186-参-災害対策特別委員会-003号 2014年03月12日

○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。
早速質問に入らせていただきたいと思います。
今回の視察、大変多くの方に御協力をいただきまして、御礼を申し上げたいと思います。
この視察で異口同音に皆さんがおっしゃっていたことというのは、これまで想定もしなかったところにこれだけの大きな雪が降って大変な被害になったということでございまして、私も地元が埼玉なものですから、特に埼玉の県北地域には、秩父も含めまして、いまだかつてない大雪によって多くの被害に遭われた方が今もいらっしゃいます。
こうしたこれまで余り降らなかった地域で大雪が降ったというのは、これは地球環境の変化なのか、その原因等についてもまだ分からない面も多いかと思いますけれども、いずれにいたしましても、こういう特に雪に関して想定をしてこなかったような大雪が今回降ったわけでありますので、来年以降も絶対に降らないということでもないんだろうと思いますし、今回のことを踏まえましてどういうことを教訓として学び対策を取るのか、まず大臣に大きな話としてお聞きしたいと思います。

○国務大臣(古屋圭司君) 委員御指摘のように、この三年間、豪雪、続きましたよね。これ極めて異例ですよね、異常と言ったらいいかもしれないですね。そういうことで、やはり過去のそういった災害の履歴というんですかね、こういったものにとらわれずに、やっぱり柔軟な発想であらゆる対策を想定して対応していく必要があると思いますね。
やはり、具体的には、例えば気象情報であるとか河川の水位の情報、あるいは災害に関するあらゆる情報がございますので、そういったものをしっかり自ら前広に収集をしていくという努力、あるいはそういった情報に基づいて地方公共団体の首長さんが適切に避難勧告あるいは避難指示を出していただくこと、それからもう一つ、障害者とかいわゆる要配慮者をしっかり把握をした上で、その適切な避難の方法についてもあらかじめ考えておく、こういったことを平時から訓練も含めて対応していく必要があるというふうに思います。こういったことがいざというときに役に立ちますね。
昨年、災対法を改正しましたけれども、この中に、過去の災害の教訓を踏まえまして、避難勧告等の判断・伝達マニュアル作成ガイドラインの改正作業を進めておりまして、本年度末には完成をいたしますので、こういったガイドラインに従って市町村等の対応に反映をしていっていただきたいというふうに思います。
先ほど申し上げましたように、空振りを恐れずに首長さんが避難勧告を出すとか、そういったことも極めて重要な要素になるのではないでしょうか。

○西田実仁君 ありがとうございます。
個別の問題をちょっと立ち入ってお聞きしたいと思いますが、まず今回のハウス農家の被災について様々な施策を大変に的確に、また素早く出していただいたというふうに私も思っております。
ただ、私の地元でも、ハウス農家をやっている二代目また三代目で大変に営農意欲のある方々のしっかりとしたハウスが随分被害に遭っているというのが現実であります。現金収入がもう途絶えてしまっているという現状、また、撤去し再建しようと思っても、業者の方はなかなかその手配ができないということで、それを待っていれば下手すれば二年も三年も掛かってしまうのではないかという懸念、こういうことから、若くて二代目、三代目は元気ですから、自らがグループなりあるいは組合をつくって、そして仲間内のお互いの撤去をし再建をしていくというような、そういう仕組みを何とかつくりたいということで動き始めている人たちがいらっしゃいます。
このハウス撤去を十分の十ということで、実質的に農家の方の負担はないわけでありますけれども、この適用要件がいま一つはっきりしませんで、個別の説明会はこれから今週にもあると私も地元で聞いておりますけれども、例えばこれは外部の事業者に委託しなければならないという定めがあるのではないかと思われますけれども、これが外部の事業者というのはどういう定義になるのか。
つまり、自らが自らのものをやるのは自力撤去、これは当然そうなんですけれども、そうではなくて、グループなりを成してそして一つの事業体をつくって、そしてそれを自分たちの仲間内の撤去等をやるというのは、これは外部事業者に当たるのではないかというふうに思っているわけでありますけれども、こうした定義ですね、外部事業者の定義。
また、外部委託ということが要件となっているようでありますけれども、私が申し上げたような例も是非その対象に含めていただきたいということで、農水省にお聞きしたいと思います。

○政府参考人(高橋洋君) 倒壊した農業用ハウスの撤去についてはいろんなパターンで単価を示しています。四つのパターンをお示ししておりますが、その中の三つは作業を外注した場合の定額助成の単価ということでお示しをしております。ただ、この場合の外注先については専門の業者に限るということではなくて、農業者で構成するグループが作業代金を受け取って撤去の作業を請け負うと、それによって専門の業者がなさった場合と同じようにその撤去という成果をきちっと上げられるということであれば、それも業者に外注した場合の単価と同じ単価で助成の対象にするということにしております。

○西田実仁君 ありがとうございます。是非そうした場合の要件をこれから個別の説明会等で、そうした意欲を持っている方はたくさんいらっしゃいますので、お示しをいただければというふうに思います。
次に、今回の雪害ではハウス農家に大変光が当たりまして、いろんな助成というものがなされておりますが、実は林業について私は取り上げたいと思っております。
林業は、これからいろんな被害の実態も見えてくるんだろうと思いますけれども、今、国を挙げて国産材、これを何とか自給率を高めていこうということでありますし、また、たまたま今日、農水大臣にお聞きしましたが、本年五月には農水省が後援をして「WOOD JOB!」という映画が何か始まるということで、林業をテーマにした、木づかい運動とか、木を使うことが森を守るというコンセプトで、三浦しをんさん原作の小説を映画化するということで聞いておりますけれども、こういう意味で、この国産材をとにかく一生懸命支援しようと、こういう国家としての目標を立てている中にあって、今回随分製材工場が実は天井崩落という形で被害に遭っているケースがございます。
御案内のとおり、製材というのは大きな木を加工したりするということで、工場のスペースは大変広くなければならないということから、柱のない工場というのが大変に多いわけでございまして、多くの工場は橋梁メーカー等に、真ん中に空間のある、そういう構造物を造るために橋梁メーカーに依頼をして工場を造っているケースがあるわけであります。そういう意味では、天井崩落をする可能性の高いというか、構造物としてはもちろん基準を満たしているわけでありますけれども、今回の想定外の大雪で天井が崩落してしまっているというケースがあります。
私が申し上げたいのは、こういう林業関連ですね、キノコとかあるいは森林そのものの被害ももちろんありますけれども、木材の流通加工施設に対する支援というものがいま一つ見えてこない、是非してもらいたいということでございます。
撤去につきましても自力で行って、自力というか外注しますけれども、大変な被害になりますし、それを再建するにしても大変な金額を要するわけでございまして、今そこで働いている方々にはお暇を取ってもらって、しかし仕事がないわけですから、どこか他社で働くしかないわけで、私の知っているところなんかではミカンむきを内職でやって何とか日銭を稼いでいるというか、足しにしているという状況。
こういったところも、ハウス農家であれば他の農業法人で働くと、今その雇い入れたところに支援がありますけれども、こういう製材工場、今同じような状況にもかかわらず全く支援がありません。撤去費用の支援も今のところありません。
そういう林業関係、特に木材流通加工施設を始めといたしました林業関連への今回の雪害による支援というものについて、農水省、林野庁にお聞きしたいと思います。

○政府参考人(宮原章人君) この冬の大雪による災害ですけれども、木材加工流通施設につきましては、山梨県、埼玉県を始めとして七県で百十五か所、災害が確認されております。木材加工流通施設におきましては、製材工場の工場建屋、それから製品保管庫等が大雪によりまして倒壊、破損しているというようなケースもございまして、被害額は約十五億円に上っているというところでございます。
被害を受けました木材加工流通施設に対する支援につきましては、日本政策金融公庫の農林漁業施設資金により、撤去を含む施設の復旧に必要な資金について負担額の八〇%を限度に融通が行われるということのほか、森林整備加速化・林業再生事業によりまして、二分の一を上限に新たな加工施設等の整備に対して支援を行うことが可能となっているところでございます。
また、先生御指摘の雇用の確保でございますが、林野庁といたしましては、まずは製材工場の早期の経営再開を図ることが何より重要であるというふうに考えておりまして、被災されました製材工場の早期再建に向けて、県や市町村とも連携してきめ細かな対応を図ってまいりたいというふうに考えているところでございます。

○西田実仁君 今のお話は融資をするというお話だと思いますけれども、まず撤去費用の支援というものは基本的にはハウス農家のようにはないということではないかと思うんですね。それは私はすべきであるというふうに思います。
十五億という被害というお話でしたけれども、これはどの程度精査されたのか。私が知っている一県だけでも再建するには六億以上掛かるというふうに試算が出ておりまして、七県あって十五億でとても済むんだろうかというふうに思っているものですから、この七県とおっしゃっていたのはどこの地域を、どういうことを言っているのか、よく分かりません。
いずれにいたしましても、撤去費用に対する支援というのはかなり掛かります。これ、ハウスとはもう全然、構造物として違います。もう鉄骨の構造で、それを取り除くためにも大変な費用が掛かるわけでありまして、それに対する支援というものを是非していただかないと、なかなかこの国産材を製材をする工場というのはそうたくさんあるわけではありません。とりわけ、JAS法の認定工場等については数が少ないわけでございまして、そうしたところの支援というものは国策上も是非ともしていただかなければならないと。
また、雇用支援ということにつきましても、今の御答弁では一日も早い再建、それは当然そうなんですけれども、それに至るまでの間どうするかということが問題になっているわけで、ハウス農家については、被災した農家については他社で働く場合は雇い入れることに対する支援というものがなされているわけでありますから、同様のやはり支援というものをしていかなければ逆に国産材を製材するところが途絶えてしまうと。ひいては、国家として目指している木材自給率の五〇%以上という、十年後ですけれども、これも達成は到底できないということで、被害実態をもう一度きちんと精査した上でその支援策についても再検討いただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。

○政府参考人(宮原章人君) 現在、七県で百十五か所が確認されております。その中でも、埼玉県それから山梨県の被害が非常に多くなっておりまして、埼玉県では十四か所で五億四千万の被害ということになっております。なお、これはまだ現在の段階での被害想定でございまして、これからなおこの被害状況については精査してまいりたいと思います。
製材業の被害からの復旧というのは非常に大切でございます。我々も、県や市町村とも連携してきめ細やかな対応を図ってまいりたいというふうに思います。

○西田実仁君 是非お願いしたいと思います。
残り二つ、この間の視察でいただきました御要望についてお答えをいただければと思います。
一つは、このハウス農家の撤去に関しては定額であるということで、私たちも実際に寒冷地仕様のパイプとそうでない地域のパイプを見せていただきました。重さも太さも違うということでありますので、この定額というのはどこを基準にしてやるんだろうかという、そういう市長からの御要望、お尋ねでございました。こうした要綱をいち早く出してもらって、寒冷地も寒冷地でないところも定額というのはおかしいんじゃないかと、こういう疑問に対してお答えいただきたいのが一つ。
もう一つは、これは長野県でしたけれども、経済産業省です、被災した中小企業の資金繰り支援のために、セーフティーネット保証の四号は自然災害に対応するものですけれども、これの対象地域の指定はいつ頃までに行われるのか、これを明らかにしてほしいという知事からの御要望でした。
この二つ、順繰りにお答えいただきまして、質問を終わりたいと思います。

○政府参考人(高橋洋君) 農業用ハウスの撤去費の定額助成の単価、これについては農林水産省で把握しております機械などのリース代、オペレーター代、廃棄物の運搬費などの標準的な経費を基に算出したものでありまして、その額の十分の十相当まで補助できることにすることによって、農業者の自己負担が発生しないような水準として設定をしたものでございます。
御指摘のように、寒冷地仕様でパイプの直径が違うと、それが大きいために廃棄物の量が特にかさむと、そういう実態が示されているというふうに承知しておりますので、そういったケースについては、今のはパイプハウスの場合ですが、やっぱり鉄骨ハウスの撤去、こちらと同等に考えることができるかどうかということで、更によく検討してまいりたいと考えております。

○政府参考人(横田俊之君) セーフティーネット保証四号についての御質問がございました。
この制度は、融資額の一〇〇%を保証するということで、迅速な復旧復興を促す制度でございます。この制度を活用するための要件としまして、災害による被災企業が相当数を超えるということが要件となっております。
現在、被災六県におきまして県庁の方で調査を行っておりまして、今月末までに調査を終了するというふうに聞いております。今後、この結果を踏まえまして、最大限迅速に対応してまいる所存でございます。
なお、被災中小企業・小規模事業者に対する資金繰り対策といたしましては、セーフティーネット保証四号のほかに、公的金融機関によります災害復旧貸付け、あるいはセーフティーネット貸付けという制度がございます。これまで千二百件相談対応を行っております。既に、約五十件の融資承諾、さらに七十件の融資申込みがございます。引き続き、私どもとしてもきめ細やかな対応を行っていく方針でございます。

○西田実仁君 終わります。