○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。
イラン情勢についてまずお聞きしたいと思います。
イランの戦闘が長期化するリスクというものは高まっているというふうに思わざるを得ません。ホルムズ海峡が事実上閉鎖されている中、国民生活をいかにして守っていくのか。第一次、第二次オイルショックとの違いを十分に踏まえて、まあ、あってはなりませんが、長期化した場合に備えておく必要もあると思います。
その違いですけれども、第一に、今回は単に油の値段が上がるのみならず、油そのものが日本に届かないリスクが生じてきていること、第二に、油のみならず原油由来の原材料の供給が途絶える可能性があることであります。カタールのガスが停止してヘリウムの供給が途絶しますと半導体は作れません。中東からの硫黄が届かなくなれば農業用の肥料も作れません。当然、プラスチック等がなければ、医療用の透析のチューブとか注射器とか、こういうことも作れなくなってしまうと。
ここで、今日、まず石油製品の話をさせていただきたいと思いますけれども、余り言われておりませんけれども、エチレン、プロピレン、ポリエチレン等の石油製品の輸出入というのは、原油のような中東一辺倒ではありません。(資料提示)
この表にありますように、例えば日本は、中東から石油製品は三二・六%ですが、アジア太平洋から輸入している量も二八・六%あります。豪州、オセアニアや中国、またシンガポール、その他の国々も皆、実は中東から輸入しているものよりもむしろアジア太平洋相互の取引によって増えているということであります。
そのアジアでは、例えばインドネシア、国家備蓄はもう数十日しかないと、こう言われておりまして、中東からの原油輸入が途絶えますと即座に石油化学プラントは停止をし、そして日本への供給もできなくなってしまうわけであります。
こうした連関性がございますので、イランのこの戦闘が長引きますと、景気悪化どころではなくて、日本経済の麻痺に直結しかねない。日本としてどう生き残っていくのかということを真剣にこれはやはり考えなければならないというふうに私は思います。
そこでまず、当面、国民生活を守るために実施しようとしておられますガソリンの補助に加えまして、電気代やガス代への補助も続ける必要があると思います。イラン情勢の先行きが不透明なこと、そして原油高騰によりどうしても貿易収支が赤字、改善、悪化するわけでありますので、円安が進行していく、そういうことも踏まえると、本当に基金あるいは予備費、令和七年度の予備費だけで足りるのかどうか。
そもそもこの予算委員会で議論する八年度予算、イラン情勢は前提としておりません。予備費の積み増しなど予算修正も必要なのではないか、それをまず総理にお聞きしたいと思います。
○内閣総理大臣(高市早苗君) まず、ガソリンなどの燃料油につきましては、既存の燃料油価格激変緩和基金の残高を活用して、今週十九日から補助を実施していきます。石油、原油備蓄の放出は昨日からということでございます。
今後、中東情勢や油価の状況を注視しながら、必要があれば、その他の予備費の使用状況も見極めた上で、令和七年度予備費や、まだ御審議中でございますけれども、令和八年度予備費を活用するのも否定されるものではないと考えています。
電気代、ガス代でございますが、その料金は二か月から四か月前の燃料輸入価格を参照して価格が決定されることが一般的ですので、電気・ガス料金が直ちに上昇することはないと認識をしています。
ですから、まずは物価高対策、またエネルギー・資源安全保障の強化を盛り込んだ経済対策や令和七年度補正予算を着実かつ迅速に執行するとともに、令和八年度予算及び関連法案の早期成立を図っていくことが必要と考えております。
○西田実仁君 情勢は刻々と変わってまいりますので、これ与野党超えて、予算の修正等もこの予算委員会で議論していきたいというふうに思います。
今御答弁ありました、その上ででありますけれども、先ほど、第一次、二次オイルショックとの違いを申し上げました。油の値段が上がるのみならず、油が日本に届かないというリスクがある以上、当面は、今進めておられますガソリンの補助にするにいたしましても、これいつまでも続けることは困難ではないかというふうに思います。イラン情勢が仮に長期化した場合でありますが、考えたくはありませんけれども、油の供給先の優先順位、医療やあるいは災害時のトリアージのようなことも検討していかなければならない局面ももしかしたら訪れるかもしれない。
ガソリン補助を仮に三か月ほど続けたときに、まだそれでも情勢が落ち着かないというときには、国民の皆様に、ここはもう省エネをお願いしなけりゃならない局面が来るかもしれない。むしろ、マイカーではなくて公共交通機関を使っていただくように促さなきゃならないかもしれない。その局面では、むしろ燃料代によって公共交通機関の利用料が上がらないように、そうした優先すべきところに燃料費の補助をしていく、あるいは物流を支えていく運送業に優先的に燃料費の補助をしていく、あるいは食料を確保するため重油補助などが必要な農業支援、そこに燃料費の補助をしていくというような、限られた量における生活を支えていくところに優先的にそうした燃料費の補助ということも、局面によっては考えていかなければならないと思います。
それでもさらにイラン情勢が収まらない場合はどうするのか。そのときには、やはりもう、それは六か月後とかなるかもしれませんけれども、生活を、国民生活をやっぱり守っていくためには、ここはもう、例えば給付などもしなければならないかもしれない、その間に消費税の食料品のゼロの話とか給付付き税額控除の話とか、こういう議論もしていかなければならないと思います。
つまり、私が申し上げたいのは、こうしたイラン情勢の長期化ということを、リスクがある以上踏まえて、その局面ごとにどういう支援をしていくのかということをしっかりとお示しすることが国民の皆様に安心を与えていくことになるのではないか。
国民生活を守り、経済の麻痺ということを避けるためにも、第一次、第二次オイルショックとの違いを踏まえて、今後の局面ごとの対策についてどのように今検討されているのか、是非国民に訴えていただきたいと思います。
○内閣総理大臣(高市早苗君) 中東情勢の先行きはいまだ予断を許さない状況ですから、今後、事態が長期化した場合にも、息切れすることなく持続的に国民生活をお支えすることができるように、支援の在り方というのは柔軟に検討してまいります。今委員が御指摘いただいたような様々なケースがあり得ると思いますが、それに対して柔軟に対応していきます。
それから、入ってこなくなるかもしれないものに対して、今、私自身もですが、各大臣本当に努力をして、代替調達先の確保ですね、こういったことを本当に精力的に進めております。御安心いただける形をつくりたいと思っております。
○西田実仁君 局面ごとのその支援の在り方、これを検討しているということでよろしいんでしょうか。
○内閣総理大臣(高市早苗君) 様々なリスク、そしてそれへの備えを今始めているということでございます。
○西田実仁君 日米首脳会談についてお聞きします。
ホルムズ海峡は事実上閉鎖されておりまして、既に三月十日、イランは機雷敷設を宣言しております。トランプ米大統領はSNSの投稿で、影響を受けている中国、フランス、日本、韓国、イギリスその他の国々がこの海域に艦船を派遣することを望むと、ホルムズ海峡の安全確保や日本などの艦船派遣に期待を示しております。
十九日から訪米される総理であります。この機雷対処、あるいはタンカー護衛のための自衛隊派遣を求められる可能性もこれは否定できないんじゃないかというふうに思いますが、戦闘中の機雷除去はもちろん戦争行為そのものであり、存立危機事態の認定が必要になります。艦艇や哨戒機の派遣も、言うまでもありませんが、参戦そのものであります。もし自衛隊をホルムズ海峡に派遣するのであれば、今回の米国のイラン攻撃に関して、総理が避けている法的評価もしなければならないでしょう。
今回訪米されて、アメリカから、日本は中東の原油に依存しているのに何もしないのかと言われた場合にどう対応するのか。もちろん仮の話でありますが、自衛隊の派遣についてあらゆる可能性は検討されていると推測をいたします。法律上、国会の関与が必要となることもあり得るわけでありまして、どのような対応が可能なのか、与野党の党首間できちんと議論をしておく必要があるのではないか。与野党党首会談を提起する用意はありますか。
○国務大臣(小泉進次郎君) まず、現時点で正式な派遣要請などは来ておりません。そして、昨日、広田委員などともやり取りをさせていただいたとおり、現時点で自衛隊の派遣について決まっていることはありません。
いずれにしても、現時点で大事なことは、外交努力をしっかりと尽くして、事態の鎮静化に向けた努力をあらゆる局面で、そしてまた政府挙げて取り組むことだと思っておりますので、予断を持ってこうだということではなく、現在そういう努力をしているということで御理解いただければと思います。
○委員長(藤川政人君) 党首討論の方、用意はあるかという話。
○内閣総理大臣(高市早苗君) 今、法的に可能な範囲で何ができるかということを精力的に政府内で検討をしております。事によっては国会の承認が必要なミッションもあるわけでございますけれども、そういう場合には、できるだけ幅広く各党各会派の代表の方に丁寧にお話をしたいと考えております。
○西田実仁君 まさに国難という状況になり得るような今状況でありますので、ここは与野党しっかりと協力をしてこの国難乗り切っていかなきゃいけないという思いで質問させていただきました。
総理は繰り返し責任ある積極財政と言っておられます。そもそも裁量で動かせる予算規模がどのくらいあるのかということで、まずグラフを御覧いただきたいと思います。
令和八年度予算百二十二兆円のうち、国債費が二五・六%、地方交付税交付金は一七・一%、社会保障三一・九%、防衛費は七・三%で、事務費が多く含まれるその他の事務経費五・〇%で、既に実は八七%がいわゆる義務的経費であります。残りも、文教科学振興費四・九%の大宗は学校運営費用でありますので、ざっくり申し上げますと、残りは八%程度しかありません。これに公共事業関係費五・〇%も入っておりますので、現実問題として、真水での一般会計の余地は四兆円ぐらいしかないんですね。仮に米国からの要望を受けて防衛費を増やせば、あっという間に裁量で動かせる金額はマイナスになってしまいます。
食料品に係る消費税ゼロ、二年間で十兆円、給付付き税額控除、多年度投資スキームも加わりますと、財源なき歳出増を減税として国債が売られ、金利は上昇しかねません。米国からの防衛費増の要請があったとしても、そう簡単に請け合うべきではありません。数字ありきではなく、日本の防衛のために何が必要かという積み上げにより防衛費の規模は決まってくるはずでございます。総理の御認識を問いたいと思います。
○内閣総理大臣(高市早苗君) 個別の議論について予断するということは差し控えますが、防衛力整備につきましては、自らの国は自らで守るという基本姿勢の下、我が国自身の主体的判断に基づいて行うものでございます。金額ありきではなくて、大事なのは防衛力の中身だと考えております。
安全保障環境は一層厳しさを増している現状を踏まえまして、日米同盟の抑止力、対処力は一層強化していく、ここのところは米国との間で緊密に連携をしてまいります。
○西田実仁君 次に、防衛装備品の海外輸出、いわゆる五類型の撤廃についてお聞きしたいと思います。
まず世論調査でありますけれども、見ていただきますが、自民党と日本維新の会は、防衛装備移転三原則の運用見直しに向けまして政府に提言を提出されております。殺傷を主な目的としない救難、輸送、警戒、監視、掃海に限っていた従来の五類型を撤廃し、戦闘機、護衛艦、潜水艦など、殺傷能力のある武器の輸出を原則可能とするよう求めています。総理は、三月六日、この趣旨に賛同し、五類型撤廃を国民にしっかりと説明していかなければならないと述べておられると伺っております。
そこで質問したいと思いますが、このNHKと時事通信社の世論調査を見てお分かりのとおり、殺傷能力のある武器輸出の賛否について、賛成は三二%、NHK、反対が五三%、時事通信もほぼ同様で、賛成は二七、反対が四八%ということになっておりまして、殺傷能力のある武器輸出については反対が約半数に上っている現状であります。
自民党及び総理の立場からすれば、こうした世論を説得をして理解を得ますことが何より重要ということになると思いますけれども、それには、総理自らがこの開かれた国会の場において国民にきちんと説明する必要があると思いますので、質問をしたいと思います。
まず、こうした最近の世論調査の受け止めをお聞きしたいと思います。
○内閣総理大臣(高市早苗君) 防衛装備移転というのは、我が国にとって望ましい安全保障環境の創出などのための重要な政策手段でございます。我が国を取り巻く安全保障環境の変化が加速度的に生じる中で、防衛装備移転を更に推進して、地域としての抑止力、対処力を向上させることが必要だと考えております。
また、防衛装備移転の推進は、同盟国、同志国への販路拡大ですとかサプライチェーン協力の拡大を通じて、防衛産業やデュアルユース技術を保有するほかの産業の発展により、日本経済の成長にもつながります。
同時に、我が国からの防衛装備移転については、個別の案件ごとに厳格に審査し、移転後の適正管理が確保される場合に限って認め得るとする政府の基本的な考え方に変わりはございません。
世論調査の結果、逐一についてのコメントはいたしませんが、国民の皆様に、今申し上げました防衛装備移転の意義、考え方について御理解をいただけるように丁寧に説明をしていきたいと存じます。
○西田実仁君 我が国との間で安全保障面での協力関係がある諸国との安全保障、防衛協力の強化に関する海外移転について五類型に限定してまいりましたのは、警察権に基づく海上保安分野での連携強化が狙いでありました。あわせて、この海上保安政策プログラム、これを通じまして人材の育成も行ってまいりました。
同盟・同志国との防衛協力の深化のため五類型撤廃すると言いますけど、なぜ警察権に基づく海上保安では不十分なのか、防衛大臣にお聞きします。
○国務大臣(小泉進次郎君) まず、この防衛移転政策につきましては、旧公明党の皆様方に、あっ、公明党ですね、参議院の方は公明党だと思いますが、先生方に大変お世話になって、この運用の見直しなどを二〇二三年、そして二〇二四年と重ねてまいりました。まず、西田先生を始めとして公明党の皆さん、また衆議院の旧公明党の皆さんにも心から感謝を申し上げたいと思います。
その上で、今お尋ねがありましたが、なぜ緩和ではなくて撤廃なのかと……(発言する者あり)ああ、その前の話ですね、警察権の範囲だと思いますが、今回この、西田先生が誰よりも御存じですが、前回の見直しの際に、国家安保上の戦略的アプローチの一つとして海洋安全保障の確保が掲げられていたと、こういったことを踏まえて現在の記載に至ったもの、これが五類型であります。
ここまでで取りあえずよろしいですか、それともその先も含めて答えて……(発言する者あり)はい。
その上で、今回、見直しにおきましては、より幅広い装備品の移転を可能にする、そして、自衛隊法上の武器の直接移転や第三国移転については国家安保会議で審議し公表することを基本とするなど厳格な審査が行われることを確保することとし、我が国の防衛装備移転政策の歴史において重要な改正を実現をすることができました。こういった背景があったわけです。
そして、それ以降、現在において、安保環境の変化が大変著しい中で、政府として、この装備移転を更に推進し、地域の抑止力と対処力を向上させたいと、こういった思いであります。特に、今やどの国も一国で平和を守ることは難しい時代になりました。その中で、日本も、武器やミサイル、こういったものを買っております。買っている一方、海外から日本の高い技術に対して期待があるにもかかわらず、我々はできませんと、こういったことで果たして本当にいいんだろうか、それで日本にとって望ましい地域の安全保障環境を実現できるのであろうかと。こういった中で、しっかりと今回の提言も踏まえて政府として決めていきたいと思っております。
○西田実仁君 総理も防衛大臣も地域の抑止力、対処力と言われましたが、この地域とはどこでしょうか。防衛大臣にお聞きします。
○国務大臣(小泉進次郎君) 例えば、日本にとって大事な戦略は、国家安保上の基本戦略はFOIP、この自由で開かれたインド太平洋であると、これは総理も再三繰り返しているところであります。
例えば一例を挙げさせていただければ、今オーストラリアとの「もがみ」型の選定の最終調整、契約に向けた最終調整をやっております。この日本が誇る技術を搭載をした「もがみ」型の護衛艦、これを日本とオーストラリアが共有することになるわけです。こういったことをしっかりと地域全体の抑止力と対処力につなげることによって、新たな戦争や紛争を起こさせないようにする。
なので、このアンケートも含めて殺傷能力という言葉を使われますが、オーストラリアの海軍のある関係者から聞いたところ、日本の護衛艦の選定に至った背景には、仮に自分の娘がオーストラリアの海軍の軍人で、どの船に乗ったら一番命が助かるだろうか、そういったことを考えた結果、日本の「もがみ」型という結論に至ったという話を共有してくれました。
まさにこのアンケートも、殺傷能力と問われればこういう数字が出るかもしれませんが、その移転をするものが何かということも含めて丁寧に説明をすることが、国民の皆さんの理解にとって大事なことだと思っております。
○西田実仁君 二年前の次期戦闘機の第三国輸出の議論をここでいたしましたときにも同じような反対の方が多かったんですけれども、それを通じて逆転しました。そういうような議論をしなければいけないと私は思います。
その上で、五類型をなぜ撤廃するのかというときに、これまで自公の間では、歯止めが利かなくなるとして五類型にして、もし必要であれば、必要な防衛上のその必要があれば追加をしていくという、そういう考え方も議論されてきましたけれども、なぜ追加ではなく撤廃なんでしょうか。
○国務大臣(小泉進次郎君) 今御指摘のようなポジティブリスト形式、こういったことにつきましては、先生のように様々な御意見がありますが、その課題としては、類型に該当するか否かの判断が難しいケースが生じ得ることや、安全保障上重要な防衛装備移転を適時適切に実施できないとの見方があるということも承知をしています。
こうした点も踏まえながら、政策の見直し、運用指針の見直しを早期に実現すべく、関係省庁とともに具体的な検討を加速していく考えです。
○西田実仁君 先ほど総理は、もう一つの狙いとして、防衛生産・技術基盤の強化、また成長に資するということをおっしゃいましたので、その点についてお聞きしたいと思います。
かつて宮澤喜一外務大臣は、たとえ何がしかの外貨の黒字が稼げるといたしましても、我が国は兵器の輸出をして金を稼ぐほど落ちぶれてはいないといいますか、もう少し高い理想を持った国として今後も続けていくべきであろうと答弁しております。
これは、総理、どのように受け止めますか。
○内閣総理大臣(高市早苗君) 今は、日本を取り巻く情勢、非常に厳しいものになってきていると思います。
また、我が国一国だけではなくて、やはり同志国を増やしていって、一緒に地域の安定というものを実現していかなきゃいけない、そういう時代になっていると思います。もう時代が変わったと感じます。
○西田実仁君 そうではなくて、経済の、産業に資すると先ほどおっしゃったわけですけど、そういう落ちぶれた国にはならないと宮澤外務大臣が言われたことについてはどう思いますか。
○内閣総理大臣(高市早苗君) 防衛産業そのものだけではなくて、今、防衛関連産業、そしてそのほかの類いの産業、協力をし合いながら、デュアルユースと言われる、防衛力強化にも使える、また私たちの暮らしを便利で豊かにするためにも使える、そういった技術の開発で協力をし合い始めています。ここ数年の動きでございます。
まさに私たちの身の回りには、防衛産業から生まれたものによって便利になったものがたくさんございますよね。ETCもそうだし、骨折したときのチタンボルトもそうですし、そういった、車載用の衝突防止装置もそうですし。
ですから、その産業とつなげること、そしてそれをもってお金を稼ぐこと、これが落ちぶれたことだと思いません。むしろ今、世界の潮流としては、デュアルユース技術で経済成長にもつなげる、国民生活の豊かさにもつなげる、そして国をしっかりと守る、そういう時代に入っていると思います。そしてまた、多国間で安定した環境をつくっていく、そういう時代になっていると私は思います。
○西田実仁君 国民が心配しているのは、殺傷能力のある兵器をどんどん海外に輸出するんじゃないかということを心配しているわけでありまして、その点について改めてお聞きしますけれども、防衛生産の強化をするためには、一定のロットを安定的に生産し続け、ラインを維持する必要があります。それには発注数を維持しなければならず、自衛隊だけではなく他国からの受注、他国からも受注する方が有利、そう考えるのは経済の一般論としてはそのとおりだと、正しいと思います。
しかしながら、仮に外国からの受注が増えれば自国装備の生産に支障を来すので、両立させるためには生産ラインを増やさなければなりません。当然、外国から受注が減ったときには、その施設は遊休設備になってしまいます。したがって、生産ラインを維持するためには兵器受注ということを、海外への売上げを伸ばさなきゃいけないと。
先ほど防衛大臣が、豪州に「もがみ」型の話をされていましたけれども、潜水艦とか売れたとしても、実は独自の造船業を持つ欧米の先進国がこの波にずっと乗ってくれるという保証はどこにもありません。現に、豪州との商談ではドイツが競争相手でありました。そして、武器を買う余力のあるアジア諸国におきましても、中国、韓国という造船業トップツーが競争相手であり、外国からの受注を維持し続けることはそう簡単なことではありません。今にわかに日本の武器ブームと言われているようでありますけれども、それが一過性のものであるというふうに思います。
防衛生産・技術基盤の強化という目的は、結局、果てしなき右肩上がりの兵器受注を前提にして初めて成り立つ議論であります。そういう世界で本当によいのか、そうした波に乗って平和よりも一時的な経済利益を貪欲に追求する国であってよいのか、総理のお考えをお聞きしたいと思います。
○内閣総理大臣(高市早苗君) 例えば防衛産業、もう防衛産業というのは、言わば防衛力そのものと位置付けられております。これは御党とも一緒に策定しました、二〇二二年、現行の国家安全保障戦略において、装備品の開発、生産、維持整備の確保のために必要不可欠な防衛生産・技術基盤というのが言わば防衛力そのものと位置付けられているということでございます。
本当に今、世界に目を向けますと、各国が無人機の大量運用を含む新しい戦い方ですとか、長期戦への備えを急いでおります。自国の生産基盤、それから技術基盤の強化に取り組んでいます。ですから、やはりしっかりとした防衛生産・技術基盤の構築というのは喫緊の課題なんです。
そんな中で、例えばロシアのウクライナ侵略によってこの継戦能力、これが大きな課題と今なっていますよね。そうすると、一定数必要な数はちゃんと調達できる生産能力というのはつくっておかなきゃいけない。今はそういう時期であると思います。
そしてまた、今般、今世界で起きていることにおきましても、中東の親しい国から日本に対して協力の要請がありました。しかしながら、なかなか生産能力が追い付いていないということで、それに応えることはできなかった。大変悔しい、申し訳ない思いをしたところでございます。
継戦能力、そしてまた地域の安定に寄与していくということに向けては、私は必要な改革であると考えております。
○西田実仁君 継戦能力で大事なのは、イランあるいはウクライナを見てもお分かりのとおり、国民の抵抗の意思が究極でありまして、今物価高に大変国民の皆さんが苦しんでいる中におきまして、先ほど申し上げましたような兵器生産ということに血道を上げるような国、これに対して国民を本当に守るという強い気持ちが持てるかどうかということが事の本質でありまして、おっしゃるような、その防衛力そのものが、防衛産業そのものが防衛力だというお話でありますけれども、今のこの議論は余りにも物だけに偏った見方ではないでしょうかと、そういう危惧をいたしますけれども、総理はどう御認識しますか。
○国務大臣(小泉進次郎君) 物だけではなくて、今、自衛隊の隊員の皆さんの給与、そして待遇、これも今まで以上に上げております。
私としては、この継戦能力に関わることで申し上げれば、現場を見ていて、例えば部品が足らない飛行機、これも見ています。かなり、最近、防衛産業に対する投資がなかったことで、残念ながら撤退をしてしまった部品の会社もあります。
そういった中で、いざ何かがあったときに、自前の防衛力の整備、また防衛産業を育てなければ、答えとしてはただ一つで、海外依存度上げるしかありません。そして、結果入ってこなければ、国民の命を守るために任務に就いている自衛隊の皆さんに対して必要なものを届けることができません。
こういったことに陥らないようにするためにも、やはり、全てをというのは不可能かもしれませんが、自前の防衛能力、そして産業基盤、技術基盤をしっかりと持っていくことは非常に重要なことだと思っておりますので、丁寧に説明をさせていただいて、国民の皆様の御理解を得られるように努めていきたいと思います。
○西田実仁君 総理にお聞きします。
国民の皆さんの理解が、究極のやはり抵抗するという力になり、防衛力になるというふうに指摘しました。別に、自衛隊の人、全然何もやらなくていいなんということは一つも言っていないんです。今の議論が物だけに、そういう意味だけに偏っているんじゃないか、大事なのは国民の理解ではないか、そのことを言っているわけですけれども、どうでしょうか。
○内閣総理大臣(高市早苗君) そういう御指摘でしたら、そのとおりでございます。国民の皆様の御理解を得るべく、丁寧にしっかりと説明をさせていただきます。
○西田実仁君 外務省の平和国家としての六十年の歩み、平成十七年ですが、平和国家の理念に基づいた我が国の取組は以下の実績が示すとおりであるとして、国際紛争助長の回避の項目に、武器の供給源とならず、武器の売買で利益を得ないと記載しておりました。二〇一四年、防衛装備移転三原則が策定された際にも、平和国家としての歩みを引き続き堅持と加筆されました。
この引き続き堅持されました平和国家の理念につきまして、現政権はどのような見解持っているのか、国際紛争の助長回避に関する政府のスタンスは変わったのか、総理にお聞きしたいと思います。
○内閣総理大臣(高市早苗君) 我が国からの防衛装備移転につきましては、個別の案件ごとに厳格に審査し、移転後の適正管理が確保される場合に限って認め得るとする政府の基本的な考え方に変わりはございません。政府として、平和国家としてのこれまでの歩みを堅持しながら、どのような案件を移転可能とするべきか、検討を進めてまいります。
本当に、同志国、地域の安定、平和を守るための取組でございます。
○西田実仁君 国際紛争の助長回避に関する政府のスタンスは変わっていないんでしょうか。
○国務大臣(茂木敏充君) そのスタンスは全く変わっておりません。平和国家としての八十年の歩み、これは継続してしっかりと進めていきたい。
同時に、今、一国だけではあらゆる脅威から自国を守れないと、こういう国際状況がある中で、戦争を助長するためではなくて、抑止力を高めることによって未然に紛争を防いで平和にしていく、そのために同志国が協力をすると、こういった協力を更に進めていくということが、今の時代、極めて重要になってきているんだと思います。
○西田実仁君 五類型を撤廃する場合には、防衛装備移転三原則の運用指針の改定が必要となりますが、その際に、防衛装備移転三原則等に国際紛争の助長をすることを回避すると明示的に記載すべきではないでしょうか。総理にお聞きします。
○国務大臣(茂木敏充君) 今検討中でありますから、どういった文言にするかと、これにつきましては、今後更に詰めていきたいと思っております。
○西田実仁君 この運用指針の改定というのは政府が決定すれば足りるわけでありますし、自民党の提言は政策の大転換と位置付けておりますけれども、それに見合った国民的な議論がなされていない、であるから先ほどの世論調査の結果になっている。政府と与党の判断だけで突き進めば、国民には理解されないというふうに思います。
先ほど、今回の見直しの目的で、地域の対処力、防衛力の向上ということを第一に掲げられました。この地域の防衛力、抑止力ということに目的を置くのであれば、この輸出した際の殺傷能力のある武器について、その使用方法とか戦術の指導でありますとか、あるいはその戦略の構想でありますとか、相手国や地域の安全保障政策に深くコミットしていく可能性は当然高まっていくと思います。それは、我が国の防衛、安全保障、とりわけ専守防衛や平和国家の在り方に大きく影響していくでありましょう。それが国民の皆様の理解を得るには、より透明性を高めるため、国民の代表が集まる国会の関与が重要になってくると思います。
五類型の見直しについて、運用指針の見直しだけで済ませるのではなく、国会が関与する方策をどう講ずるのか、総理にお聞きしたいと思います。
○内閣総理大臣(高市早苗君) まず、運用指針の見直しについてでございますが、現時点ではその内容を予断をすることは控えさせていただきます。
その上で、防衛装備移転の許可は外為法の運用によって行われるものでございます。同法の運用は行政権の作用に含まれますので、法律にのっとり、国家安全保障会議における厳格審査を経て、政府がその主体となって行っていくことが適切だと考えます。
その上で、防衛装備移転についてはこれまでも、政府による対外発信、また国会での御質疑などを通じてその考え方や背景を御説明してまいりました。これからも、国民の皆様に御理解いただけますように、政府の考え方について丁寧に説明していくことは当然だと考えております。
○西田実仁君 しかし、自民党の提言は政策の大転換と言っておられまして、地域の抑止力、対処力を向上させるという、まさに地域の様々な防衛戦略に深くコミットしていくことに大きく転換をするという提言になっているわけであります。
したがって、こうした見直しがなされれば、先ほど申し上げたように、地域の戦術あるいは戦略、こうしたことに我々がコミットしていくということになるわけでありますので、それがどういうふうになっていくのか、単なる適正管理を超えた戦略にコミットしていくことになるわけでありますので、それについて透明性を持って国民にしっかり示さない限りはこういう世論調査の結果は変わりませんよ。総理、どう思われますか。
○国務大臣(小泉進次郎君) 西田先生おっしゃるとおり、地域と一緒になってどのように運用していくかとかいう話、また能力構築などはあると思います。
ただ、それは何のためかと申し上げれば、やはりこの地域に新たな戦争や紛争を起こさせないと、こういった環境をつくるための防衛装備移転として考えていますので、そこも含めて御理解が得られるようにしていきたいと思います。
○西田実仁君 最後に、中小企業の価格転嫁についてお聞きしたいと思います。
地元では必ずしもないんですが、建設業の方で基礎工事等に関わっておられるとび、土工の方からのお話でありますが、今、国家的に適正取引が進められておりますけれども、一部の住宅メーカー等からの注文書が送り付けられてきて、見積りもないという状況の中で、一人工に直しますと日に二千円余りというような、そういう仕事も請け負わざるを得ない状況になっております。こうした行為は違法行為だというふうに思います。
しかし、建設業法は実は取適法の除外になっておりまして、そうした一方的な、価格交渉なしで注文書を送り付けて見積りも取らないという、そういう行為は禁止を今法律上なされていません。こうした実態をよく調べて、そして法律を改正するべきではないかというふうに思いますが、国交大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(金子恭之君) お答え申し上げます。
注文者である元請事業者が、取引相手である専門工事業者と協議を行うことなく一方的に請負代金の額を決定し契約を締結する指し値発注につきましては、建設業法に基づく監督処分等の対象となり得るものと考えており、その旨を建設業法令遵守ガイドラインに明記しているところでございます。建設業法やガイドラインに反する不適切な取引行為については、建設Gメンが調査、指導等を行うことにより、その適正化に引き続き努めてまいります。
また、先ほど法改正のお話がございましたが、一方的な請負代金の決定を防ぐため、昨年十二月に全面施行いたしました改正建設業法において、労務費等の内訳を記載した見積書の作成やその内容の尊重など、新たな取引ルールが定められたところでございます。
まずは、これら新たな取引ルールを業界にしっかり定着させ、取引の適正化につなげていくことが重要だと考えており、ルールの更なる周知や建設Gメンによる調査、指導等に力を入れてまいります。その上で、更なる措置の必要性についても、新たな取引ルールの普及状況等を踏まえ、関係者の意見も丁寧に伺いながら、引き続き検討してまいります。
○西田実仁君 建設業法では、取適法で禁止事項に法律となっております協議に応じない一方的な価格決定そのものは、禁止事項にまだなっていないわけですね。そういうことによってこうした事態が起きているとすれば、これは実態調査して早急に改正すべきであることを主張して、終わりたいと思います。
ありがとうございました。