方がどう違うのかということをぶつけ合って、そして、より正確な議論、生産的な議論に資していくということが私は大変大事ではないかというふうに思っているわけであります。
今日は政府の皆さんに対する質問でありますから、国会にそうした将来推計を行う独立機関をということを行政府の方に聞いてもせんないことではあろうかと思います。しかしながら、この国会、立法府にそうした将来推計について独立した機関を置くべきであるというのは実は超党派でずっと勉強をしてきておりまして、今日はそちらに座っておられる林農水大臣もその発起人の一人としてこれまで勉強会等でいろんな御意見をなさってこられました。
〔理事山谷えり子君退席、委員長着席〕
大臣としてではなくて、議員として、こうした立法府の方にも将来推計の独立した機関を置いて、そして行政府の将来推計とをぶつけ合わせていく中で議論を生産的に行っていくという、こういうことについて、もし御所見をお伺いできればお聞かせください。

○国務大臣(林芳正君) ありがとうございます。
農水大臣としてということではなくて、議員としてということで、西田先生とも御一緒に超党派で今年の六月十九日にこの提言をまとめさせていただきました。
今おっしゃったように、保守的に行政府が推計をする、また立法府はそれと別の視点で、まさに今委員がおっしゃっていただいたように、こういう前提を置くと推計がどう変わるかという、前提を変えてみることによって非常に議論が立体的になると、こういういい点があるんではないかと、こういう勉強をさせていただいた上で、議員も御記憶と思いますが、海外でもかなり、アメリカのCBOは有名でございますが、それ以外の、特にイギリスのような議院内閣制の国においてもこういう機関をつくってやはりやってきているという動向がございまして、十か国を超える先進諸国でもこういうものが設置をされていると。それを受けて、OECDの会議においても、いわゆる独立した推計機関、IFI、これに対する諸原則の提案まで行われていると、こういう状況であるというふうに承知をしておりまして、この超党派の勉強会においても、三つの案、すなわち立法府に置く、それから行政府に置く、民間に置いていただく、こういうことについても検討をした結果、やはり立法府が一番検討に適するんではないかと、こういうところまでは来ておりますので、ちょっと今、私、農林水産大臣ということで積極的にこの超党派の勉強会、なかなか時間を割くことができておりませんが、是非、西田委員中心となってこの検討を進めていただいて、立体的な議論を中長期的に責任を持ってやっていけるような体制、こういうものを目指していければと、こういうふうに思っております。

○西田実仁君 ありがとうございます。
ちょっと話をもう一度税収見積りに戻しますけれども、先ほど上振れというお話をしましたが、これは所得税に関しましても、九月までの累計の数値を見ますと、それがそのまま行けば、今、九月時点の累計はプラスたしか五・五%ぐらい前年よりも伸びております。実数値に直しますと、このまま行けば五千億円ぐらいの上振れになる可能性があるというのが現時点、九月、分かっているまでの時点であります。
そこで、一般的に家計に対する支援、来年消費税が引き上げられるということで、なかなか子育ての世代は貯蓄する余裕がない大変に厳しい状況であります。大体住宅ローンが終わって子育ても終わって五十代ぐらいから貯蓄ができても、それまではなかなか難しい。そこに消費税が引き上げられる。消費を下支えをして、そして出生率を引き上げていくということにも資する、そうした意味で、我が党では、先週、児童手当の一か月分の上乗せによってそうした子育て世代の家計を支援していくということが今必要ではないか、こういう提言をまとめて総理に出させていただいたわけでございます。
そうはいっても、なかなかデフレで税収が上がっていかないという状況ではいざ知らず、今申し上げましたように、所得税も今の九月末累計では前年よりも五%以上伸びているという状況。例えば、そういう上振れている部分の一部を使ってでもこうした家計に対する支援、特に子育て世代への支援ということでの児童手当の一か月分の上乗せという我々の提案について、総理から是非前向きな御答弁をいただければと思います。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 新たな経済対策については、甘利大臣を中心に、十二月上旬を目途に今策定を進めているところでございます。
今般、公明党の皆様からいただいた経済対策の申入れにつきましては、しっかりと受け止めた上で対策全体の具体的な内容を検討していきたいと思いますが、その中でも、今例として挙げられました児童手当制度を活用した子育て世帯に対する臨時特別給付措置についてでございますが、確かに今委員がおっしゃったような様々な要件、要件というか、子育て世代にとっては、世帯にとっては様々な、来年の消費税が引き上げられていく中において、生活をしていく上においてなかなかこれは大変だという状況というのは私も理解できるわけでございますが、他の施策との関係も踏まえながらどう対応していくか検討していきたいと、こう考えているところでございます。

○西田実仁君 是非積極的な御対応をいただければというふうに思っております。
次に、地方都市の活性化ということについてお聞きしたいと思います。
一年前に比べますと、景気回復の状況、地方にもようやく景気の様子が変わってきたという声は聞かれるようになりました。しかしながら、百貨店の売上高、これちょっと調べてみたところ、東京二十三区を始め、いわゆる日本国中の十大都市の百貨店の売上げは前年同月比で三%、九月時点でありますけれども、その他のところにつきましては残念ながらまだ一%減という、こういう状況でございます。何とかこのいわゆるアベノミクスを全国津々浦々まで均てんしていくということからしますと、やはり地方都市をいかに元気にしていくのか、活性化していくのかということが大事である、地域発の成長戦略ということを今こそ実行しなければならない、こういうように思っているわけであります。
これから、来年、再来年という短期的な話だけではなくて、中長期的にも人口が減っていく中にあって、どう地方の都市を活性化して元気にしていくのか。そういう町づくり、これを担っておられる太田国交大臣に、今後のこうした地方都市の活性化ということについてどんな施策をお持ちなのか、お聞かせいただきたいと思います。

○西田実仁君 例えば中心市街地の活性化というテーマにつきましては、これまでも随分といろんな施策が打たれてまいりました。旧中活法、中心市街地活性化法は平成十年から十八年、またその後、今、現行の中活法も走っております。しかし、なかなか地方の都市の活性化、シャッター通りがなくなったかと言われるとなかなかそうではないという、こういう状況の中で、中心市街地だけを活性化するのではなかなか限界がある。もうちょっとそのエリアを広げていって、そして、町全体を見渡して町のビジョンというものをつくりつつ、まとまった居住の推進を図っていく。
これは商業だけではなくて、医療とか福祉施設とか、あるいは様々な公共サービスの施設とか、こういうものをなるべくまとまった形にして、いろんなところにネットワークを、コンパクトシティーでありながらそれがネットワークで結ばれているという、今の大臣のビジョンについてはまさにそのとおりであるというふうに私も思ってございます。
しかしながら、こうしたなかなか地方都市の活性化が進まないというのも事実でございまして、各省いろんな施策を何とかしようということで持ってはいますけれども、なかなかそれが有機的に連携されて本当の意味で地方の都市が活性化していくということにつながっていかないというのに最大の問題点があるんだろうと思います。各省は一生懸命やっていますけれども、よくある話といえばよくある話ですけれども、なかなかそれが連携できていかないと。連携という言葉は躍るんですけれども、実際には連携されていないという。
ここにはやはり推進役、エンジンというのはどうしてもこうした町づくりには私は必要ではないかというふうに思っておりまして、それにはやはり一番町づくりに関係をしている、まあいろんな省庁もございますけれども、やはり是非、太田国交大臣にもその推進役、エンジン力としても働いていただかなきゃならないと思っておりますが、その決意をお伺いしたいと思います。

○国務大臣(太田昭宏君) 私も甘利大臣も茂木大臣も一緒になって、まちづくり三法というものの改正とか、そうしたことを十数年やってきました。商店街を活性化させる、中心市街地を活性化させるということは極めて重要ではあるんですが、それ以上に、現段階になりますと、全体的にこの都市をどうするかというパッケージ、そして各省横断的な連携ということが大事だと思います。また、一番大事なのは、実際の町づくりの担い手であります市町村の知恵と意欲、そこをどう出すかということだと思います。
そうした点からいきまして、国交省としても、エリア設定などに関する法制度を設計したり、あるいは予算や税制、金融支援による政策パッケージで重点的に支援をする、こうしたことに努めていきたいというふうに思いますし、各省庁しっかり連携取って、我が省もその軸の一つとなって頑張っていくということが大事だというふうに心得ております。

○西田実仁君 ありがとうございます。
まさにこの地方の都市を活性化しようというときには、もう全ての省庁がある意味でかかわって、そこに向けて力を合わせなければなりません。例えば、福祉施設であれば厚労省でありますし、中心市街地の今のお話ですと経産省でありますし、総務省の定住圏構想もございますし、まさに政府一丸となってこの地方都市の再興を今こそ実施しなければならないというふうに私も考えております。
そのために、我が党も既に今年の五月の段階でも提言をさせていただきましたけれども、連携といっても二つの連携をしなきゃならないというふうに思っておりまして、一つは予算の連携をしっかり取っていかなければならない。つまり、この地方都市という一つのエリアに対しまして各省がいろんな予算を付けるわけでありますけれども、それがまさに有機的な連携していく。
例えば、例えばでありますけれども、経産省が実行している中小企業の革新制度ですね、SBIR制度、これは各省庁、中小企業の研究開発等に予算を付けておりますけれども、それを年度ごとに目標を決めていって中小企業の研究開発を応援していこう、技術革新を応援していこうと、こういう制度でありますけれども、そういう予算の連携というのをしっかり仕組みとしてつくらなければならないんではないか、これが予算の連携ということであります。
もう一つは、やはり法制度面での連携ということであります。かなり成功している地方都市、例えば高松の丸亀商店街とかでも、私もお聞きしましたけれども、もう都市再開発法とか都市再生特別措置法、さらには施設集約化事業とか、あるいは戦略的中心市街地活性化法とか、様々な書類をきちんと整えて初めてそうした制度が利用できる。これはなかなか、そういう人材がいるところはそう多くないわけであります。
ですから、法制度面での連携というところでいえば、例えばどこかの制度を利用すれば他の省庁の制度も相乗りできる、書類を幾つも作らなくてもいいというような、そういう法制度面での、手続面での連携、相乗り、ワンストップサービス、こういうことができるということも必要ではないかと思っているわけでございます。
いずれにいたしましても、そうした予算面での連携とそして法制度面での連携と、これが相まって、まさに政府一丸となって今こそこの地方都市の再興ということについて総理にリーダーシップを発揮いただいて、日本全国津々浦々、本当にアベノミクスで元気になったという、こういう地方都市の再興に向けて指導力を発揮いただきたいと思いますけれども、総理、いかがでございましょうか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま西田委員に示していただいたその百貨店の図は、ある意味では大変分かりやすく我々は今現状を知ることができたと、このように思っております。
十大都市は青でプラスでありますが、他の地方都市は赤でありまして、私の地元も残念ながら赤の方に入っているわけでございますが、そもそも数年間はこの左側の方も赤い、赤に近い状況だったのだろうと。まず、ここまでは、この左側の方は青で結構プラスになるところまでは来たわけでありますから、そこを更に全てが青の地、プラスに変わるように全力を尽くしていきたいと思うわけでありますが、その中において各省がばらばらに予算を取って施策を実施をしていたのでは、地域の活性化には残念ながら結果として空回りしてつながらない危険性が高いわけでございますから、今委員の御指摘のように、先ほど太田大臣が答弁をされたコンパクトシティーをつくっていく上においても、厚生労働省も、そしてあるいは文科省も、そして経産省も、そしてあるいは六次産業化を進めていく農水省も一体となって地方の居住地、そして商業地域を活性化をしていくということも考えていかなければならないと、このように思うところでございます。
今後とも、各関係府省が一体となったそうした施策を実施することによって、地方公共団体や民間の力も引き出しながら地方都市の活性化を図っていかなければならないと、このように考えております。

○西田実仁君 ありがとうございます。
まさに今こそ地方都市の活性化ということを、今度こそという思いで私も全力を挙げていきたいと思っております。
最後のテーマでありますけれども、下請企業支援ということについてお伺いしたいというふうに思います。
復興特別法人税の一年前倒し廃止の議論の際には、三つの条件、財源でありますとか賃上げでありますとか被災地の方々の理解ということと並びまして、下請企業支援ということも経済界に対して訴えていきたいと、こういうお話がございました。
そこで、今現状どうなっているのかということも私も地元でいろいろとお伺いしております。今日そこにお示しをしたのは、地元のある企業での資料を基に作らせていただきました。
これ、なかなか親企業との関係もありまして個別名を挙げるのは難しいわけでありますけれども、例えばという一つの事例にすぎませんけれども、不良率そのものがもう最初から指定されているという、これで言えば、四%というふうに最初から書き込んである、あるいは二%という印刷の部分で書き込んであると。実際はしかし、不良率は成形で二七であったり、あるいは印刷で一六%であるわけですけれども、もう最初から不良率が指定されてしまえば、これはまさに買いたたきにつながることであります。当然、親事業会社にこうしたことも申し上げているわけでありますけれども、なかなかそうはいっても聞いてくれないところがある。全てがそうだとは言いません。むしろ、きちんとこういうことは実際の不良率を使って計算をするというところが多いわけでありますけれども、一部にはこうした大手あるいはその子会社におきまして明らかに法令を遵守していないケースがある、こういう状況でございます。
これを何とかしなければいけないということで、これまでもいろんな予算で公取、また経産省、中小企業庁におかれましても様々御努力をされていることは十分承知はしておりますけれども、しかし、現場で下請中小企業の方が一生懸命働いても、それがなかなか正当な報酬を得られていないというのも実態でございます。
今日は是非総理に、今まで総理が賃上げということでもう大変力強くメッセージを発していただきまして、これまではなかなか聞かれなかったベアという言葉も聞かれるようになってきた、こういう状況であります。この復興特別法人税に関してはこれから十二月に結論を得るわけでありますけれども、是非今日、この下請企業支援ということについて、これもやはり経済界に大いに法令遵守、税金を使わなくてもできる支援としては、まさに正当な利益を下請企業が得られる、そういう法令がしっかり守られるということが大事だと思いますので、総理におかれまして是非、今日はテレビ中継も入っておりますので、下請企業の皆さんが元気になるような、そういう下請企業支援をしっかり法令遵守でやるんだということを大企業に対しても訴えていただきたいと思います。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 我が国の景気は緩やかに回復をしているわけでありますが、下請業者の多くが依然として大変厳しい状況を迫られているのは事実でございまして、このため、親事業者が下請取引の適正化に取り組むことによって下請事業者の利益が確保されて、そして賃金上昇等につながることが極めて重要であると考えています。
十一月は下請取引適正化推進月間となっておりまして、今月二十二日付けで、経済産業大臣及び公正取引委員会委員長の連名で、約二十万社の親事業者に対して下請法の法令遵守の徹底を文書で要請をしたところでございます。さらに、下請代金の減額や買いたたきなど仮に下請法違反のおそれのある行為が行われている場合は、立入検査や改善指導など、安倍政権としては厳正に取締りを行っていく方針でございます。
下請事業者が不利益を受けることがないよう、今後とも積極的にこのような取組を行ってまいる考えでございます。

○西田実仁君 終わります。ありがとうございました。