193-参-内閣委員会-012号 2017年06月13日

○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。
 残された時間もう僅かだと思いますので、二問ほどお聞きしたいと思います。
 一問は、日本版レギュラトリーサンドボックス、いわゆる規制の砂場についてでございます。この規制の砂場というのは成長戦略の一つの柱にもなってございますが、そもそも余り聞き慣れない言葉でございまして、このレギュラトリーサンドボックスというのはどういうものなのか。
 イギリスでは、フィンテックなど金融においてこの規制の砂場が適用されているようでありますが、どのような成果があったのか。また、日本がこれから取り組もうとしている自動走行あるいはドローン等、金融以外の新技術の実験場として日本では利用、活用しようということのようでありますけれども、海外においてはそういう金融以外の活用例があるのかどうか等を含めまして、日本版レギュラトリーサンドボックスとはどのようなものなのか、また、なぜ日本版というふうに言うのか、イギリスのサンドボックスとの違い等について内閣府から御説明いただきたいと思います。

○政府参考人(佐々木基君) お答え申し上げます。
 レギュラトリーサンドボックス、直訳いたしますと規制の砂場ということでございますが、これは、今先生お話ありましたように、フィンテック等イギリスの金融分野などでイノベーション促進のために設けられている実験場の仕組みということでございまして、現行法を即時適用することなく、革新的な製品、サービス、ビジネスモデルや仕組みをテストすることができる安全な場所ということでされているところでございます。
 今回はイギリスのサンドボックスをそのまま持ち込むものではございませんが、その考え方を生かしまして、自動走行や小型無人機等の近未来技術に係る実証を対象に、安全性に十分配慮した上で、事前規制、手続を抜本的に見直すことにより実証実験を迅速に行えるような、そういう仕組みを設けようというものでございます。
 これを私ども日本版レギュラトリーサンドボックスと呼ぶことにしたものでございまして、言葉の趣旨からいいますとイギリスのものとは違うわけでございますけれども、こういった規制の砂場というところで実験をより効率的に、かつ迅速にやっていこうというものでございます。

○西田実仁君 今回の法改正によりまして、既存の法令に新しい技術を適用するための法改正あるいは特区法の法改正について、今後一年以内に検討、措置するということも定められてございます。
 山本大臣に、その際、法令等の改正した場合に、法文上に、何度も言われている安全性への十分な配慮ということを、安全ということを担保する記載が必要ではないかと考えますけれども、いかがでございましょうか。

○国務大臣(山本幸三君) レギュラトリーサンドボックスについて、昨年十二月の特区諮問会議において民間議員から、安全性についてどういう仕組みをつくるか十分議論する、ルール無用や無法と誤解されないようにする必要との留意点が示されたところであります。実証実験の円滑化とはいっても、安全の確保は当然の前提であり、これが確保されなければ国民の理解も得られないところであります。
 こうした議論を踏まえて、政府としては、事後チェックルールの徹底等も含め安全性に十分配慮しつつ、事前規制、手続の抜本的見直しなどにより実証実験を集中的に推進するための具体的方策について検討してまいりたいと思います。
 本改正法の施行後一年以内をめどとして検討を進めるため、現時点において具体の条文等は未定でございますけれども、検討結果に基づいて必要な措置を講ずる際は安全が適切に確保されるよう十分に検討してまいりたいと思います。

○西田実仁君 保育人材の確保についてお聞きしたいと思います。
 今回、小規模認可保育所の対象年齢の拡大ということが盛り込まれておりますけれども、そこにおいても保育人材の確保というのはもう喫緊の課題であります。
 先日、これは小規模認可保育所じゃありませんが、都内のある幼稚園にお邪魔したところ、その経営者から幼稚園の先生の採用難について随分話を伺いました。先生一人を採用するのに八十万円以上のコンサルフィーを支払わなければならず、経営を大変圧迫をしているという話でした。その覚書を見せていただきますと、賞与を含めた年収の二五%をコンサルフィーとして支払う契約になっているそうでして、入社してから、入園してからというんでしょうか、五十日以内に退社した場合にはそういう返金規定というのも設けられてございましたが、一人を採用するのに八十万円以上掛かるという高さに大変に嘆いておられました。
 現行の職業安定法でも、求人者及び求職者に対しまして、手数料に関する事項等については明示しなければならないとされております。職業安定法の法改正とそれに伴う省令の改正によりまして、明年一月一日からインターネットによる情報提供の義務付けが始まると聞いてございますが、その狙いについて厚生労働省にお聞きをいたします。

○政府参考人(鈴木英二郎君) お答え申し上げます。
 本年三月に成立いたしました職業安定法の改正及びこれに伴います省令の改正によりまして、御指摘のように、来年一月一日から、職業紹介事業者は、就職者数、それから無期雇用の就職者のうちで解雇以外の理由で就職から六か月以内に離職した者の数、いわゆる早期離職者数でございます、それから手数料に関する事項でございますとか、就職してもすぐに辞めちゃった方について手数料をお戻しする返戻金制度、こういった事項についてインターネットで情報提供しなければならないという規定にしてございます。
 この際、インターネットでございますけれども、厚生労働省が運営いたします人材サービス総合サイトへの掲載を必須とすることにしております。これはなぜかと申しますと、このサイトにつきましては、職業紹介事業者は許可事業者でございますから、全職業紹介事業者に関する情報が一覧できると、こういうサイトになってございまして、これを見るだけで、求人者の方とか求職者の方が、事業者がどういう手数料でどういう紹介実績があるのかと、こういったことが一覧で分かるようになってございます。これで比較することによってより適切な事業者を選んでいただいて、御希望に合った人を紹介できると、こういったことを目的としまして今回の改正に至ったものでございます。

○西田実仁君 今御説明いただきましたように、大事なのは、厚生労働省の人材サービス総合サイトというところに掲載を必須とするということが私は大事だと思うんです。こういう紹介事業所のホームページも私も幾つも調べましたけれども、大体、求職者向けに無料であるということがやたらに喧伝される一方で、求人側の手数料等の費用については掲載しているのをなかなか見付けにくいという実態がございます。今回の法令改正によりまして、今おっしゃっていただいた、手数料の比較考量がしやすくなると。
 情報公開によって、これは山本大臣もよくこの委員会でも言われていますけど、まさに皆の目に触れることによって適正な価格に収まっていくという、そういうことで良心的な事業者が選ばれていくという、いい意味での淘汰が進むということが期待されるんじゃないかと思います。
 その意味では、是非、今後のこれは要望ですけれども、労働者派遣法における事業者についての手数料も、現状はまだ、各社のホームページ等にはあっても厚生労働省の今のようなサイトには一覧性を持った掲載はされていないわけでありますので、これも是非、そうした掲載があって一覧性が持たれるように要望いたしまして、私の質問を終えたいと思います。