217-参-総務委員会-8号 2025年04月17日

○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。
 午前中も様々議論があったわけでございますけれども、なるべく重ならないように質問をさせていただきたいと思います。
 この新たな周波数割当て方式の導入について、まず大臣にお聞きしたいと思います。
 周波数オークションにつきましては、かつての政権でもその導入を試みたことがあったかと存じますが、その際は実現をされておりません。今、何ゆえ新たな周波数割当て方式なのかということを総括的に大臣にお聞きしたいと思います。

○国務大臣(村上誠一郎君) 西田委員にお答えいたします。
 近年、電波の利用が急速に進むにつれまして、電波が非常に逼迫した状況になっております。比較的空いている六ギガヘルツを超える高い周波数帯の活用を進め、電波逼迫の解消につなげることが必要となってきております。さらに、六ギガヘルツを超える高い周波数帯の利用技術が発展したことによって、今後、新規サービスの創出等を通じた我が国の持続的な経済成長や競争力の強化への貢献も期待できるということであります。
 もっとも、高い周波数の特性としまして、伝送できる情報が多い一方で、伝送距離が短く、利用のための高度な技術を必要とするために、現状ではスポット的な利用を前提として様々な利活用の方策が試行錯誤されているところであります。
 こうした状況で、総務省の有識者会議におきまして、検討を踏まえて、割り当てる者の求める条件を極力少なくしまして、多様、多種多様なサービスを提供する者の中から最も電波を有効に利用できる者を決定する方式として、結局、専ら金額の多寡のみで評価する価額競争という新たな周波数割当て方式を導入するという結論に至ったものでございます。その結果、今回の法案を提出するということにいたしました。
 以上です。

○西田実仁君 一般的に、周波数オークションのデメリットといたしましては、落札額の高騰あるいは特定事業者への周波数の集中などが挙げられております。これらのデメリットにつきまして対応することが求められていると思います。
 海外におきましては、こうした特定事業者への周波数の集中を避けるため、落札できる周波数の幅に上限を設ける制度、いわゆる周波数キャップですけれども、こうしたものがありましたりしておりますが、今回の改正でも同様の制度を予定しておられるのか。仮にそうだった場合に、このオークションでの獲得可能な周波数幅に上限を設けるのか、それとも既に割り当てられている周波数も含めた上限になさるのか。また、上限の設定は事業者単位なのか、それとも企業グループなのか。企業グループの場合に、企業グループに関する情報の入手が必要になりますけれども、オークションに参加する際にはそれを申請させるのかといったことについて、総務省にお聞きしたいと思います。

○政府参考人(湯本博信君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、諸外国の周波数オークションにおきましては、デメリットを回避するための方策として、落札できる周波数の幅に上限を設ける、いわゆる周波数キャップが導入されている事例があると承知しております。
 その具体的な内容につきましては様々なものがあると承知しており、例えば、個別のオークションにおいて落札者が獲得可能な周波数幅に上限を設定したフランス、ドイツなどの例や、既に割り当てられている周波数幅と合計して割当て可能な周波数幅に上限を設定したイギリス、アメリカなどの例もあると承知しております。
 そのため、本法案におきましては、価額競争の実施に関する指針において、特定高周波数無線局に使用させることとする周波数の幅の上限といったものを定めることを可能としており、その際、上限の適用を受ける者について、既に割り当てられている周波数の幅の合計その他の事項を勘案して柔軟に定めることを可能としております。
 本法案が成立した暁には、諸外国における取組状況も参考にしながら、事業者単位にするかグループ単位とするかも含め、具体的な内容について検討してまいります。

○西田実仁君 次に、保証金についてお伺いしたいと思います。
 改正案におきましては、価額競争実施指針の定めによりまして、保証金を提供しなければならない場合とそうでない場合があるとしております。保証金の要不要はどのような基準で決められるのでしょうか。
 また、海外におきましては保証金は落札金に充当される例が多いとされておりますけれども、改正案でも落札金に充当するということでありましょうか。また、オークションの実施に当たりまして、談合など競争阻害な行動を取った場合はこの保証金は没収されると考えてよろしいでしょうか。

○政府参考人(湯本博信君) お答え申し上げます。
 本法案において、保証金について、価額競争の実施に関する指針において、提供すべき保証金の額や保証金の提供の方法及び期限のほか、保証金の返還の手続その他の事項について定めることとしております。
 類似の制度といたしまして、例えば国税徴収法に基づく公売手続におきましては、保証金は公売財産の見積価額が五十万円以下である場合などには不要としており、また、公売財産の買受人は保証金を買受け代金に充当できることや、公売等による売却の実施を妨げる行為をした者の保証金は没収することなどが定められております。
 本法案が成立した暁には、こうした類似の例も踏まえつつ、保証金の扱いについて具体的に検討してまいります。

○西田実仁君 次に、中継局を廃止する際の受信者の保護についてお伺いしたいと思います。
 改正案におきましては、地上波の放送事業者は、中継局を廃止する場合は、放送番組を引き続き視聴できるよう、ケーブルテレビや配信サービスなど提供できるようにするための措置を講じる努力義務を課すとしております。
 中継局の廃止により、どれくらいの世帯に影響があると想定しておられるのか。また、改正案では、放送事業者が中継局を廃止する要件として、地域の人口の著しい減少その他の理由を掲げておりますけれども、その他の理由とは何を想定しているのでしょうか。単に放送事業者の経営判断だけで中継局の廃止は可能なのか、総務省にお伺いいたします。

○政府参考人(豊嶋基暢君) お答えいたします。
 委員御指摘ございました中継局を廃止する具体的な想定規模でございますけれども、この中継局を廃止する具体的な対象地域につきましては、今後、各地域の放送事業者におきまして具体的な地域の選定についての検討が進められることになっておりまして、現時点で想定される影響世帯数についてお答えするというのは非常に困難でございますけれども、例えば中継局によりカバーされる世帯数が数百世帯以下など極めて少なくなってきており、かつ広く普及しているケーブルテレビあるいはブロードバンドが利用可能な地域につきまして、地域の受信者の皆様の御理解を得た上で本法案を踏まえた措置が行われるということを想定をしております。
 また、法案にありましたその他の理由でございますけれども、地域の人口減少に限らず、例えば広告収入の減少、放送設備の維持費用の高騰、あるいは技術的見地を有する人材の不足といった複合的な理由によって中継局の維持更新が放送事業者にとって困難となっている場合に中継局が廃止されるということを想定しているものでございます。

○西田実仁君 この中継局が廃止される場合に、その代替措置としては今おっしゃったまずはケーブルテレビ等が考えられますけれども、廃止される可能性のある小規模中継局を全てケーブルテレビで代替することは可能なのでしょうか。
 仮に全て代替できない場合にはIPキャスト方式による代替が考えられますけれども、現時点では、数十秒の伝送の遅延あるいはデータ放送の代替ができないなど、放送と同じサービスでの代替は困難とされております。さらに、設備の改修工事あるいはブロードバンド契約の際の初期の工事費用、これは宅内工事でありますけれども、毎月の通信費が発生する可能性もございます。
 これらの費用は事業者側が負担するのか、それとも視聴者側が負担することになるんでしょうか。視聴者が負担する場合、政府としては何らかの支援を考えておられるでしょうか、お聞きします。

○政府参考人(豊嶋基暢君) お答えいたします。
 まず、中継局を廃止するに当たって、基幹放送の放送番組を視聴するための代替サービスとしましては、委員御指摘のとおり、まずはケーブルテレビを始めとするいわゆる一般放送の活用ということが考えられます。ただし、ケーブルテレビが普及していない、あるいは今後拡大をするということがなかなか見込めない地域におきましては、これも委員御指摘がございましたとおり、IPユニキャスト方式による同時配信サービスを利用することも想定されるところでございます。
 このIPユニキャスト方式による配信サービスにつきましては、確かに、遅延が発生するといったような、放送と違う特徴がございますけれども、総務省がこれまで行った実証実験におきましては、実際に配信サービスを視聴した被験者において一定の受容性が一方で認められたところでございまして、総務省としましては、放送事業者が地域の住民にサービスの内容を十分説明をして、その理解を得た上でこういう代替サービスを提供していただくことが重要だというふうに考えております。
 また、代替の対象となる中継局につきましては、今後、放送事業者によって検討が進められるわけでございますけれども、受信者の移行費用あるいは利用料につきましては放送事業者が負担をするということを前提として検討していくものというふうに承知をしております。
 総務省としましては、本法案により導入される受信者保護規律の趣旨を踏まえまして、放送事業者が中継局を廃止するに当たって、放送番組を視聴するための負担が受信者に転嫁されることは適切ではないというふうに考えております。
 このため、総務省としましては、中継局の廃止に際して受信者負担が生じることがないように、ガイドラインによる手続の具体化や、各地域の放送事業者の調整の場に参画し放送事業者に対して助言をするなど、様々な手段により、放送事業者が中継局を廃止する際には適切な措置の実施を確保してまいりたいと考えております。

○西田実仁君 最後の質問でありますが、その他として辺地共聴施設の現状と課題についてお伺いしたいと思います。
 私の地元でも起きていることでございまして、地デジに移行する際に、山間地域などにおきまして、難視聴地域の解消のため、テレビ共同受信組合、共聴組合が各地に立ち上げられております。そこの運営は加入世帯による積立て等によって施設設備の、整備の維持管理、あるいは運営も行われているわけであります。しかし、この共聴施設の中には、設備が老朽化をして、また加入世帯が減少するなどして維持管理が困難になりつつあるところも少なくありません。
 放送は、災害時におきましては避難情報などを伝達する役割を果たしており、地域の安心、安全を担うライフラインでもあります。政府からの支援が是非とも必要と考えます。
 政府は、二〇二三年度以降、辺地共聴施設整備支援事業を実施しておられまして、災害時の情報伝達を確保するため、難視聴地域でのネットワークの光通信化や、送受信設備の整備を行う事業費用の一部を国が補助するなど支援しておりますけれども、この支援事業を活用して交付が決まったのは北海道の四施設にすぎません。
 事業の認知度を進め、要件などをもっと柔軟にすべきではないでしょうか。あるいは、辺地の相談支援窓口の出張相談など、もっと積極的に相談に乗っていくべきではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。

○国務大臣(村上誠一郎君) 辺地共聴施設につきましては、施設の老朽化や管理組合の組合員の高齢化等が進んできておりまして、その運営や更新に困難が生じてきている地域もあるというふうに聞いております。
 総務省におきましては、自治体等から施設老朽化等に関する多くの要望をいただいております。そういった要望を受け、令和三年度から辺地共聴施設の支援を進めてまいりました。令和五年度及び令和六年度の事業におきましては、支援を希望するものの、条件不利地域や財政力指数の要件に合致しない要件があり、交付決定した団体は計五施設にとどまりました。
 令和七年度当初予算では、補助金を活用しやすくするために、条件不利地域や財政力指数の要件の撤廃、補助率のかさ上げを実施いたしました。こういった拡充によりまして、今後はより多くの皆さんに補助金を活用いただくことを期待しております。
 以上であります。

○西田実仁君 終わります。