○西田実仁君 公明党の西田実仁です。
私は、公明党を代表して、総理の所信表明演説に対し、総理並びに関係大臣に質問いたします。
年頭の能登半島地震に加え、被災地では記録的な豪雨も重なり、被害が拡大しています。亡くなられた方々に心からの哀悼の意を表しますとともに、被災された方々に心からお見舞いを申し上げます。
まずは、石破総理の御就任、心からお祝い申し上げます。総理として、持ち味を生かしながら、政治改革を始め、今まで停滞していた政治課題が大いに改善することを期待しています。とりわけ、国民の生活、安全が揺らいでいる時期でもあり、その確保は待ったなしです。そして、人口減少にあっても、AIや自動運転、EVやドローンなど、課題解決のための新技術の開発を大いに支援し、再び技術立国日本を目指してまいりたい。課題あるところに成長ありです。
総理は、明日九日、衆議院を解散し、十五日公示、二十七日投開票の選挙日程を明言されています。今回の総選挙は、政治への信頼回復を本気で実行するのは誰か、どの政党かが問われる選挙です。
公明党と自民党は去る九月三十日に、十八項目の課題に及ぶ新たな連立政権合意を結びました。その第一には政治改革を掲げました。政治に対する本当の信頼回復を図るため、全力で取り組むことを誓い、以下、諸課題について質問をいたします。
まず、政治改革について質問いたします。
さきの通常国会では、公明党の主張を盛り込んだ政治資金規正法の改正が実現し、一定の成果が得られました。
ただ、今年一月に公明党が発表した政治改革ビジョンでは、このほかにも山積する課題を指摘しております。例えば、選挙犯罪により当選無効となった国会議員の歳費等の返納義務付けです。犯罪の被告人として勾留されている期間に歳費などが支払われることも、国民感覚からは遊離しております。
また、調査研究広報滞在費、いわゆる旧文通費の使途の明確化や公開、未使用分の返納の義務付けについては、期限を決めて議論し、遅くとも来年の通常国会までには改正すべきと考えます。
加えて、東京都知事選や衆議院補欠選挙では、公設掲示板や街頭演説などで常識を逸脱する蛮行が起きました。民主主義の根幹である選挙を冒涜するものであり、対処すべきです。
国民の政治への信頼回復のためには、不断の改革に取り組むべきです。自民党総裁でもある総理の答弁を求めます。
物価上昇を上回る賃上げを定着するために、最低賃金を毎年継続的に引き上げ、五年以内に全国平均千五百円の達成を目指すことで、賃上げの勢いを中間所得層に波及させていくことが重要だと考えております。
しかし、中小企業には賃上げは容易なことではありません。賃上げした中小企業の六割以上は、深刻な人手不足による防衛的な賃上げだと答えています。
また、日本商工会議所の調査では、円安が中小企業の業績に大きなデメリットとなっているとの回答が半数を超えております。製造業では、全体の約八割が間接輸出のためメリットは小さく、一方で、直接輸出を拡大する潜在力は大きくても、リソースや情報、ノウハウの不足で生かせていないのが実態です。
さらに、原材料やエネルギー価格の上昇は、輸入依存度の高い内需型産業を直撃しております。物価高による家計負担の増加で消費意欲は減退し、企業の設備投資意欲も低迷するという悪循環に陥っております。
こうした状態の中、中小企業の賃上げ原資を確保するためには、省力化投資への支援の拡大、新規海外展開への後押し、経営課題解決のための人材投資の強化など、幅広い業種のニーズを捉えて、職場環境の改善を含めた生産性向上に向けたきめ細やかな支援策を充実すべきです。総理の答弁を求めます。
昨年、政府は、年収の壁・支援強化パッケージをスタートさせました。賃上げの流れの中、年収百六万円、百三十万円の壁を超えても働き控えとならないよう、労働時間の延長などを行った企業に最大五十万円の支援をするというものです。
人手不足の解消に向けて一定の効果を上げているとの声がある一方で、野村総合研究所の調べによると、年収を一定額以下に抑える、いわゆる就業調整をしている有配偶パート女性の割合は約六割。二年前と変わっておらず、時給の上昇に伴い約二百十万人が更に労働時間を削減する可能性があるとの指摘もあります。
また、総理が言う二〇二〇年代に最低賃金千五百円への引上げを実現すると、年収の壁を踏まえた就業調整を行う人は結果として労働時間の約四割を短縮することになるとの試算もあります。人数換算すると約八十万人のパート労働者が市場から退出するに等しく、更なる労働力不足を引き起こしかねません。
同パッケージの利用がなぜ思うようには進んでいないのか、政府として早急に検証するとともに、年収の壁対策は労働力不足対策、経済対策であることを明確化し、パート労働者等への直接給付も含めた構造的な世帯収入増に向けた施策として制度の見直しに取り組むべきではないでしょうか。年収の壁解消について、総理の見解を伺います。
化石燃料に頼らず、環境負荷の少ないクリーンエネルギー中心の経済、社会へと変革するGX、グリーントランスフォーメーションの取組が全世界的な課題となっております。
脱炭素の推進とともに、エネルギーの安定供給と経済成長を同時に実現するため、政府は昨年末、分野別投資戦略を取りまとめ、積極的な国内投資の拡大を図ってイノベーションを加速化し、国民の所得向上に貢献していくことを目指しております。
具体的には、中小企業を中心とする継続的な省エネ支援、再エネの最大限の導入拡大のほか、国産の持続可能な航空燃料、SAFなど、カーボンリサイクル燃料の研究開発や設備投資、需要創出のための環境整備が重要です。他国に後れを取ることがないよう、国際競争力ある国内産業を育成してまいりたい。
また、廃棄される製品にとどまらず、原材料などの資源を効率的、循環的に有効活用しつつ付加価値を最大化する循環経済、サーキュラーエコノミーへ移行するための環境整備も喫緊の課題です。
政府が策定する長期的視点に立ったGX二〇四〇ビジョンの検討状況と併せて、GXを通じて持続可能な経済成長をどのように実現していくのか、総理の見解を伺います。
一昨年十一月に公明党が発表した子育て応援トータルプランを踏まえ、政府は総額三・六兆円の加速化プランを決定し、さきの国会で関連法案が成立しました。
まずは加速化プランを着実に実行し、子育ての安心につなげるとともに、効果検証を踏まえつつ、更に将来の手を打っていくことも重要です。
先月、公明党は、二〇四〇ビジョンの中間取りまとめを発表し、二〇四〇年を待たずして、二〇三〇年を見据えた加速化プランの後継となるポスト加速化プランの策定を提案をいたしました。
その中では、子供や若者への投資は未来への投資との認識に立って、出産費用の無償化、ゼロ―二歳の保育料無償化を始め、生まれてから社会に巣立つまでトータルの無償化を実現することに加え、低所得の若者に対する支援を強化する新たな仕組みの創設等も提案をしております。
子供、若者の幸せを最優先する社会を実現するため、加速化プランの後継も含めた更なる施策の充実について、総理の見解を伺います。
保育の公定価格の地域区分見直しについて伺います。
これまでも公明党は保育士の処遇改善を一貫して主張し、この十年で二三%アップし、全体としては改善してまいりました。
そうした中、今年八月の人事院勧告により、国家公務員の給与に係る地域手当について、地域ごとの賃金水準格差を是正するため、これまでの市町村ごとの設定を都道府県ごとに広域化するという地域区分の見直しが決定いたしました。
一方、これまで人事院勧告に準拠してきた保育の公定価格の地域区分については、今回の勧告を踏まえると、例えば、東京二十三区と隣接する他県の市町村との間にある賃金格差が広がり、都市部に人手が流れてしまうことが懸念されています。こうした事態を解消するため、政府はどのように対策を講じるのか、総理の答弁を求めます。
公明党は、誰もが安心して子供を産み育てられる社会の実現に向けて様々な取組を進めてきました。
例えば、出産育児一時金は、昨年度から五十万円に増額されました。妊娠期からの伴走型相談支援と十万円相当の経済的支援を一体的に行う出産・子育て応援交付金事業も来年度から恒久化します。
一方、物価や人件費の高騰等の影響により出産費用は上昇傾向にあり、地域によっては、一時金のみでは出産費用に不足も生じています。
政府は現在、出産費用の見える化を進めた上で、二六年度をめどに出産費用の保険適用の導入を検討していますが、最終的には自己負担の伴わない実質無償化を実現すべきです。また、妊産婦を支える医療機関への配慮や支援も必要です。
さらに、妊婦健診の拡充、産後うつを防止するための産後ケア事業の拡充など、妊娠、出産から産後までトータルの支援策を充実させることが妊産婦の負担軽減と安全、安心の確保につながります。
出産費用の実質無償化を始め、妊娠、出産、産後の支援策の強化について、総理の答弁を求めます。
公明党は、教育は子供の幸せのためにあると考えます。そのためには、これまでの一斉授業だけによるみんなが同じ学校教育から、一人一人の子供に光を当てて、自分らしく強みを発揮して輝いていく公教育へと再生しなければなりません。教科等の授業と、探究学習や体験活動などの多様な学びを行き来しながら、子供の個性や特性、様々な背景に応じた柔軟な教育により、学びを個人や社会の幸せの方向へ生かしていける主体的、自律的な子供を育てることが重要です。
既にこうした取組を始めた学校も出てきており、これを全国隅々に広げなければなりません。そのため、授業改善に取り組む学校への支援、GIGAスクール構想の加速化、教育データの分析と活用、地域や専門家等が参画するチーム学校の展開、学習指導要領改訂の検討など、総合的な取組が必要です。
地方創生といっても、そこで人が輝いているか、それが重要です。公教育の再生なくして地方創生は成し得ません。公教育の再生について、総理に伺います。
過日、私の地元の県立高校を視察し、不登校を経験した生徒や一人親家庭、発達障害など、多様な学習歴や生活環境を持った生徒の新たなチャレンジを教職員の皆さんが一丸となってとことん支援されている様子に非常に感銘を受けました。
不登校については、登校しても教室に行きづらい子供たちの居場所や学びの場となるスペシャルサポートルームの成果が出ております。全小中学校への設置に向けては、学習や相談支援を行う支援員の配置が必要です。また、地域においてはフリースクール等への支援が、学校においては発達障害を含むあらゆる子供の特性に着目して発達や学習を支援する専門性のある支援人材の配置も必要ではないでしょうか。
不登校の背景は多様化、複雑化していますが、中には不登校になって初めて発達障害と分かる場合もあります。そこで、五歳児健診等を活用した早期発見、早期支援を始め、ICTを活用した学びの支援、発達障害の診療、支援ができる医療機関のネットワークの構築、家族を含む支援体制など、就学前から切れ目なく、どこに住んでいても安心して支援を受けられる体制の構築が必要です。
子供や保護者、教職員に寄り添った不登校及び発達障害の子供たちへの政治の温かな支援について、総理の考えを伺います。
人生百年時代と言われる中で、健康で生きがいを持って暮らすために、希望する人が働き続けられる社会を築くことが重要です。高齢者一人一人が自らの希望に応じて地域で活躍することは、その人個人のウエルビーイングの向上だけにとどまらず、地域共生社会を支える大きな力となります。高齢者のそれぞれのニーズに合わせた就労を促進するために、シルバー人材センターの充実や高齢者の就労に関するワンストップの相談体制の整備、高齢期に向けたリスキリングの促進等の施策が重要だと考えます。
老後の暮らしに安心感を得るためには、持続可能で安心できる公的年金制度の確立も欠かせません。高齢者の所得保障の充実に向けて、被用者保険の更なる適用拡大を実現するとともに、基礎年金の給付水準の底上げが必要です。また、希望する高齢者が働きやすい環境を整備する意味で、在職老齢年金の見直しも進めるべきです。
高齢者の就労促進と持続可能で安心できる公的年金制度の確立について、総理の見解を伺います。
国立社会保障・人口問題研究所の調査によると、高齢者の独り暮らしの割合は急増し、二〇五〇年には男性が二六・一%、女性が二九・三%に達することが予測されています。家族がいない又は頼れない高齢者が増えている実態を踏まえ、終活を含め、病院や介護施設に入る手続、日用品の買物、葬儀や死後の財産処分等を家族に代わって支援する終身サポート事業について、安心して利用できるようにするべきです。
また、単身高齢者の中には、老朽化による借家の建て替えや配偶者との死別などによって、新たな住まいが必要になる方が少なくありません。一方、孤独死の可能性があるといった懸念から、賃貸住宅において、家主の約七割が高齢者の入居に抵抗があるという調査もあります。低廉な家賃で入居時から退去時まで一貫して支援が受けられる居住サポート住宅の確保など、住まいの支援が必須です。
社会保障の重要な課題である住まい政策も含め、単身、身寄りのない高齢者への支援について、総理の御見解を伺います。
高齢者が元気で自分らしい暮らしを実現できるよう、介護予防の推進も欠かせません。その推進役となるのが高齢者が地域で集まる通いの場です。通いの場は全国に十四万か所以上と広がりを見せていますが、その流れを加速させる必要があります。
公明党が実施した自治体向けアンケート調査でも、独り暮らしの高齢者に求められる支援策として、通いの場や交流の場づくりと回答した自治体が七割を超えました。通いの場が住民にとって身近で魅力ある場となり、より多くの参加につながるよう、一層の取組をお願いしたい。
一方で、介護が必要になっても安心して介護サービスを利用できる体制を整えなければなりません。
厚労省は本年七月、今後必要となる介護職員の推計数について、二〇四〇年度に約五十七万人不足すると発表。介護人材の確保は喫緊の課題です。
全産業平均に及ばない介護職員の賃金アップを始めとして、女性や高齢者、外国人が働きやすい環境を整備するとともに、見守りシステムなどケアテックの振興を含めてデジタル化を強力に進めるなど、あらゆる施策を総動員して人材確保に取り組むべきです。
介護予防の推進と介護人材の確保にどのように取り組むか、総理の答弁を求めます。
認知症になっても安心して暮らせる社会の実現が急がれます。現在、認知症基本法に基づく基本計画案が検討されており、その中で新しい認知症観が打ち出されました。認知症になっても希望を持って自分らしく暮らすことができるという新しい認知症観は、まさに公明党が求めてきた基本法の理念そのものです。この認知症観を全ての根幹に据えて施策を推進していただきたい。
今後、各自治体が推進計画を策定します。認知症当事者や家族の参画を得て実効性ある計画に作り上げるとともに、この認知症観が地域に根付くことが重要です。そのため、国による最大限のバックアップをお願いしたい。
一方、五十歳を過ぎると発症率が高くなり、八十歳までには三人に一人がかかると言われる帯状疱疹。長期間にわたり患者を苦しめることもあることから、公明党は、二〇二二年参議院マニフェストで帯状疱疹ワクチンの定期接種化を掲げ、地方議会においてはワクチン接種に対する公費助成を促進してまいりました。そうした後押しもあり、いよいよ来年四月から定期接種化の流れとなりました。国は、接種費用の十分な予算を確保するとともに、ワクチンの供給体制にも万全を期して円滑な接種をお願いをしたい。
認知症施策の推進並びに帯状疱疹ワクチンの定期接種化について、総理の答弁を求めます。
近年、台風や豪雨による被害が相次ぎ、特に線状降水帯の影響による大規模な水害が頻発しています。線状降水帯の半日前程度の予測について、本年五月には地方単位から都道府県単位に、二〇二九年には次期静止気象衛星が運用開始となり、市区町村単位での予測が可能となる見込みです。
公明党は、一貫して線状降水帯の予測精度向上を推進してきましたが、本年七月には気象観測船凌風丸を視察をいたしました。洋上観測も含めた最新鋭の技術開発とともに、防災気象情報の更なる高度化を強力に進めるべきです。
また、地方公共団体が防災・減災対策に取り組むための緊急防災・減災事業債、緊急自然災害防止対策事業債について、令和七年度までの時限措置となっており、延長すべきと考えます。特に、公明党は、各地で緊急防災・減災事業債を活用し、災害時には避難所にもなる学校体育館へのエアコン設置を強力に推進してきましたが、これから設置を進めるところがまだまだ多いのが現状です。
線状降水帯の予測精度向上と緊急防災・減災事業債の令和七年度以降の延長について、総理並びに国土交通大臣の見解を伺います。
令和六年能登半島地震により、上下水道が甚大な被害を受け、多くの地域で断水が発生しました。また、先月の記録的な大雨により断水した地域もあります。断水地域では、トイレが使用できないなど劣悪な避難生活を余儀なくされ、被災者の生活に深刻な影響を及ぼしました。上下水道の耐震化は、地域住民の生命と生活基盤に直結する重大な課題であり、抜本的に強化すべきです。
政府は、急所となる浄水場などの最重要施設や、避難所、病院などに接続されている上下水道管について、十月までに緊急点検を行い、今年度中に全ての自治体で耐震化計画の策定が進められる予定ですが、こうした取組を通じ、着実に耐震化率を向上させることが重要です。
上下水道の耐震化について、国土交通大臣の見解を伺います。
公明党は、申請書を書かずに手続ができる書かない窓口、自宅でも手続ができる行かない窓口など、住民目線でAIやデジタル技術を活用した行政サービスの向上を訴えてまいりました。
最近では、書かない、行かないに加え、待たない、迷わないなど、行政窓口のフロントヤード改革は各地で着実に進んでおり、利用した住民からは喜びの声が上がっています。
一方、デジタルに不慣れでアクセスできない、行政サービスを知らない、誰に相談したらいいか分からない、認知症等により対応が難しいなど、サービスの利用が困難な高齢者や障害をお持ちの方々などもいらっしゃいます。大事なことは、こうした方々にこそ行政サービスをお届けし、実際に使ってもらうことです。
支援を必要としている方々が何に困っているのか、ニーズを把握するとともに、AIやデジタル技術を活用した行政サービスをどのように普及していくのか、総理の答弁を求めます。
本年、訪日外国人旅行者数は、コロナ前も含めて過去最高ペースで推移し、四―六月期の消費額は約二・一兆円と、四半期として過去最高となりました。政府は、二〇三〇年訪日外国人旅行者数六千万人、消費額十五兆円を目標に掲げていますが、達成に向けた取組を更に強力に推進すべきであると考えます。そのためにも、宿泊業の人手不足に対する支援を強化するとともに、DX化の設備投資や働き方改革等を進め、担い手確保を進めるべきです。
また、外国人延べ宿泊者数の約七割が三大都市圏に集中しており、地方への誘客促進も重要です。さらに、一部の地域、時期に偏在するオーバーツーリズムを未然に防止する取組も求められています。加えて、航空便の回復、グランドハンドリングや保安体制の強化、二次交通の確保による観光地へのアクセス向上など、受入れ環境の整備も進める必要があります。持続可能な観光立国の推進について、国土交通大臣の見解を伺います。
来月、米国では大統領選挙が行われ、新大統領が誕生します。できるだけ早期に首脳会談を行い、揺るぎない日米同盟のきずなを更に深化をさせていただきたい。
日米両国は、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を先頭に立ってリードする立場にあります。北朝鮮によるミサイル発射や中国による対外的な姿勢や軍事動向は、日本だけでなく、国際社会の平和と安定にとっても、これまでにない最大の戦略的な挑戦をもたらしています。
また、サイバーセキュリティーや経済安全保障、AI、量子、半導体などといった次世代の新興技術の発展において、さらには宇宙分野でも日米両国が世界をリードしていくことが重要と考えます。
加えて、ASEAN関連首脳会議、来月のCOP29やG20首脳会合、APEC首脳会議など、国際舞台で日本の存在感を示すとともに、世界各国との信頼醸成につなげていただきたい。日米同盟の強化や、世界各国との信頼醸成をどのように深化させていかれるのか、総理の答弁を求めます。
最後に一言申し上げます。
公明党は十一月に結党六十年を迎えます。この大きな節目に幹事長の任を拝命し、公明党議員として改めて身の引き締まる思いです。
大衆とともにとの立党精神を胸に、全国の公明党の地方議員とともに力を合わせ、これまで以上に政策を練り上げ、政治を前に推し進めてまいりたい。今後も連立政権を支え、衆望に応えることをお誓いし、代表質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔内閣総理大臣石破茂君登壇、拍手〕
○内閣総理大臣(石破茂君) 公明党幹事長、西田実仁議員の御質問にお答えをいたします。
まず、政治改革についてお尋ねを頂戴をいたしました。
国民の政治に対する信頼を確立するためにも、不断の政治改革は重要であります。御指摘の当選無効となった議員の歳費返納等の義務付け及び調査研究広報滞在費の使途の明確化、使途の公開、未使用分の国庫返納につきましては、我が党と御党との連立政権合意書にも取り組むべき課題として明記されているものであり、我が党としても結論を得るべく力を尽くしてまいります。
また、公職選挙法改正につきましては、与野党による議論が行われておるものと承知をしており、政府としてその議論の状況を注視してまいります。
中小企業の持続可能な賃上げに向けた支援策についてのお尋ねがございました。
物価上昇を上回る賃上げを実施、実現するためには、中小企業が賃上げの原資を確保できるようになることが重要であります。このため、構造的な人手不足に対応できる中小企業の省力化投資への支援や価格転嫁の状況の公表、下請Gメンの体制充実などの価格転嫁対策など、様々な施策を組み合わせ、中小企業の持続的な賃上げに向けた環境整備を行い、賃上げと投資が牽引する成長型経済を実現してまいります。
いわゆる年収の壁への対応についてであります。
社会保険の適用に関するいわゆる年収の壁に対し、当面の対応策として取りまとめた年収の壁・支援強化パッケージの助成措置については、今年八月末時点で合計で約二十七万人の労働者への活用が予定されております。パッケージの活用は着実に行われているものと考えておりますが、今後、更なる周知などの取組を進めてまいります。
その上で、労働力不足が指摘される中、就業調整を行っている労働者が希望に応じて働くことができるよう、制度的な対応として被用者保険の更なる適用拡大などに取り組むことといたしております。なお、パート労働者等への直接給付につきましては、随時変動する所得をどのように把握し給付するのかといった課題もあると考えております。
現在、次期年金制度改正に向けて制度的な対応を含む議論を行っておるところでありますが、働き方に中立的な制度の構築に向け、今後も関係者の御意見を伺いながら、引き続き丁寧に議論をいたしてまいります。
グリーントランスフォーメーションを通じた持続可能な経済成長の実現についてお尋ねがありました。
AI時代の電力需要の激増が見込まれる中、安定供給、経済成長、脱炭素の同時実現を目指すGXの取組を加速させ、脱炭素化を進めながらエネルギー自給率を抜本的に高めるため、最適なエネルギーミックスを実現し、日本経済をエネルギー制約から守り抜きます。
また、資源の効率的、循環的な利用と利用価値の最大化を図る循環経済への移行も喫緊の課題であります。この分野を含め、GX経済移行債を活用した大胆な設備投資や技術開発を進めております。
こうしたGXの取組を加速していくため、GX二〇四〇ビジョンの策定にスピード感を持って取り組んでまいります。
子育て支援の充実についてお尋ねをいただきました。
少子化とその結果生ずる人口減少は、国の根幹に関わる課題、言わば静かな有事であります。このため、子育て世帯の意見に十分に耳を傾け、今の子育て世帯に続く若者が増えるよう、昨年末に取りまとめたこども未来戦略の加速化プランを着実に実施し、子育て支援に全力を挙げてまいります。
この加速化プランには、児童手当の抜本的拡充、高等教育費の負担軽減など、長年指摘をされながら実現することができなかった施策を数多く盛り込んでおります。子育て政策の更なる充実につきましては、加速化プランの効果の検証を行いながら、社会全体でどう支えるかを含め、更に検討すべき課題と考えております。
その上で、少子化をめぐる状況は地域によって異なっており、婚姻率が低い県は人口減少率も高いという状況になっております。若者、女性に選ばれる地方、多様性のある地域分散型社会をつくるため、全力で取り組んでまいります。
保育の公定価格の地域区分についてであります。
保育の公定価格の地域区分につきましては、公務員の地域手当における地域区分に準拠することを基本としながら、ほかの社会保障分野の制度との整合性を踏まえて改正をしてきておるところであります。
本年八月に示された令和六年人事院勧告を踏まえた保育の地域区分の対応につきましては、都道府県単位に広域化することで県内の隣接する市町村との不均衡の解消が図られる一方で、一部では県外の隣接する市町村との差が現行よりも拡大することを踏まえつつ、自治体を始めとする関係者の御意見を伺い、ほかの社会保障分野の動向なども見ながら、引き続き丁寧に議論を進めてまいります。
妊娠、出産、産後の支援策の強化についてお尋ねを頂戴いたしました。
昨年十二月に閣議決定されたこども未来戦略を踏まえ、妊婦の方々が安全、安心に出産できる環境整備に向けて、妊娠時から出産、産後に向けた総合的な支援を更に強化することとしております。
出産時の経済的負担につきましては、保険適用の導入を含め、出産の標準的な費用について妊婦の方に自己負担が生じないよう検討し、成案を得てまいります。
また、こうした支援策の強化について、若者や子育て世帯の意見に十分に耳を傾け、妊婦健診の公費負担の推進や産後ケアの体制整備、地域の周産期医療提供体制の確保に取り組んでまいります。
公教育の再生についてお尋ねがありました。
人づくりこそ国づくり。御指摘のように、この考え方の下、デジタル技術の活用を前提に、自ら考え、自由に人生を設計することができる能力の育成を目指します。
議員の御指摘も踏まえ、教師のみに負担させるのではなく、多様な支援スタッフ等が協働してきめ細かく教育に関わるチーム学校の考え方の下、柔軟な教育課程の実現に向けた取組、教育データの利活用促進、GIGAスクール構想の更なる推進など、公教育の再生に全力を挙げてまいります。
不登校、発達障害のある子供への支援についてのお尋ねを頂戴をいたしました。
不登校、発達障害児への支援につきましては、教師のみに負担させるのではなく、専門スタッフによる教育相談や校内教育支援センターの設置促進など、多様な学びの場の活用等による対策を進めてまいります。その際、きめ細やかな指導体制の構築や、教育委員会、学校、福祉部局等が連携した就学前からの早期支援などの取組を進めてまいります。
高齢者の就労促進と公的年金制度の改正についてお尋ねがありました。
高齢者の就労促進については、企業における雇用・就業機会の確保やシルバー人材センターによる多様な就業機会の提供に取り組むほか、ハローワークにおける再就職支援やキャリアプランの再設計の支援に取り組みます。
公的年金制度につきましては、被用者保険の適用拡大や在職老齢年金制度の見直しなどを通じた働き方に中立的な制度の構築や、所得保障・再分配機能の強化を図る観点からの基礎年金水準の確保などについて、年末に向けて制度見直しの議論を進めてまいります。
単身、身寄りのない高齢者への支援についてのお尋ねを頂戴をいたしました。
高齢者の単身世帯の増加が見込まれる中で、身寄りのない高齢者などを地域で支え合う仕組みづくりが必要であります。このため、本年六月に、単身等の高齢者が各種契約を行う際の身元保証や日常生活の支援などを行う終身サポート事業について事業者向けのガイドラインを策定しており、これを周知し、事業の適正な運営を確保してまいります。
また、本年の法改正により日常の安否確認や福祉サービスへのつなぎなどを行う居住サポート住宅を創設しており、これを積極的に活用していくなど、身寄りのない高齢者が地域において安心して暮らせる社会づくりを進めてまいります。
介護予防の推進と介護人材確保についてお尋ねがありました。
介護予防の推進のため、地域の高齢者主体の通いの場の取組を展開しております。引き続き好事例の周知などにより自治体の取組を支援してまいります。
また、介護人材の確保につきましては、処遇改善を始め、ICTなどを活用した現場の負担軽減や外国人介護人材の受入れ環境整備など、総合的な対策を推進してまいります。
認知症施策の推進及び帯状疱疹ワクチンの定期接種化についてお尋ねを頂戴をいたしました。
昨年成立した認知症基本法に基づき、現在、政府において認知症施策推進基本計画の策定を進めております。策定に当たりましては、西田議員御指摘の新しい認知症観に基づき、認知症の方や御家族の意見を丁寧に聞きながら進めてまいりますとともに、今後、地方自治体が計画を策定する際にも、意見を伺うための経費などに必要な支援を行ってまいります。
帯状疱疹につきましては、加齢に伴い罹患率が高くなるほか、合併症の影響もあると承知をいたしており、高齢化が進む我が国において対応することが必要な疾患であります。現在、このワクチンの定期接種化について検討いたしており、最新の科学的知見や費用対効果、供給体制等の様々な論点について、厚生労働省の審議会におきまして更に専門的な見地から議論をしていただくことといたしております。
緊急防災・減災事業債の延長についてお尋ねがありました。
指定避難所における空調の整備などに活用できる緊急防災・減災事業債等の事業期間については、防災・減災、国土強靱化のための五か年加速化対策を踏まえ、令和三年度から令和七年度までの五年間といたしております。
令和八年度以降の在り方につきましては、現在策定に取りかかった国土強靱化実施中期計画の状況や地方団体の実情なども踏まえ、適切に検討していくこととしておりますが、議員御指摘のとおり、引き続き自治体による学校体育館への空調設置が速やかに進むよう必要な支援を講じていくことは重要であると認識をいたしております。
AIやデジタル技術を活用した行政サービスについてお尋ねがありました。
御指摘のとおり、こうしたサービスの利用が困難な高齢者や障害をお持ちの方々に対し、丁寧に支援を行い、実際に使っていただけるように対応することが重要であります。
例えば、デジタルサービスに不慣れな方を支援できる知識を持った方々をデジタル推進委員に任命し、老人ホームなどで使い方を説明するといった取組を進めてまいります。
日米同盟強化及び世界各国との信頼醸成についてお尋ねをいただきました。
日米同盟は、日本外交・安全保障の基軸であり、インド太平洋地域と国際社会の平和と繁栄の基盤であります。まずは、この同盟の抑止力、対処力を一層強化いたします。
加えて、同志国との連携強化に取り組んでまいります。就任後、バイデン米国大統領に加え、韓国、豪州との首脳電話会談を行ったほか、G7首脳電話会議に参加をいたしました。
ASEAN、グローバルサウスとの連携強化にも努めてまいります。今月十日、十一日には、ASEAN関係首脳会議出席のため、ラオスを訪問をいたします。
今後も、各国首脳との会談を重ねるなど、私自ら積極的な首脳外交を展開をしてまいります。
残余の質問につきましては、関係大臣から答弁をいたさせます。(拍手)
〔国務大臣斉藤鉄夫君登壇、拍手〕
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 西田実仁議員にお答えいたします。
まず、線状降水帯の予測精度向上についてお尋ねがありました。
国土交通省では、甚大な被害をもたらす線状降水帯の予測精度向上に向け、観測や予測の技術の高度化を進めております。
具体的には、本年に運用を開始した新型の海洋気象観測船や、令和十一年度に運用開始予定の次期静止気象衛星「ひまわり」などによる線状降水帯の原因となる水蒸気の観測の強化、スーパーコンピューターなどを活用した予測技術の高度化などでございます。これらにより、防災気象情報の更なる高度化を進め、台風や豪雨による被害から国民の生命、財産を守るよう全力を尽くしてまいります。
次に、上下水道の耐震化についてお尋ねがありました。
上下水道は国民の生命や暮らしを支えるインフラです。特に、令和六年能登半島地震では、浄水場や下水処理場など上下水道システムの急所、すなわちその施設が機能を失えばシステム全体が機能を失う最重要施設や、避難所など重要施設に接続する管路の耐震化の重要性が改めて明らかになったところです。
このため、これらの施設について耐震化状況の緊急点検を行うとともに、全ての自治体での上下水道耐震化計画の策定を促しているところです。上下水道の耐震化を計画的、集中的に進めることにより、強靱で持続可能な上下水道システムの構築を図ってまいります。
次に、持続可能な観光立国の推進についてお尋ねがありました。
観光は成長戦略の柱、地域活性化の切り札です。国民生活の安定、向上や国際相互理解の増進にも寄与するなど、極めて重要なものと考えております。
二〇二四年のインバウンドは、旅行者数、消費額が共に過去最高ペースで推移しており、非常に好調である一方、宿泊産業などにおける人手不足、インバウンドの三大都市圏への偏在傾向など、様々な観点で課題があると認識しております。
このため、国土交通省としては、業務の効率化や省力化に資する設備投資への支援、地方部での滞在を促進するためのコンテンツ造成、オーバーツーリズムの未然防止、抑制に向けた取組の支援、航空分野における人材の育成、確保、交通空白解消の取組による観光の足の確保などを進め、持続可能な観光立国の推進に向けて全力で取り組んでまいります。(拍手)